梅雨の束の間に月と木星を見る2017/07/01

20170701月面X
7月初日も小雨の降りしきる一日。この分では今夜も収穫無しか…そう思っていましたが、夕方に空を見ると、南の一角だけ青空が顔をのぞかせ、夕焼けに染まる巻雲越しに上弦の月が見えるではありませんか。今夕は確か月面Xが見えるはず。天気が宵まで持ってくれれば見ることができるでしょう。さっそく望遠鏡を組み立てて待つことにしました。

西・北・東はどんよりとした雲が垂れ込めていましたが、月が見える辺りは日が暮れても何とか晴れていました。西の雲はだんだん南にせり出してきたので、撮影可能な時間になったら夢中でシャッターを切りました。月面Xの状況など考慮する余裕はありません。

左は19:10過ぎの撮影で、太陽黄経差94.50°、撮影高度48°、月齢7.32です。日没から10分しか経ってないのでまだ空は明るいのですが、画像処理で背景を暗く落としています。月面上のX地形から見た太陽は地平に対して約-0.6°の方向(つまり水平よりわずかに下側)にあって、地形を照らし始めていた計算になります。太陽が-1.0°より高ければX地形のほとんどが照らされて見えてくるので、この画像でもはっきり写っていますね。ただし淡い雲越しなので、元画像はかなりコントラストが悪くなりました。晴れただけでもラッキーでしょうけれど…。今年は月面Xイヤーとでも言えるくらいチャンスが多いのですが、天候不順でなかなか観察できませんでした。まさか、梅雨のこの時期に見えるとは!

20170701月と木星
見ると、月のすぐ南側に木星が輝き出していました。月中心との離角は2°弱とかなり近く、晴れていたらみんな注目するだろうなと思いました。右画像は望遠鏡を小さいものに換えて撮影した月と木星。きれいに画角に収まってくれました。繰り返しになりますが、まだ空は明るい状態です。

衛星も写るだろうかと露出オーバー気味に撮った画像を後から処理してみると、微かですが四大衛星全てが写っていました。左下は元画像を等倍で切り出したもの。

20170701木星の衛星
さすがに衛星に露出を合わせると青空であることがバレますね。イオは木星のすぐ側で、タイミングギリギリでした。1時間後だったら木星に隠れてしまったでしょう。もっとも、1時間後には小雨がぱらつき始めましたけど…。

梅雨期間ですからなかなか晴れませんが、思わぬタイミングで束の間の天体ショーを楽しむことができ、幸せな気持ちでいっぱい。次の月面Xデーは8月29日です。

参考:
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