金星近くのヒアデスに月が重なりました ― 2017/07/20
昨日は雲が多く、宵のうち少し晴れただけで、夜通し状況は変わりませんでした。こりゃ、明け方の月や金星は無理かな…そう思いながら2時頃東を見てみると、ぼんやりした月が確認できます。上空は何とか1等星が見える空。淡い期待を込めつつ、機材を組み立てて待ちました。
3時前になると雲は奇跡的に薄くなり、光芒に包まれながらも月や金星、アルデバランが見えました。左画像は3時過ぎの撮影。ヒアデス星団の微光星を写そうと露出を伸ばせば月明かりで全体がかぶってしまうため、かなり神経を使った撮影になりました。月が露出オーバーにならないよう段階露光を使った複雑な画像処理を施しています。ヒアデス星団のお風呂につかった月が満足そうで、なかなかステキな光景。このあとまた雲が迫ってきたため本当に幸運でした。昼間のアルデバラン食は体力的に無理そうだから諦めます。
明日明け方は月と金星が接近しますが…晴れるかな?なお、今日と明日は月を使って昼間の金星を探しやすい日。チャレンジしたい方は太陽光に注意しながらトライしてみてください。
参考:
アーカイブ:昼間に月と金星が近い日
3時前になると雲は奇跡的に薄くなり、光芒に包まれながらも月や金星、アルデバランが見えました。左画像は3時過ぎの撮影。ヒアデス星団の微光星を写そうと露出を伸ばせば月明かりで全体がかぶってしまうため、かなり神経を使った撮影になりました。月が露出オーバーにならないよう段階露光を使った複雑な画像処理を施しています。ヒアデス星団のお風呂につかった月が満足そうで、なかなかステキな光景。このあとまた雲が迫ってきたため本当に幸運でした。昼間のアルデバラン食は体力的に無理そうだから諦めます。
明日明け方は月と金星が接近しますが…晴れるかな?なお、今日と明日は月を使って昼間の金星を探しやすい日。チャレンジしたい方は太陽光に注意しながらトライしてみてください。
参考:
アーカイブ:昼間に月と金星が近い日
海の中の宇宙[4] ― 2017/07/20
(海の中の宇宙[3]へ戻る)
日本近海の海底地形にある「空、自然、季節に関する名前」を持つ地物めぐり、第四回目(最終回)です。今回は第一回目で取り上げた「天文」に関する名前の続きとして、太陽系外の恒星/星座に関わる名を持つ海底地形をご紹介。かなり広範囲なので、A図の三つの白い長方形それぞれで拡大図を作図しました(北から南へB図、C図、D図)。
A図はもはや九州も見えないほど、九州−パラオ海嶺に沿って南下した地域。でもB図のエリアは第一回目のB図とほぼ同じです。共通の目印として、以前にも出てきた「彗新海穴」を入れておきました。ふたつの地図を見比べると、彗星海山と新星海山の中間に位置するので彗新海穴と呼ばれることが分かるでしょう。(恒星海山と準星海山にはさまれた山が彗星海山です。)この辺りは一般的な天文用語をそのまま使った海山が多いのですね。
B図の南寄りには「北斗」「織女」「牽牛」という聞き覚えある言葉が出ています。これらの言葉は単独だと星に関係していると言い切れませんが、一連の流れから「北斗七星」「織女星(織姫星)」「牽牛星(彦星)」の意味で付けられたことは想像できます。
海の中の織女と牽牛はわずか50kmしか離れていませんから、毎日でもデート可能でしょう。でも牽牛海山の30km東には「明の明星海山」つまり金星(ビーナス)の海山があって、牽牛が誘惑に負けないだろうかと心配な状況であります…。(※金星由来では「明星海山」「明の明星海山」「金星海山」の三つがあって、それぞれ違う海山なので混乱しそう。)
牽牛海山から南に向かって月や惑星関係の海底地形が連なります。そこを過ぎるといよいよC図とD図のエリア。C図「かじ星海山」のすぐ北北西の山が「冥王星海山」です。記事下に示したリストを見ると分かりますが、この辺りには星の配列に関する和名がたくさんあります。備考欄を見ずに何を差しているか全部分かりますか?
