今日の太陽と花粉光環 ― 2017/04/04
早いもので春分から節気がひとつ巡り、「清明」になりました。昨夕の雷雨もウソのように、朝からよく晴れています。少し雲があるものの、気温はかなり高くなりそうです。
左は10時少し前の太陽。活発な活動領域12644は右リムに到達直前で、その少し左上に新たな12649も見えます。右リムに近づきつつある12645も黒点やプラージュが良く見えますね。少し分かり辛いけど左側赤道近くには12648も見えます。また12644すぐ下の真っ直ぐ突き出たプロミネンスが目立っていました。
今日は花粉光環が比較的はっきり見えました。雨上がり翌日は見えることが多いと感じます。ぼちぼち終わりにしてほしいですね…。
どこからともなくツバメの鳴き声が聞こえましたが、探しても姿が見つかりませんでした。当地での今年の飛来はやや遅いです。
左は10時少し前の太陽。活発な活動領域12644は右リムに到達直前で、その少し左上に新たな12649も見えます。右リムに近づきつつある12645も黒点やプラージュが良く見えますね。少し分かり辛いけど左側赤道近くには12648も見えます。また12644すぐ下の真っ直ぐ突き出たプロミネンスが目立っていました。
今日は花粉光環が比較的はっきり見えました。雨上がり翌日は見えることが多いと感じます。ぼちぼち終わりにしてほしいですね…。
どこからともなくツバメの鳴き声が聞こえましたが、探しても姿が見つかりませんでした。当地での今年の飛来はやや遅いです。
素晴らしい姿のラブジョイ彗星 ― 2017/04/05
昨夕から雲が出て、暈をかぶった月がぼんやりとしていました。夜半過ぎても1等星がやっとの星空でしたが、明け方が近づくと持ち直してきました。ターゲットをラブジョイ彗星(C/2017 E4)ひとつに絞り観察です。
3月18日に初めて撮影して以来、雲行き、至近の街灯、障害物、薄明などの影響でなかなか長時間露出ができませんでした。今朝は透明度がやや悪かったものの、やっと30分越えの露出に成功。隣家の屋根と上空の電線の隙間でしたが、うまく切り抜けました。左画像は3:48から31分の露出で、彗星位置基準コンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°。撮影の後半は天文薄明が始まっていました。
昨日撮影した画像でも見られましたが、楕円状のコマと西方向やや上寄りに伸びる尾が分かりますね。黒ベースだと尾の末端がはっきりしませんが、右のように白黒化反転すると画像右端に届いていることが分かります。写っている範囲では少なくとも0.8°の長さです。海外の天体写真家たちによるここ数日の画像では1.3°以上伸びているようです。
今朝の撮影ではまだ月明かりはありませんでしたが、あと数日で撮影時間帯に月が残るようになるでしょう。そこからしばらくは満月期。これからもう少し増光する予定のラブジョイ彗星も月明かりには負けてしまうかも知れません。良いタイミングで撮影できました。
参考:
ラブジョイ彗星(C/2017 E4)に関係する記事(ブログ内)
3月18日に初めて撮影して以来、雲行き、至近の街灯、障害物、薄明などの影響でなかなか長時間露出ができませんでした。今朝は透明度がやや悪かったものの、やっと30分越えの露出に成功。隣家の屋根と上空の電線の隙間でしたが、うまく切り抜けました。左画像は3:48から31分の露出で、彗星位置基準コンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°。撮影の後半は天文薄明が始まっていました。
昨日撮影した画像でも見られましたが、楕円状のコマと西方向やや上寄りに伸びる尾が分かりますね。黒ベースだと尾の末端がはっきりしませんが、右のように白黒化反転すると画像右端に届いていることが分かります。写っている範囲では少なくとも0.8°の長さです。海外の天体写真家たちによるここ数日の画像では1.3°以上伸びているようです。
今朝の撮影ではまだ月明かりはありませんでしたが、あと数日で撮影時間帯に月が残るようになるでしょう。そこからしばらくは満月期。これからもう少し増光する予定のラブジョイ彗星も月明かりには負けてしまうかも知れません。良いタイミングで撮影できました。
