撮り初めはジョンソン彗星とネオワイズ彗星2017/01/03

20170103ジョンソン彗星(C/2015 V2)
年始めの惑星たちに圧倒されていますが、やっと彗星の撮り初めができました。まずはジョンソン彗星(C/2015 V2)。おおぐま座のしっぽの先(領域はうしかい座)にいます。11等台とのことですが、撮影した印象はもっと明るく感じました。今年長期に渡って楽しめる彗星の筆頭格です。

左画像は今朝4時頃に撮影した画像で、上が天の北方向、上下画角は約0.8°。彗星の動きに合わせてコンポジットしています。湿気の多い明け方でしたが、少なくとも0.1°のしっかりした尾が確認できました。最盛期の6月上旬は期待が持てそうですね。こちらの記事の星図で確認できますが、2月中旬頃まではほぼ赤経方向に移動しています。

お次はへびつかい座にいるネオワイズ彗星(C/2016 U1)。1月14日に近日点を通過、それに合わせて光度もピークを迎えます。でもどんどん南下して薄明開始時点ですら高度が低すぎ、隣家に隠されて我が家から撮影できません。そこで今朝は見晴らしの良い近所まで小型の機材を運んで撮影しました。右下画像は5:30少し前からの露出で、180mm+APS-C画角を少しトリミング、上方向が天頂です。こちらも僅かですが彗星の動きに合わせたコンポジットです。撮影開始時の彗星高度は10°強。既に薄明は始まってますが、画像処理でカブリを少なくしました。

20170103ネオワイズ彗星(C/2016 U1)
8等台の彗星と並んで7等台の球状星団M14が可愛らしく並んでいます。また彗星から左上に向かって伸びる短い尾が写りました。実際はかなり長く伸びているそうですが、私の居住環境では写りません。もっともあと十日も経たずして日本の空から見えなくなるでしょう。夕空には本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)も輝いており、今年の彗星観察はスタートダッシュが大切みたいです。

撮影中、国際宇宙ステーションを含むいくつかの明るい人工衛星を見ました。またさそり座付近にマイナス2等級の流星が飛びました。更に、今期初の明け方の土星を確認しました。今夜は「月と火星の接近」および「しぶんぎ座流星群のピーク」があります。

参考:
ネオワイズ彗星(C/2016U1)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)
朝夕の彗星観察と2017年に期待の彗星たち(2016/12/24)

今日の太陽2017/01/03

20170103太陽
朝から晴れています。時折はぐれ雲が流れてくる程度で、少し風が強く吹くときもあります。

20170103太陽リム
左は11:45前の撮影。光球面は静穏です。昨日同様に右側のプロミネンスが目立つ程度。左上にも少しありますね。

月と火星が大接近しました2017/01/03

20170103月と火星の接近
16:25頃の月と火星(日没約15分前)
昨日に月と金星の接近が起こったばかりですが、今夕は月と火星が大接近。立て続けの天文現象で、お正月の夕空はかつてないほど豪華です。昨夕の月と金星の最接近離角(天体中心の間の角度)は1°24′でしたが、今日は0°22′。グッと近いですね。今回はかなり拡大気味に撮影しました。

左は最接近となる16:25の撮影。(以降、全ての画像は上が天の北向きです。)もちろん日没前。実はこの30分ほど前から火星は望遠鏡でしっかり見えていました。ただ、当地・茨城県南は午後になって雲が多くなり、また時々強い風が吹くようになりました。拡大率を上げると風の振動がバカにできません。幸い撮影時は月方向の雲は去り、風も弱まってくれました。驚いたことに、青空の中でも火星の赤さがちゃんと分かりました。

このあと30分おきに17:25まで撮影してみました(下左・下中画像)。月と火星が斜めにずれながら離れていく様子がよく分かりますね。なお肉眼で月の側の火星が分かったのは17時頃です。それまでは薄明と至近の月明かりとで火星の光が霞んでしまってました。火星の近くにはまだ海王星がいるはずなので、全体をまとめて撮ったのが下右画像です。昨日の画像と比べると海王星の位置は同じですが火星が周囲の恒星に対して結構動いていることが分かります。

立て続けの天文イベントで、空を見るのが好きな方はちょっとお疲れかも知れません。でも今夜は「しぶんぎ座流星群」のピーク。月明かりもなく絶好の条件です。もし体力が余っていて、良い星空に恵まれたら、空を仰いでくださいね。ピークの予報時刻は23時とのことです。

  • 20170103月と火星の接近

    16:55頃の月と火星
  • 20170103月と火星の接近

    17:25頃の月と火星
  • 20170103月と火星と海王星

    月と火星と海王星

参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧……※今後の接近現象を調べて観察計画を立てておきましょう^_^/