「七つ星」「ひしゃく星(柄杓星)」などを聞くとピンと来るかも知れませんが、これらは北斗七星のこと。北斗七星は北半球でとても目立つので、日本でも海外でもたくさんの呼び方や伝承が残っています。
少し変わった名では「そえ星海山」。「添え星」とは、北斗七星のひとつであるおおぐま座ζ星(ミザール・2.3等)のすぐ側にあるアルコル(4.0等)のこと。ミザールとアルコルは目でも確認できる二重星で、見かけ上は約12分角離れています。満月の直径が約30分角なので三分の一あまりですね。昔々は視力検査に使われたという逸話があります。現在の視力検査で「どっちが離れてますか?」に使われるランドルト環視力表などでは、分角で表した離角で1を割ってあげると視力の値になります。これに従うとミザールとアルコルが見分けられない人は視力0.083未満ということになるでしょう。でも、そもそも現代の汚れた星空では「4等星が見えない」という方も多数いらっしゃるので、星を使った視力検査はかなり複雑な状況ですね。
C図に出てくる星々は北極星からスタートして、北斗七星や春の大曲線に沿って一望できます。実際に星空を撮影した説明画像を下に掲載しておきます。
良く見ると星の和名エリアも、海底の北南と「天の南北」が大雑把に合わせてあります。C図のエリアは日本の大部分で見える星々。対してD図の風早星海底崖より南側は、北緯26°まで南下しないと十字形全体が見えない「南十字座(南十字星)」の和名が連なっています。 「そんな南に行かないと見えない星座なら、和名があること自体不思議」と思えるでしょう。ただ、貿易などで航海する人や南方へ漁に出る人にとって、1等星級の星が二つもある南十字座はとても大切な目印。それは今も昔も変わりません。
D図の風早星海盆や波浮星平坦面はサイパンやグアムと同緯度。実際にここまで南下すると南十字座は波の上、高度10°以上に見えるでしょう。と言っても一年中ではなく、限られた時期・限られた時間です。南十字座がいつでも空のどこかに見えるのは南緯33°より南極側。陸地だとだいたいシドニー以南のオーストラリアやニュージーランド、チリやアルゼンチンの南部に限られます。
四回に分けて紹介した海底地形、いかがだったでしょうか。当ブログに関連する空や自然に関わる名前のみ取り上げましたが、他にもお祭りの名や、元号名、天皇名、地元に伝わる名前などたくさんあります。ご興味あれば調べてください。時代と共にいっそう詳しく調べられ、変遷してゆくと思いますが、一時代の記録として記しました。地震国日本では、もっと多くの方に理解・関心が深まって欲しいと願っています。
日本近海の海底地形にある「空、自然、季節に関する名前」を持つ地物めぐり、第四回目(最終回)です。今回は第一回目で取り上げた「天文」に関する名前の続きとして、太陽系外の恒星/星座に関わる名を持つ海底地形をご紹介。かなり広範囲なので、A図の三つの白い長方形それぞれで拡大図を作図しました(北から南へB図、C図、D図)。
A図はもはや九州も見えないほど、九州−パラオ海嶺に沿って南下した地域。でもB図のエリアは第一回目のB図とほぼ同じです。共通の目印として、以前にも出てきた「彗新海穴」を入れておきました。ふたつの地図を見比べると、彗星海山と新星海山の中間に位置するので彗新海穴と呼ばれることが分かるでしょう。(恒星海山と準星海山にはさまれた山が彗星海山です。)この辺りは一般的な天文用語をそのまま使った海山が多いのですね。
B図の南寄りには「北斗」「織女」「牽牛」という聞き覚えある言葉が出ています。これらの言葉は単独だと星に関係していると言い切れませんが、一連の流れから「北斗七星」「織女星(織姫星)」「牽牛星(彦星)」の意味で付けられたことは想像できます。
海の中の織女と牽牛はわずか50kmしか離れていませんから、毎日でもデート可能でしょう。でも牽牛海山の30km東には「明の明星海山」つまり金星(ビーナス)の海山があって、牽牛が誘惑に負けないだろうかと心配な状況であります…。(※金星由来では「明星海山」「明の明星海山」「金星海山」の三つがあって、それぞれ違う海山なので混乱しそう。)
牽牛海山から南に向かって月や惑星関係の海底地形が連なります。そこを過ぎるといよいよC図とD図のエリア。C図「かじ星海山」のすぐ北北西の山が「冥王星海山」です。記事下に示したリストを見ると分かりますが、この辺りには星の配列に関する和名がたくさんあります。備考欄を見ずに何を差しているか全部分かりますか?
