火星が太陽の側を通り過ぎてゆく…2017/07/29

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長らく宵空を飾ってくれた火星が、この7月の終わりに太陽方向と重なる「合」を迎えました。国立天文台サイトの暦計算室によると、黄経の合は27日9:57、赤経の合なら28日7:04とのことですから、今日はもう通り過ぎていますね。合付近の惑星は、太陽を観測している人工衛星SOHOに写ることがあるので数日前から見ていたのですが、どうにも火星像が見つかりませんでした。今日になって発見!太陽光を遮るマスクに隠れていました。そこにいたのかぁ!

左はSOHOサイトからの引用で、本日0:06UT(9:06JST)の画像です。星図を頼りに周囲の星を特定してみました。なんとまあ、プレセペ星団がすぐ近くなのですね。SOHOは地球から少し離れた位置で太陽を見ているため、地上で見た太陽と他天体の位置関係とは少々ずれていますが、大きくは違いません。画像中のCncは「かに座」の略称です。

地球近傍小惑星として知られる「小惑星イカロス」もすぐ近くでした。計算してみたら、驚いたことに今日が太陽に一番近い日でした。2016年6月にイカロスの記事を書いたころからもう1年以上経つのですね。光陰矢の如し…。

火星は今後しばらくすると明け方の空に顔を出し始めるでしょう。そして9月17日には水星と4分角、翌18日には月と50分角、10月6日には金星と13分角、という見かけ上の大接近を立て続けに起こします。どうぞお見逃しなく。

台風10号発生でまたまたトリプル台風2017/07/29


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本日15:00、先島諸島に最接近している強い台風9号のすぐ南西側に台風10号「HAITANG/ハイタン」が発生しました。直前の台風9号の発生から3日と3時間後になります。現在台風5号も健在なので、今年三回目のトリプル台風となりました。また7月の発生数が8個に到達し、1971年の記録と並んで7月発生数トップ(タイ記録)になりました。

左は今日15:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図経緯線等は筆者)。赤点円は台風中心の直径1000km円、水色の雲は活発に上昇してよく冷えている部分。台風10号の位置を遡ると二日前の15時には既に熱帯低気圧として存在してました。今日は朝からしっかりした渦が見えていたのでそろそろヤバいと感じていたのです。気象庁の予報では9号のほうへ向かっていますが、台風としての寿命は短そうです。ただそれでも風雨の心配はありますね。

いっぽう台風5号は停滞気味で、暴風圏内の小笠原諸島ではたまったもんじゃないでしょうね。今後もどちらへ向かうのか、いつ頃どこに到達するのか不確かです。今日現在の予報では8月最初の週末に九州あたりへ行きそうな傾向ですが、確実ではないでしょう。しばらくはしっかり様子を見なくちゃいけません。