穏やかな晴れ間に彗星ふたつ2017/05/05

20170505タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)
昨夜から今朝にかけ、思いがけず良いお天気でした。月没は1:30過ぎでしたが、その前から透明度がそれなりに上がっています。明け方まで時間が少ないけれど彗星を撮ってみることにしました。

いつも西から東へと撮りますが、ジョンソン彗星(C/2015 V2)が子午線を越えたばかりで向け辛かったため、先にタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)へ望遠鏡を向けました。ところがガイドが安定せず、30分撮影したところで再度セッティングからやり直し、もう一度撮影。少しだけ落ち着いたものの、やはり不安定でした。どのみち彗星近くに4.3等星のκLyrがあり、盛大にゴーストがかぶってるので良い写真にはなりませんでした。

20170505ジョンソン彗星(C/2015 V2)
それにしても41P、急に暗くなりましたね。緑のコマに覇気が感じられません。

次は子午線をまたいでジョンソン彗星へ。明るくなっているジョンソン彗星は導入も容易です。2、3コマ撮るともう動きが分かるほど速くなりましたね。

どちらの画像も約30分露出、彗星位置基準コンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°です。出だしでもたついたおかげでフラット画像などの枚数が足りません。片付け終わる頃にはすっかり明るくなりました。

参考:
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽と途切れた環水平アーク2017/05/05

20170505太陽
朝まで晴れていましたが、日が高くなるにつれて雲か多くなりました。雲間の太陽を待っていたけれど、姿を見せないまま高度が高くなり建物の影に入ってしまいました。午後になって雲が切れたため、再度撮影しました。

20170505太陽リム
左は15:35頃の太陽。活動領域12654(右)および12655(左)が明るく見えています。12655には小さな黒点もあるのですね。右リムのプロミネンスが少し活発です。午前撮影と午後撮影は大気状態やシンチレーションも異なり、私の機材の場合は撮像の向きや光の偏りも微妙に変わります。「いつもの調子」に仕上げるのに画像処理パラメータ調整がややこしく面倒なのです。

時間は遡りますが、11時過ぎに南の空を見ると妙に青白い雲がポツンと漂っていました(下左画像)。見たことある色合いだなぁとしばらく眺めていたら、これが環水平アークの一部だと分かりました。虹色らしさは全くありませんが、数分後の下右画像では屋根上の鬼瓦から右方向へ赤から緑の色合いが分かり、延長線上にこの青白い雲があったのです。他のアークに比べて上下幅が広い環水平アークはこのように途切れる確率が高く、一部しか見えずに戸惑うことがあります。昨日のアークも短かったけれど、今日のは更に短いなぁ。

  • 20170505環水平アーク
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