クリアな夜明けの月と木星、気象衛星も2016/11/25

20161125月と木星の接近
11月としては記録的な寒さで、積雪もあった昨日。茨城県南の我が家周囲も日中の気温が2度を越えることはありませんでした。今日明け方は氷点下となり、積もった雪や濡れたアスファルトは完全に凍り付きました。交通コンディションは昨日よりずっと悪いのではないでしょうか。

天気は昨夕から徐々に回復し、夜半過ぎからは素晴らしい星空。明け方に月と木星が3°まで接近し、東の空を美しく彩りました。右画像は5時前の撮影で、天文薄明が始まるころですからまだ背景は暗く、細かい星まで良く写りました。この位相にしてはかなり高く登っていたので、低空にあった雲や光害も邪魔になりませんでした。月と木星はこの後さらに接近し、昼過ぎには離角が約1°まで近づきます。

早いもので、周囲にはもうおとめ座のスピカやうしかい座のアルクトゥルスが昇り、春の星座が揃い始めていました。低空のからす座もたどれます。明け方にさそり座が見え始まる頃にはお正月がやってきます。1年があっと言う間ですね。

20161125静止衛星
この月の撮影まで少し時間があったので、11月18日に行った気象衛星ひまわりの撮影を再度行ってみました。月光の影響が少ないため、コントラスト良く撮れるはずです。18日同様にM天体のひとつ「散開星団M48」を使い、静止衛星を導入しました。

今回も6cmの望遠鏡と一眼レフで直焦点撮影。3:28:00から30秒間隔で8枚(4分間)撮影、コンポジットしました。

20161125静止衛星
前回よりはるかにクリアな像となっています。丁寧に画角設定したので、前回は枠外になってしまった他の衛星もまとめて写ってくれました。どこに何が写っているかは右のマーカーつき画像をご覧ください。18日撮影画像と比較すると、二基のひまわりが互いの位置関係(特に赤緯方向)を変えているのも分かります。静止衛星、実は静止していません。いやぁそれにしても寒かった。今朝は11月の寒さどころではありませんね。組み立てた機材は30分でガッツリと霜に覆われてしまいましたとさ…。

参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧(ブログ内)

今日の太陽2016/11/25

20161125太陽
朝のうち少し雲が出たものの、よく晴れています。抜けるような青空を久しぶりに見ました。少し風が出ています。

20161125太陽リム
左は10:20頃の太陽。左側にやや大きめの黒点が出ていました。活動領域12612です。その上のダークフィラメントがすごいですね。右やや下リムにケバケバした小さなプロミネンスが見えました。

台風25号が発生しました2016/11/25


20161125-0900台風25号
昨夜から台風予備軍として発表されていたフィリピン近くの熱帯低気圧は、本日9:00に台風25号(TOKAGE/トカゲ)となりました。直前の台風24号の発生から14日18時間後、消滅からは12日18時間後となります。年間台風発生数の平年値は25.6個とのことなので、1号が遅かった割にはあっと言う間に届いてしまいましたね。

実は数日前から渦を巻いている様子が見えていたため、こりゃ台風になりそうかなぁと感じていました。日本が冷え切っている最中なのに、台風の話題とは…。左は台風になった本日9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は台風中心の直径1000km円。すでに立派な姿ですね。現時点の予報では北西側に転進を始めているので、お近くの方は警戒してください。

トカゲという名前がすごく気になる方は多いでしょう。これはもちろん「蜥蜴」です。日本提案の名で、星座のひとつ「とかげ座」のことなんです。

とかげ座
2016年は11号「コンパス」も日本の星座名でしたね(→関連リンク)。右図はステラナビゲーターによるとかげ座の姿。夏から秋の宵に良く見える星座たちに周囲を囲まれた小さな星座で、面積順だと88星座中68番目です。とかげ座はちょうど今ごろ日が暮れると天頂近くに見えますが、目立つ星がないので探しづらいでしょう。それでもくじけず何度もがんばって、見つけたときの達成感はハンパないです(笑)