今日の太陽とお天気の様子2016/07/19

20160719太陽
本日は夏土用の入り。三日後には二十四節気の大暑を迎えます。朝まで曇っていた茨城の県南地方は、日が昇ると共に良く晴れて暑くなりました。

20160719太陽リム
左は13:40頃の太陽。大気が大きくうねっていましたが、その割には良く写りました。活動領域12565、12567付近の黒点たちやプラージュは今日も元気そう。昨日も見えていた左リムのプロミネンスはまだ生き残っていました。

今年の土用は本日から8月6日までの19日間。去年と同じ長さです。土用の丑の日は7月30日(土)で、二の丑はありません。2017年と2018年は2年連続で二の丑まであります。詳しくは2015年の記事にある一覧表をご覧ください。

20160719薄明光線
17時現在、30度以上の真夏日は444地点で記録、35度以上の猛暑日は14地点で記録されました(気象庁)。県内での最高は33.3度(大子、13:10)とのこと。私の街は昨日より1度程度高いようです。でも関東はまだ梅雨明け宣言されていませんね。18時頃には西空に湧いた雲の間から無数の薄明光線が伸びていました。

利根川ダム統合管理事務所発表、今日15時現在の利根川上流8ダムの貯水状況は下表の通りです。

【利根川上流8ダムの貯水状況・2016年7月19日15:00現在】
場所貯水量(万m³)貯水率(%)0:00からの変化
下久保ダム3982.346.850.27%↓
矢木沢ダム3445.429.830.36%↑
奈良俣ダム4374.460.760.11%↑
草木ダム2841.693.173.70%↑
藤原ダム1571.2100.000.00%→
渡良瀬貯水池1224.2100.000.00%→
相俣ダム1060.2100.000.00%→
薗原ダム350.2100.000.00%→
8ダム合計18849.554.88
(対平年値:62.13%)
0.31%↑



気象衛星は意外なものまで写していました2016/07/19


気象衛星の遮光マスク
※遮光範囲が分かりやすいよう5枚の画像を強調合成
以前にひまわり8号による「地球と月ツーショット」を記事に取り上げました。気象衛星はその能力をいかんなく発揮して、地球のみならずその向こうの月まで捉えているようです。ただし、左画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)のように夜間画像を強調すると分かりますが、少なくとも私たちが目にする段階で「遠方の宇宙」が見えるのは地球と外側のギザギザマスクとにはさまれた、ごく狭い範囲のみ。しかも帯状のスキャンの狭間に当たってしまうと、月は真っ二つに裂けてしまうのでした…。

先日とある会合で、古くからの星仲間で気象のプロでもある友人から「実は月以外にも写ってる」というお話を伺いました。満月ですらそんなに明るく写るわけではないので、月以外は写らないだろうと思い込んでいたからビックリ。自宅に戻り、さっそくツーショットのタイミングを計算するプログラミングを開始しました。

150721-0150地球と金星ツーショット
可能性がある天体はもちろん明るい星。どの光度までかは分かりませんが、明るければ明るいだけ有利です。まずは惑星のうち、金星(最低でも-3.9等)を調べました。惑星は月より見かけの移動が遅いため、一度見える時期に入るとしばらく継続します。ひまわり8号の本格稼動以降で金星が写り込む最初の「ツーショット時期」は2015年7月下旬から12月頭まで。該当画像を手当たり次第に調べると…

あった!これは驚きです。最初に見つけた2015年7月21日1:50の画像を右に示しました。北極を臨むこの光景に輝く金星はあまりに美しく、パソコンの前で声を上げてしまったほど。ちょうど内合前なので右上へ凸になった三日月状の形まで鮮明に分かり、疑う余地はありません。想像以上に明るく写っていますね。視直径が大きな時期であったことも幸いしました。この画像を皮切りにツーショットが続々。というか、マスクに引っかからない日はほぼ100%見つかりました。一番高い倍率で見ないとドットに埋もれて発見できませんが、写っている位置さえ計算できればどなたでも見つけられるでしょう。

160704-0430地球と木星ツーショット
次に木星(最低でも-1.6等)もチャレンジ。金星よりずっと暗いので難儀しました。計算上のツーショット期間は2015年9月中旬から始まり、現在も続いています。該当画像を明度強調しながら探すこと数十分。無事発見できました。左は今月7月4日4:30の画像。いったん写ってる明るさが分かればほぼ100%見つかるようになりました。

金星、木星とも色ずれを起こしていますね。これは画像全体を赤→緑→青と時間差で撮り分けるために起こると思われます。むしろほとんどずれていないことに感銘を受けました。それに、惑星単独で処理すれば色ずれも補正できますよね。(気象庁では地球自転だけ補正すれば良いので、惑星の補正まではしないと思いますが…。)

さて、これ以外にも写る天体はあるでしょうか?肉眼で見える惑星は他に水星、火星、土星。 水星は内合近くだと6等星くらいまで暗くなり、マイナス等級になる時期は太陽に近くなりますから気象衛星に遮光される可能性もあります。また木星がこれだけ暗いので、普段0等星前後である火星や土星はかなり難しいでしょう。火星は今年の地球接近で木星並みに明るくなりましたが、そのころは土星と共に赤緯が南に低すぎてツーショットになりません。まぁ機会があれば探してみようと思います。

恒星はどうでしょう?恒星は日時が経っても座標が変化しないので計算しやすく、ほぼ毎日見えるはず。でも右図上側のように、月であれ惑星であれ恒星であれ、ひまわり8号からみて赤緯がプラスマイナス約8.6°程度以内にないとツーショットになりません。

地球日食説明図

ひまわり8号から見た地球と星座の大きさ
右図下側は、ひまわり8号から見た地球の大きさをStellariumの星図に重ねたもの。静止衛星が赤道上空で地球を自転するだけなら、背景の星座は天の赤道(赤線)と平行に動いて見えることになります。この動きのために地球に隠される恒星は黄色点線に囲まれた範囲となり、1等星以上の恒星に限ると全天を探してもリゲル(0.15等)、ベテルギウス(0.45等)、プロキオン(0.4等)の三つだけ。ダメ元で探してみました。

一番明るいリゲルは意外に早く見つかりました。とても小さいですが、ピクセルあたりの輝度は木星より明るく感じるほど。ベテルギウス、プロキオンとも、これかなというのが見つかりました。ほとんど宇宙線によるホットピクセルノイズのように思えますが、一週間分ほど見つけて並べると赤経方向に直線状に並びますので間違いないでしょう。(気象衛星がわずかに動くせいか、少しだけ上下します。)下にそれぞれの恒星ツーショットを掲載しました。この他まだ調べていませんが、わし座のアルタイルが赤緯8.9°ほどなのでギリギリ写ってるかも。気象衛星画像にはこんなにいろいろ写るのですね。本当に驚かされました。(※今回のツーショット画像は全て元画像を原寸大でトリミングしました。)

(7月25日追記)その後の調査で、わし座のアルタイルは北極側でぎりぎり写ってないことが分かりました。残念…。

  • 160716-0010プロキオン

    プロキオン
    (2016年7月16日0:10)
  • 160712-2230ベテルギウス

    ベテルギウス
    (2016年7月12日22:30)
  • 160126-0810リゲル

    リゲル
    (2016年1月26日8:10)