サイクロンに流れ込む煙?2016/10/26

20161025-1800気象衛星画像
昨日25日にJoint Typhoon Warning CenterがTropical Cyclone(Kyant)の警戒予報を出し始めました。データを見ると昨日9:00JST時点で中心付近の最大風速が35ノット。既に日本で言う台風に相当しています。サイクロンの場所はインドの東海域、インド洋の北側(赤道より北)です。日本の管轄外ですから台風とは呼びませんし報道もされませんが、気象衛星ひまわりの撮影範囲なので確かめてみました。

左は25日18:00JSTのサイクロン周囲の画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。撮影範囲は下左画像の緑枠のところです。ひまわりからのインド付近はほぼ左端なのでつぶれてしまいますが、サイクロンの姿はよく分かりますね。画像上のほうに写っている赤茶色の地域はヒマラヤ山脈から北へ広がるチベット高原。予報によるとサイクロンは西に進んでインド東海岸に接近しますが、上陸前に熱帯低気圧になってしまうようです。

この画像をつぶさに見ていたら、どうも北西側からサイクロンに煙が流れ込んでいる気がしました。気になって北のほうを見ていくと「火元」を発見。インドの北、ヒマラヤの西付近に、白い雲とは明らかに異質のカフェオレ色の雲が広範囲に写っていますね。25日に火災が起きていたのかをFIRMSのサイトで調べたら、下中図のようでした。赤いドットが火災地域です。インド北部に集中している火災はロシアの森林火災を思わせますが、調べてみるとどうやらパンジャブ地方での「焼き畑」のようです。NASA/Fire and Smokeにも記事がありました。FIRMSで遡ると10月上旬にはもう始まっていたようです。

地球の天気状況を視覚化してくれる「earth」という素晴らしいサイトを使って25日の「地表の風の流れ+粒子状物質分布」を見ると、下右図のようでした。国をまたいで煙が流れていくなんて、焼き畑(Agricultural Firesとあるから、焼き畑という言葉が適切かは不明)ってこんなに大規模なんですね。いやぁびっくりしました。でもでも…流れていった煙の行方が気になりませんか?

  • 20161025-1800気象衛星画像
  • 20161025FIRMS画像
  • 20161025earthシミュレーション

参考:
アーカイブ:気象衛星が観た火災(ブログ内)

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