明け方、三つの彗星たちが明るい2017/04/04

20170404タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)
昨夕は一時的に雷雨となり、予報が出ていたとは言えビックリしました。数時間で雲が取れ、夜半前にはヒンヤリした星空がやってきました。湿気がひどかったのですが、夜半過ぎの月没を待って彗星を観察しました。

まず天頂を過ぎたばかりのタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)。少し薄雲の通過があったものの、32分の露出ができました。相変わらず緑のコマが大きく広がっていますが、右下に向かって鋭いV字型に伸びる尾がしっかり写りました。少しずつ見かけの移動距離と方向が変わってきましたね。

20170404ジョンソン彗星(C/2015 V2)
続いて南中直前のジョンソン彗星(C/2015 V2)。だいぶタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星に近くなっています。こちらも32分の露出ですが、尾が立派ですね。緑のコマも少し大きくなりました。4月に入って北上が止まり、いよいよ移動方向が西向きに転じています。この後南下する動きも加わり、1ヶ月後にはかなりのスピードが出ているでしょう。

ラストは明け方東天低く見えているラブジョイ彗星(C/2017 E4)…と思ったけれど、3時頃から北天東天は雲に覆われてしまいました。やっと撮影できるまでに回復したのは航海薄明が始まる頃。かなり明るい空でしたが、なんとか10分の露出で画像を仕上げました。

20170404ラブジョイ彗星(C/2017 E4)
驚いたことに三彗星の中では一番集光が強くて明るく、また西向き(右向き)に長い尾が伸びています。しっかりと暗い背景で撮りたかった…コマが楕円になっていますがどうしてでしょうか。撮影のエラーでは無いようですし、彗星の移動方向とも違います。

夜半頃は透明感のない空でしたが、明け方が近づくと共に気温が1度まで下がって良い空となりました。案の定、作業が終わる頃には全てがビショビショでしたが彗星たちの元気な姿を楽しむことができました。なお画像は全て彗星位置基準でコンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°です。

参考:
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)
ラブジョイ彗星(C/2017 E4)に関係する記事(ブログ内)

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