参考:
ラブジョイ彗星(C/2017 E4)に関係する記事(ブログ内)
今日の太陽 ― 2017/04/05
オーストラリア北東部の洪水はまだ続いている ― 2017/04/05
3月28日にオーストラリア北東部に上陸した強いサイクロン「デビー(Debbie)」の影響で、4月に入って各地が洪水に見舞われています。4月3日の記事で全体の状況をまとめましたが、この記事は続報になります。左はNASA Earth Observatoryサイトからの引用で、洪水前後にNASAの観測衛星から撮影されたフィッツロイ川(Fitzroy River)流域の比較画像。浸水の全体像が分かります。
クィーンズランドを流れるフィッツロイ川(Fitzroy River)水系では一番被害が大きかったようです。各地にある水位観測ポイントでは「Minor/Moderate/Major」の三段階の閾値で河川増水レベルを表現していますが、今日夕方(5日18時JST)まだMajorレベルのポイントが六ヶ所もありました。
オーストラリア気象局(Bureau of Meteorology)のサイトで各観測ポイントにおけるフィッツロイ川の「River Heights」データが分かるので、サイクロン上陸日の3月28日以降のデータを全てプロットしたグラフを記事下に掲載します。(※このグラフは今後20日間蓄積する予定です。1、2日に一度更新予定。)各地点がどのあたりなのか、右下の地図を併用してください。地図右サイドやや上、海岸に近いピンクに塗られた地域に密集しています。ここはフィッツロイ川の最下流に位置します。洪水のニュースが流れてから水位を毎日モニターしているのですが、3日の記事で取り上げたフィッツロイ川下流の街、ロックハンプトン(Rockhampton)の観測地でも正に今日夕方Majorとなってしまいました。サイクロンが去って以降もう1週間近く経つのに、Major下限を2m近くオーバーしていたり、いまだに増水が続いているのです。
オーストラリア気象局の表示には川底や観測地の標高データが無いようで、残念に感じました。サイトに掲載されたRiver HeightsやWater Levelというのが「水位=基準面から川面までの高さ」なのか「水深=川底から川面までの高さ」なのか「川面の海抜高度」なのかも明記されてないし、基準面の標高(零点高)も分かりません。(サイト内をざっと見ただけなので、どこかに書いてあるかも知れないけれど…。)そこで精度は高くないですがGoogleMapで大雑把に標高を調べたところ、下記六ヶ所を含む流域の多くが20mから40m程度と分かりました。所々の丘を除けばだだっ広い平野です。ひとたび浸水したらひとたまりもありません。(私の住む茨城県県南地域と変わりませんね…。)
参考までに、河川氾濫による洪水とは違いますが「Flood Maps」という洪水シミュレーションのサイトで「海抜が何m上昇したらどこが水没するか」というのを大雑把に見ることができ、ここから標高の入り組みが推測できます。同じ縮尺・同じSea level riseで関東地方などでもやってみると実感が湧くでしょう。
河川勾配が比較的急な日本と違って、オーストラリアでは水が集まったり捌けたりする速度も違うのでしょうか。サイクロン以降に多少の降水はあるものの、多雨に見舞われてないことは不幸中の幸い。河川の増水がある程度解消されるまではデータ収集を続けようと思いますが、もちろん水位が元に戻っても街の被害がすぐ解消されるわけではないでしょう。何より一日も早く街が元気を取り戻すことを願うばかりです。
参考:
衰え知らずのハリケーン「MATTHEW」(2016/10/07)
迷走するサイクロン「WINSTON」(2016/02/21)
クィーンズランドを流れるフィッツロイ川(Fitzroy River)水系では一番被害が大きかったようです。各地にある水位観測ポイントでは「Minor/Moderate/Major」の三段階の閾値で河川増水レベルを表現していますが、今日夕方(5日18時JST)まだMajorレベルのポイントが六ヶ所もありました。
