金星と火星が最接近、月は少し離れる ― 2017/02/02
一昨日、昨日と二日続けて金星や火星に接近した月も、今夕は少し離れた所に輝いていました。夕方になってようやく風も少し収まり、観察するには差し支えない状態。おまけに日没直後とてもくっきりしたビーナスベルトが東の空を染めて、空の透明度が高いことを物語っています。
左は18時過ぎに撮影した月。太陽黄経差66.53°、撮影高度49°弱、月齢は5.37です。思っていたよりも大気の乱れは酷くなくて、強風さえ凌げればかなり良い像でした。明後日の2月4日には月面Xデー、そしておひつじ座の星がグレージング現象を起こします(→関連記事)。予報位置に近い方はぜひ望遠鏡でご覧ください。
いっぽう金星と火星は本日一番近い位置関係となりました(→関連記事)。右は天文薄明終了後の18:45頃に撮影しました。画像上方向を天の北方向にしています。今夕の離角は約5.385°。今後両惑星は次第に離れていきます。少し寂しいですが、自然とは移ろいゆくものですからね。静かに見守りましょうか。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差36度以上、72度未満)
左は18時過ぎに撮影した月。太陽黄経差66.53°、撮影高度49°弱、月齢は5.37です。思っていたよりも大気の乱れは酷くなくて、強風さえ凌げればかなり良い像でした。明後日の2月4日には月面Xデー、そしておひつじ座の星がグレージング現象を起こします(→関連記事)。予報位置に近い方はぜひ望遠鏡でご覧ください。
いっぽう金星と火星は本日一番近い位置関係となりました(→関連記事)。右は天文薄明終了後の18:45頃に撮影しました。画像上方向を天の北方向にしています。今夕の離角は約5.385°。今後両惑星は次第に離れていきます。少し寂しいですが、自然とは移ろいゆくものですからね。静かに見守りましょうか。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差36度以上、72度未満)
明け方に捕らえた本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星 ― 2017/02/03
昨夜は風も止んで良いお天気。これは彗星が撮れそうだと今日明け方に起き出しました。まずはジョンソン彗星(C/2015 V2)に望遠鏡を向けます。かなり早い時間に高くなるようになったので、とても撮影しやすいですね。むしろ朝が早くなっていますので、撮影終了を早めなくてはなりません。
左は約32分の露出で、彗星位置基準のコンポジット、上方向が天の北です。立派な尾、そして、ほのかに緑色のコマが見えます。彗星はあと一週間ほどうしかい座に留まり、その後はヘルクレス座に移ります。満月期を迎える前に撮影できて良かった…
さて、実は撮影時間が過ぎてゆくと共に風が強まってきました。幸いジョンソン彗星本体の撮影はギリギリ終了し、フラットやダーク撮影に移っていたので難を逃れましたが、この後に本命の本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)撮影が控えています。風速は昨日明け方以上に強くなり、見晴らしよい場所まで出掛けるのも気が引けました。
勇気を出して近くの広い駐車場まで機材を抱えて歩きましたが、10m/sに届こうかという風では移動も撮影も大変です。彗星方向が開けて背後に壁があるような都合良い場所はあるはずもなく、小さなモニュメントの影に隠れながらの撮影となりました。
彗星位置はすぐ特定できましたが、撮影開始時点で高度9°弱。風で飛ぶほどの軽量機材のため、持ってきた傘を差してカメラを守りながらシャッターを切りました。3分間(10秒×18コマ)の撮影で星があまりぶれなかったのは6コマのみ。それをコンポジットしたのが右画像です。およそ5×7°の範囲で、上方向が天頂です。
昨日はよく分からなかった彗星像が、今朝は液晶モニター上でも分かりました。尾は分かりませんが、緑色のコマが想像よりも大きくてビックリ。地球に近づいている証拠です。明日、明後日とどんどん見やすくなるでしょう。夕方に見えた長い尾がどうなっているのか確かめたいですね。
参考:
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)
左は約32分の露出で、彗星位置基準のコンポジット、上方向が天の北です。立派な尾、そして、ほのかに緑色のコマが見えます。彗星はあと一週間ほどうしかい座に留まり、その後はヘルクレス座に移ります。満月期を迎える前に撮影できて良かった…
さて、実は撮影時間が過ぎてゆくと共に風が強まってきました。幸いジョンソン彗星本体の撮影はギリギリ終了し、フラットやダーク撮影に移っていたので難を逃れましたが、この後に本命の本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)撮影が控えています。風速は昨日明け方以上に強くなり、見晴らしよい場所まで出掛けるのも気が引けました。
勇気を出して近くの広い駐車場まで機材を抱えて歩きましたが、10m/sに届こうかという風では移動も撮影も大変です。彗星方向が開けて背後に壁があるような都合良い場所はあるはずもなく、小さなモニュメントの影に隠れながらの撮影となりました。
彗星位置はすぐ特定できましたが、撮影開始時点で高度9°弱。風で飛ぶほどの軽量機材のため、持ってきた傘を差してカメラを守りながらシャッターを切りました。3分間(10秒×18コマ)の撮影で星があまりぶれなかったのは6コマのみ。それをコンポジットしたのが右画像です。およそ5×7°の範囲で、上方向が天頂です。
昨日はよく分からなかった彗星像が、今朝は液晶モニター上でも分かりました。尾は分かりませんが、緑色のコマが想像よりも大きくてビックリ。地球に近づいている証拠です。明日、明後日とどんどん見やすくなるでしょう。夕方に見えた長い尾がどうなっているのか確かめたいですね。
参考:
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)
今日の太陽 ― 2017/02/03
節分の今日は朝からよく晴れています。でも相変わらず風が強く、近くのアメダスポイントでは11:00に最大風速11.8m/sを記録しました。うーむ、昨日より強い…。
左は11:40頃の太陽。風を避けながらの撮影です。このHα波長での画像だとよく分かりませんが、活動領域12630と12632の間に12633ができており、小さな黒点が点線状に並んでいます。プロミネンスはやはり右リムが多いですね。
昨日もそうでしたが、今日は一段と「空が眩しい」です。「太陽が…」ではありません。空に舞い上がった砂埃などが太陽光を受けて、空自体が明るくなっています。このとき太陽は逆にホコリに邪魔されて暗くなっているんです。実際今日の観察でもゲインを上げなくてはなりませんでした。おそるべし、強風!