「七つ星」「ひしゃく星(柄杓星)」などを聞くとピンと来るかも知れませんが、これらは北斗七星のこと。北斗七星は北半球でとても目立つので、日本でも海外でもたくさんの呼び方や伝承が残っています。
少し変わった名では「そえ星海山」。「添え星」とは、北斗七星のひとつであるおおぐま座ζ星(ミザール・2.3等)のすぐ側にあるアルコル(4.0等)のこと。ミザールとアルコルは目でも確認できる二重星で、見かけ上は約12分角離れています。満月の直径が約30分角なので三分の一あまりですね。昔々は視力検査に使われたという逸話があります。現在の視力検査で「どっちが離れてますか?」に使われるランドルト環視力表などでは、分角で表した離角で1を割ってあげると視力の値になります。これに従うとミザールとアルコルが見分けられない人は視力0.083未満ということになるでしょう。でも、そもそも現代の汚れた星空では「4等星が見えない」という方も多数いらっしゃるので、星を使った視力検査はかなり複雑な状況ですね。
C図に出てくる星々は北極星からスタートして、北斗七星や春の大曲線に沿って一望できます。実際に星空を撮影した説明画像を下に掲載しておきます。
良く見ると星の和名エリアも、海底の北南と「天の南北」が大雑把に合わせてあります。C図のエリアは日本の大部分で見える星々。対してD図の風早星海底崖より南側は、北緯26°まで南下しないと十字形全体が見えない「南十字座(南十字星)」の和名が連なっています。 「そんな南に行かないと見えない星座なら、和名があること自体不思議」と思えるでしょう。ただ、貿易などで航海する人や南方へ漁に出る人にとって、1等星級の星が二つもある南十字座はとても大切な目印。それは今も昔も変わりません。
D図の風早星海盆や波浮星平坦面はサイパンやグアムと同緯度。実際にここまで南下すると南十字座は波の上、高度10°以上に見えるでしょう。と言っても一年中ではなく、限られた時期・限られた時間です。南十字座がいつでも空のどこかに見えるのは南緯33°より南極側。陸地だとだいたいシドニー以南のオーストラリアやニュージーランド、チリやアルゼンチンの南部に限られます。
四回に分けて紹介した海底地形、いかがだったでしょうか。当ブログに関連する空や自然に関わる名前のみ取り上げましたが、他にもお祭りの名や、元号名、天皇名、地元に伝わる名前などたくさんあります。ご興味あれば調べてください。時代と共にいっそう詳しく調べられ、変遷してゆくと思いますが、一時代の記録として記しました。地震国日本では、もっと多くの方に理解・関心が深まって欲しいと願っています。
【天文に関する名前が付いた海底地形リスト・その2】
海底地形名 | 属名 | 承認年 | 水深 | 備考 |
---|---|---|---|---|
巨星海山(Kyosei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 1200m | 天文用語 |
北連星海山(Kita-Rensei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 2550m | (造語) |
準星海山(Junsei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 1760m | 天文用語 |
連星海山(Rensei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 1710m | 天文用語 |
南連星海山(Minami-Rensei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 2890m | (造語) |
恒星海山(Kosei Seamount) | 海山(Seamount) | − | 320m | 天文用語 |
西恒星海山(Nishi-Kosei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 3000m | (造語) |
東新星海山(Higashi-Shinsei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 3160m | (造語) |
新星海山(Shinsei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 1200m | 天文用語 |
超新星海山(Choshinsei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 1900m | 天文用語 |
南超新星海山(Minami-Choshinsei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 1750m | (造語) |
南新星海山(Minami-Shinsei Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 2860m | (造語) |
北斗海山(Hokuto Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 2410m | (北斗七星) |
織女海山(Shukujo Seamount) | 海山(Seamount) | − | 2300m | (こと座のベガ) |
牽牛海山(Kengyu Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 2200m | (わし座のアルタイル) |
源氏星海山(Genjiboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 3360m | オリオン座のリゲル |
つりがね星海山(Tsuriganeboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 2910m | おうし座のヒアデス星団 |
平家星海山(Heikeboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 3494m | オリオン座のベテルギウス |
すばる海山(Subaru Seamount) | 海山(Seamount) | 2001年 | 3010m | おうし座のプレアデス星団 |
かじ星海山(Kajiboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 2974m | 北斗七星 |
四三の星海山(Shisonohoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 2938m | 北斗七星 |
ひしゃく星海山(Hishakuboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 2228m | 北斗七星 |
矢来星海山(Yaraiboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 4328.1m | こぐま座のβ星とγ星 |
いかり星海山(Ikariboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 3076m | カシオペア座 |
七つ星海山(Nanatsuboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 2641m | 北斗七星 |
