流星飛ばなかったけど天宮2号が飛んだよ2016/10/21

20161021月と冬の星々
昨夜から今朝にかけても前夜同様よく晴れました。折良くオリオン座流星群がピークを迎えると言うことで、のべ1時間ほど断片的に空を見上げましたが、流れ星はひとつも見えず…。無理もない、今夜は月が当のオリオン座近くにギラギラ輝いていたのですから。左画像は明け方近くの月と周囲の星座たち。冬の大三角やすばる、うみへび座頭部なども写っていますので探してみましょう。

一般に群流星は空のどこを見ていても見えるはずですが、放射点(流星が流れ出す中心)に近いほど見かけの速度が遅くなり、空の面積に対する流星数も多くなるため目にとまりやすくなります。このためどうしたって放射点の方向を意識してしまいます。オリオン座流星群はオリオン座に放射点があるのに、その近くに月がいたのでは目がくらんで流星どころではありませんね。これが、たとえば1月のしぶんぎ座(りゅう座)流星群のように絶対月がやってこない星座なら、こんな心配は要りません。

20161021_24301月
右画像は1:40頃撮影した月。太陽黄経差243.01°、撮影高度64°弱、月齢19.69です。だいぶ欠けたとは言え、下弦前ではまだ星を見るのに月明かりが邪魔になりますね。空のコンディションは前夜と全く反対で、透明度が良かったものの大気の揺らぎがとても激しく、月面も波ガラス越しの像のようでした。がんばって撮ったのに残念…。

ところで、4日前の10月17日に中国が有人宇宙船「神舟11号」を打ち上げ、19日には地球を周回している同国の宇宙ステーション実験モジュール「天宮2号」(2016年9月15日打ち上げ)に無事ドッキングしました。二人の宇宙飛行士はこれから30日に渡って天宮2号に滞在し、実験などをするとのことです。

天宮2号は10月半ば頃から来週中頃まで明け方の空で見ることができます。昨夜は光度やルートが悪くて見えませんでしたが、今朝は良い条件でした。予報と実際とで見え方の差がどれほどか確認も兼ねて、見晴らしのよい場所へ歩いて行きました。

4:20頃、予報通り北極星近くに天宮2号が現れました。そのまま北斗七星のほうへスーッと移動していきます(下左画像および下中画像/所々切れているのは撮影インターバルによる)。Heavens-Aboveの予報ではピーク時2.1等、CalSky予報では1.3等でしたが、どう見ても3等程度の暗さ。月明かりの影響もあるでしょう。国際宇宙ステーションのような明るさを期待してはいけません。でも予想時刻&位置通りに通過したので(当たり前ですが)、ちょっと感動しました。国際宇宙ステーションやスペースシャトル以外で、人の乗った宇宙船を見たのは初めてかも…。明日明け方には当地・茨城県南では頭上の月より高い天頂通過並みのパスとなり、今日よりも明るい見込みです、関東のみなさん、晴れたらぜひ探してくださいね。

白んできた東の空に、やっと木星を見つけました。今期の明け方側では最初です。下右画像で、中央下の木立すれすれに輝く星が木星。画像上辺近くにはししの大鎌が見えます。今朝は流星こそ見えませんでしたが、たくさんの収穫がありました。

  • 20161021天宮2号
  • 20161021天宮2号
  • 20161021しし座から木星にかけて

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差216度以上、252度未満)

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