左は11:40頃の太陽。風を避けながらの撮影です。このHα波長での画像だとよく分かりませんが、活動領域12630と12632の間に12633ができており、小さな黒点が点線状に並んでいます。プロミネンスはやはり右リムが多いですね。
昨日もそうでしたが、今日は一段と「空が眩しい」です。「太陽が…」ではありません。空に舞い上がった砂埃などが太陽光を受けて、空自体が明るくなっています。このとき太陽は逆にホコリに邪魔されて暗くなっているんです。実際今日の観察でもゲインを上げなくてはなりませんでした。おそるべし、強風!
長い名前の彗星をふたつもブログに載せるなんて面倒なんだからねっ!(笑) ― 2017/02/04
昨夜は風が収まり、少し透明度が落ちたものの良い天気。明け方の本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)はデフォルトで観察するとして、もうひとつ、夜半に南中するタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)も見ることにしました。
それにしてもこの二つの彗星の名は長いですね。全く関係ないですが、10年ほど前からライトノベルやラノベ原作アニメのタイトルがとても長くなる傾向にあります。(今回の記事タイトルのような感じ。)なんだかそれを彷彿とさせるものが…
10日ほど前の1月25日に観察したときから計算上1.5等ほど明るくなっているはず。今回はカラーで撮りましたが、液晶ファインダーでも何となくそれらしい姿を確認できました。もう13等台前半ですね。短い尾も確認できます。どこまで明るくなってくれるでしょうか。(※左上画像は光軸調整中のため右側星像が肥大しています、ごめんなさい。)
明け方に昇ってくる本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)は、昨日よりも20分ほど早めに準備しなくてはなりませんでした。日々どんどん早く顔を出すので、少しでも薄明の影響を避けたいからです。昨日と違って今朝は風も穏やかで助かりました。
右は5:17頃から5分間(15秒×20コマ)の恒星位置基準コンポジット。機材等は昨日の記事と同じですが、ひとまりわり大きく&明るく感じますね。尾は分かりませんが、なんとなく上やや左向きに伸びている気もします。光害地+薄明開始時間ではこれが限界。明日は天気が崩れそうですが、次に見たとき大化けしていることを期待して…。
参考:
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)
それにしてもこの二つの彗星の名は長いですね。全く関係ないですが、10年ほど前からライトノベルやラノベ原作アニメのタイトルがとても長くなる傾向にあります。(今回の記事タイトルのような感じ。)なんだかそれを彷彿とさせるものが…
10日ほど前の1月25日に観察したときから計算上1.5等ほど明るくなっているはず。今回はカラーで撮りましたが、液晶ファインダーでも何となくそれらしい姿を確認できました。もう13等台前半ですね。短い尾も確認できます。どこまで明るくなってくれるでしょうか。(※左上画像は光軸調整中のため右側星像が肥大しています、ごめんなさい。)
明け方に昇ってくる本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)は、昨日よりも20分ほど早めに準備しなくてはなりませんでした。日々どんどん早く顔を出すので、少しでも薄明の影響を避けたいからです。昨日と違って今朝は風も穏やかで助かりました。
右は5:17頃から5分間(15秒×20コマ)の恒星位置基準コンポジット。機材等は昨日の記事と同じですが、ひとまりわり大きく&明るく感じますね。尾は分かりませんが、なんとなく上やや左向きに伸びている気もします。光害地+薄明開始時間ではこれが限界。明日は天気が崩れそうですが、次に見たとき大化けしていることを期待して…。
参考:
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)