11月になっても台風の卵は発生してます2016/11/02


20161102-0900気象衛星画像
日本列島は寒くなってきましたが、南の海上ではなんとまだ台風の卵が継続して生まれています。

左は本日9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は熱帯低気圧中心の直径1000km円。向かって左は10月31日21時に発生、右は今朝11月2日3時に発生しました。1、2日以内に台風へ発達する可能性があるとのこと。今年は勢いが止まりませんね。

去年2015年は「毎月台風が発生」したことが話題になりました。対して今年は1号の発生が観測史上2番目に遅かったですね。11月以降も台風は発生するので、(上陸するしないは別にしても)まだまだ油断はできません。海外勤務の方もいらっしゃいますし。気象庁の1951年以降の統計では、1964年や 1991年の「11月に6個発生」が一番多いようです。なんと1990年の28号は11月末に本州縦断していますよ。

2013年から今年まで、気象庁サイトに出ているアジア圏の「10月下旬の海面温度」を下に引用しました。今年は晩秋なのに温度の高い海域が多いことが分かります。27度の主線をたどると、2013年はだいたい先島諸島程度の緯度だったのに、今年は屋久島近くまで北上しています。これにつられて台風発生の目安となる30度の主線も北寄りですね。ここだけ見ると「年々北上してる」ように思えますが、そうではなくて、エルニーニョのように不規則な「振動」をしているようです。(30度線が点在する辺りはNINO.WEST : 西太平洋熱帯域と呼ばれ、エルニーニョ関連の監視域です。)同じように27度線が北上したケースは、例えば2000年や2008年にも見られました。30度線は年によってまちまちで、27度線が南下しても30度線は北上するケースだってあるのですが、ただ10月下旬に28度以上(ピンク色)のエリアがここまで広範囲なのは21世紀になってから今年がだんとつのようです。まぁそれはさておき、発生している熱帯低気圧はどうなるでしょうか。

  • 2013年10月下旬・海面温度

    2013年10月下旬(平均)
  • 2014年10月下旬・海面温度

    2014年10月下旬(平均)
  • 2015年10月下旬・海面温度

    2015年10月下旬(平均)
  • 2016年10月下旬・海面温度

    2016年10月下旬(平均)

コメント

トラックバック