オーストラリア気象局(Bureau of Meteorology)のサイトで各観測ポイントにおけるフィッツロイ川の「River Heights」データが分かるので、サイクロン上陸日の3月28日以降のデータを全てプロットしたグラフを記事下に掲載します。(※このグラフは今後20日間蓄積する予定です。1、2日に一度更新予定。)各地点がどのあたりなのか、右下の地図を併用してください。地図右サイドやや上、海岸に近いピンクに塗られた地域に密集しています。ここはフィッツロイ川の最下流に位置します。洪水のニュースが流れてから水位を毎日モニターしているのですが、3日の記事で取り上げたフィッツロイ川下流の街、ロックハンプトン(Rockhampton)の観測地でも正に今日夕方Majorとなってしまいました。サイクロンが去って以降もう1週間近く経つのに、Major下限を2m近くオーバーしていたり、いまだに増水が続いているのです。
オーストラリア気象局の表示には川底や観測地の標高データが無いようで、残念に感じました。サイトに掲載されたRiver HeightsやWater Levelというのが「水位=基準面から川面までの高さ」なのか「水深=川底から川面までの高さ」なのか「川面の海抜高度」なのかも明記されてないし、基準面の標高(零点高)も分かりません。(サイト内をざっと見ただけなので、どこかに書いてあるかも知れないけれど…。)そこで精度は高くないですがGoogleMapで大雑把に標高を調べたところ、下記六ヶ所を含む流域の多くが20mから40m程度と分かりました。所々の丘を除けばだだっ広い平野です。ひとたび浸水したらひとたまりもありません。(私の住む茨城県県南地域と変わりませんね…。)
参考までに、河川氾濫による洪水とは違いますが「Flood Maps」という洪水シミュレーションのサイトで「海抜が何m上昇したらどこが水没するか」というのを大雑把に見ることができ、ここから標高の入り組みが推測できます。同じ縮尺・同じSea level riseで関東地方などでもやってみると実感が湧くでしょう。
河川勾配が比較的急な日本と違って、オーストラリアでは水が集まったり捌けたりする速度も違うのでしょうか。サイクロン以降に多少の降水はあるものの、多雨に見舞われてないことは不幸中の幸い。河川の増水がある程度解消されるまではデータ収集を続けようと思いますが、もちろん水位が元に戻っても街の被害がすぐ解消されるわけではないでしょう。何より一日も早く街が元気を取り戻すことを願うばかりです。
- 予定していた2017年4月16日24:00AEST時点のオーストラリア気象局サイト掲載データまで記入終わりました。ただし次項の注意があります。
- RockhamptonとYaambaはMinorを下回った時点でデータ掲載をやめてしまったようで、10日2:00以降のデータが不明です。またRiversleaは長時間一定値を示していたのが原因なのか、過去のデータが抹消され、10日6:00以降のみの掲載となっています。そこで、気象局にデータ提供している大元のQueensland Government Water Monitoring Information Portalに残っていた6日から12日までの原記録をグラフに挿入しました。6日0時前後で若干不整合がありますが、概ねの傾向は分かるでしょう。13日以降はオーストラリア気象局データに戻しています。
- 横軸はAEST(オーストラリア東部標準時)です。
- 地点同士のグラフを比較する場合は縦軸目盛りが三種類ありますのでご注意ください。また、プロットされていないところは元々データがありません。
- 比較資料として2015年9月に決壊した鬼怒川水海道観測所のグラフを右に掲載します(データ元:国土交通省水文水質データベース)。グラフの体裁と横軸の間隔を揃えてありますので水位増減ペースを比較できるでしょう。
参考:
衰え知らずのハリケーン「MATTHEW」(2016/10/07)
迷走するサイクロン「WINSTON」(2016/02/21)