今夜の月は月面Aがよく見えました2016/10/14

20161014薄暮
16時頃まで雲が多かったけれど、その後急速に晴れ渡り、沈む夕日が綺麗に見えました。次第に暮れてゆく西空は晩秋の透明感で、文句なしの「この秋一番」に感じました。右画像の撮影時刻は17:30頃。つるべ落としのこの時間は暗さのほうが目立ちます。何気なく撮りましたが、宵の明星が写っていますよ。中央の木々越しには富士山もはっきり見えました。

20161014_15601月
暗くなると煌々とした月明かり。月齢13の月が街を照らします。左画像は20時過ぎの撮影で、太陽黄経差156.01°、撮影高度44°弱、月齢は13.46です。昨夜の十三夜は雲が多くてはっきり見えませんでしたが、今夜は申し分ないですね。

さて、今夜は月面Aが楽しめる最高の条件です。ちょうど月が南中した頃にA地形が現れるという素晴らしいタイミングです。しかも快晴で、星の瞬きが少ないので大気も落ち着いています。今年のように何ヶ月もまともに晴れない夜が続くと、急に晴れても何しようかとアタフタして、結局考え込んでいる間に時間を浪費してしまいます。でも今日は最初から「月面Aの観察」に焦点を絞って行動できました。

左画像では既にA地形の一部に光が当たり始めていますので探してみましょう。でも肉眼では分からないくらい暗い状態で、まだAの字は完成していません。月面A地形に立ったときの太陽高度を基準に、20:50頃から1時間おきに3回撮影したものを下に掲載しました。Aに見えるよう上下を逆さにし、上が天の南極方向にしています。(※左画像は上が月の北極向きです。)また各画像右下にA地形の拡大をインサートしました。画像左寄りの明るい光条付きクレーターはケプラー、右寄りにはグリマルディ、ヘベリウス、カバァレリウスが並んでいます。

この画像ですとA地形はグリマルディの下、ヘベリウスの右にあります。太陽高度が-1.5°あたりからAの形が分かり始め、-1.0°ではもう下側の地形がくっついて別の形に見えてしまいますね。撮影してて気付きましたが、Aの頂点には小さなクレーターが幾つか見えます。AじゃなくてÅ(オングストローム)なのかな…?周囲のクレーターの影が少しずつ変化していくのも面白いです。しっかりした機材での観察は5ヶ月ぶりくらいですが、実に楽しい時間を過ごすことができました。(※翌日との比較が10月15日の記事にあります。)

  • 20161014-2050月面A

    20:50ごろ(太陽高度は約-2.0°)
  • 20161014-2150月面A

    21:50ごろ(太陽高度は約-1.5°)
  • 20161014-2250月面A

    22:50ごろ(太陽高度は約-1.0°)

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差144度以上、180度未満)
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