衝を迎える木星と、それに続く火星&土星2016/02/28

  • 20160228木星
  • 20160228火星
  • 20160228土星

あと十日ほどで木星が「衝」を迎えます。衝とは地球をはさんで太陽と反対方向に位置することです。(→2015年の記事もご覧ください。)一晩中見えることになるため、木星の「見ごろ」と言えましょう。これに先だって、今日明け方に見えていた3つの外惑星を久しぶりに拡大撮影してみました。上画像、左から木星、火星、土星です。実際の空では右(西)から左(東)に向かって木星→火星→土星の順に輝いていますよ。

【外惑星の衝と合】
火星
2016年5月22日(日)
2017年7月27日(木)
2018年7月27日(金)
2019年9月2日(月)
木星
2016年3月8日(火)
2016年9月26日(月)
2017年4月8日(土)
2017年10月27日(金)
2018年5月9日(水)
2018年11月26日(月)
2019年6月11日(火)
2019年12月28日(土)
土星
2016年6月3日(金)
2016年12月10日(土)
2017年6月15日(木)
2017年12月22日(金)
2018年6月27日(水)
2019年1月2日(水)
2019年7月10日(水)

木星には大赤斑が見えます。また左側にイオ、右側にガニメデとエウロパという3つの衛星も写っていますよ。(カリストは左側に遠く離れていました。)大気がユラユラしていて細かいところがはっきり写りませんでしたが、雰囲気は伝わるでしょうか。各惑星の拡大率はだいたい同じにしてあります。火星は小っちゃいですが、ちゃんと卵形に欠けていますね。

速いテンポで動く月や内惑星と違って外惑星は比較的ゆっくり空を巡ります。太陽と正反対になる衝や、太陽と同じ方向になる「合」も、周期が1年以上の緩やかなサイクルです。いっぽう、お月様は新月(合に相当)と満月(衝に相当)が毎月あって、せわしないです。右表にアーカイブ「惑星カレンダー」の中から火星・木星・土星のそれぞれ衝と合の日付を抜き出してみました(2016-2019年のみ)。地球から遠い外惑星ほど、衝から衝(合から合)の間隔が地球の公転周期(=1年)に近くなることが分かります。なぜなのか興味がある方は、高校地学分野などに出てくる「会合周期」の公式を調べてくださいね。

2月5日の記事に明け方の5惑星+月というミラクルショットをご紹介しました。(※このときの画像を下に再掲載しておきます。)まもなく2月が終わりますが、この三週間に3つの外惑星はあまり位置を変えていません。惑星を含む星座全体は日々少しずつ東から西へと居場所を進めます。下画像でいちばん西に位置する木星を皮切りに、火星、土星の順で衝を迎えることになるわけです。火星は衝の頃にいわゆる「地球最接近」でも話題となるでしょう。今年も外惑星をたっぷり楽しんでくださいね。

20160205明け方の惑星と月
※右表は「黄道座標系」による衝/合です。一般に出回っている天文カレンダーの中には「赤道座標系」によるものもあり、日時が若干異なりますのでご注意ください。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

参考:
2016年火星の地球接近・アンタレス接近に関する記事(ブログ内)
明日の晩は木星に注目!(2016/3/3)

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