ふね星海山(Funeboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 2948m | 北斗七星 |
ますがた星海山(Masugataboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 4303m | ペガスス座・秋の四辺形 |
ます星海山(Masuboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 2132m | 北斗七星 |
そえ星海山(Soeboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 2256m | おおぐま座のアルコル |
妙見星海山(Myokenboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 4020m | 北極星 |
けんさき星海山(Kensakiboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2014年 | 2138m | おおぐま座のη星 |
むぎ星海山(Mugiboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 2017m | うしかい座のアルクトゥルス |
しんじゅ星海底崖(Shinjuboshi Escarpment) | 海底崖(Escarpment) | 2015年 | − | おとめ座のスピカ |
しんじゅ星海山(Shinjuboshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2013年 | 2127m | おとめ座のスピカ |
風早星海底崖(Kazahayahoshi Escarpment) | 海底崖(Escarpment) | 2015年 | − | 南十字星 |
風早星海盆(Kazahayahoshi Basin) | 海盆(Basin) | 2015年 | − | 南十字星 |
西風早星海山(Nishi-Kazahayahoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 2547m | 南十字星 |
風早星海山(Kazahayahoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 1682m | 南十字星 |
南西風早星海山(Nansei-Kazahayahoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 2158m | 南十字星 |
ほぶれ星海山(Hoburehoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 2702m | 南十字星 |
登張星海山(Tobarinohoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 2750m | 南十字星 |
葉室星海山(Hamuronohoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 2634m | 南十字星 |
八幡星海山(Yanbaruhoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 3976m | 南十字星 |
波浮星平坦面(Habunohoshi Terrace) | 平坦面(Terrace) | 2015年 | − | 南十字星 |
十市星海山群(Tochinohoshi Seamounts) | 海山群(Seamounts) | 2015年 | 2177m | 南十字星 |
南面里星海山(Yutsumanohoshi Seamount) | 海山(Seamount) | 2015年 | 1835m | 南十字星 |
葉広星海山群(Hahirohoshi Seamounts) | 海山群(Seamounts) | 2015年 | 1957m | 南十字星 |
葉広星海盆(Hahirohoshi Basin) | 海盆(Basin) | 2015年 | − | 南十字星 |
- 海底地形リストは登録位置が北から南に向かって掲載しています。元ファイルにデータ記載が無い項目は「−」表記です。
- 備考欄は元ファイルのものではなく、私が付けた名称由来の注釈です。このなかで(造語)となっているのは別の地物名から付けられた名前の意味です(例:新星海山の東にあるので東新星海山)。
- 元ファイルの地物は点(ポイント)、線(ライン)、面(ポリゴン)のいずれかで登録されています。点の場合は小さな赤丸、線と面(アウトラインのみ)はピンク線に分けて描画しました。
- 同じ海山でも点登録と面登録があったり、広がりを持つ地物が点登録といったチグハグさが目立ちますが、元データがそうなっています。いずれ改善されるでしょう。
- 地図左上の段彩凡例は水深/標高です。標高0m以上の陸域は段彩パレットで白色系にしていますが、精度が高くないため海岸線や湖面などの水際でやや不明瞭になります。(意図的に海岸線や等高線は描いていません。)
- 点の座標が地物の位置から若干ずれて見えるところがあります。これも精度不足が原因と思われます。
- 幾何学的なくぼみやキャタピラー痕のような凹凸があちこちありますが、主に元データのエラーと思われます。(船の航路やソナーの向きが影響するでしょう。)こういうのを何年もかけて修正しながら、地形データはバージョンアップをくり返してきました。
- 描画はGMT(ver.5.4.2/Mac版)を使用しました。簡単のため地理的図法ではなく直交座標にしました。詳しく見ていただくため大きな画像にしてます。小さな画面で見ている方、ごめんなさい。
今日の太陽&ダブル熱帯低気圧が発達中 ― 2017/07/20
明け方に薄雲越しの金星や月が見えたのも束の間、朝から雲の多い一日でした。時々雲間から日が差しますが短い時間です。
左は15:10頃の太陽。雲量が少なくなったので偶然撮れました。ただ、活動領域は全く無くなってしまったし、プロミネンスも微かです。
今日は九州北部に梅雨明けが発表されました。残るは北陸と東北のみですね。いっぽう、太平洋上では熱帯低気圧が日本に向かって西進しており、昨夜21時からは「台風になる可能性がある」として気象庁サイトから情報が出始めました。
右は本日12:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は熱帯低気圧中心の直径1000km円。更に、この熱帯低気圧の東、ちょうど日付変更線付近にも雲のかたまりがあり、こちらは今日15:00に「台風になる可能性がある」熱帯低気圧として発表がありました。18:00の時点ではダブル熱帯低気圧のままですが、移動方向次第では注意が必要でしょう。
なお、右は日本の気象衛星から見える範囲に過ぎませんが、アメリカの気象衛星GOESから見ると太平洋の状況はもっとすごい事になってます。左はNOAAサイトからの引用で、GOES-15による20日15時JST(6時UT)の画像(経緯線などは筆者/見やすいよう加工)。たくさんの嵐たちが見事に列を成しています…。このなかで気象衛星ひまわりから見えているのは熱帯低気圧1と2だけです。