準惑星マケマケとハウメアに挑戦2016/02/10

小天体比較
2015年7月に探査機ニューホライズンズが接近して話題になった冥王星。現在「準惑星」という扱いなのはご存じの通りです。準惑星には他にも現時点で「ケレス(1 Ceres)」「マケマケ(136472 Makemake)」「ハウメア(136108 Haumea)」「エリス(136199 Eris)」という4つの天体が属しています。ケレスは地球に近いので双眼鏡でも存在が確認できますが、他の三天体はいずれも冥王星同様に遠かったり小さかったりで暗く、小型望遠鏡で気軽に見ることはできません。

冥王星はこれまで何度か撮影してきましたが、他の三天体は未知の領域。そこで、ここ数日の連続快晴日を利用して挑戦することにしました。…とはいっても最も遠いエリスの光度は約18.8等。私の機材(16cm反射望遠鏡)では最初から歯が立たない暗さです。おまけに現在は夕方西空のくじら座の方向で障害物が多く、機材のセッティングができません。そこで今回はマケマケ(約16.9等)とハウメア(約17.3等)に絞りました。

マケマケはかみのけ座、ハウメアはうしかい座で、どちらも明け方の天頂近くです。昨日2月9日明け方に該当位置を撮影しておいたので、今日明け方に同じエリアを撮影して移動を確かめました。両方ともあっさり写っていて拍子抜け。同一条件で写したかったのですが、前夜は透明度が悪く今朝は強風だったので、それぞれに適した異なる条件での撮影となりました。下画像で右上(北西)への移動を確認できます(画像下のボタンで切り替えられます)。各画像中央近くの移動天体を探してみてください。






今日の太陽2016/02/10

20160210太陽
昨日から風が強くなり、夜半に一度収まりかけたものの、明け方から再び吹き荒れてきました。昼時点で10m/s近くの風となっています。

左は11:30過ぎの太陽。風が一時的に収まるのを待ちながらの撮影で苦労しました。中央右上に見える活動領域12497が目立っていますね。細かく活動領域が分布している割にはここ数日目立ったフレアがありません。

20160210太陽リム
プロミネンスも小さなものばかりです。

太陽の自転周期は赤道付近で約25日、極付近で約35日とのことですので、1ヶ月後の3月9日に起こる部分日食の太陽面は今日の太陽面に似ているはずです。1ヶ月経ってどのように変化しているか楽しみですね。

夕空に細い月2016/02/10

20160210_02377月
美しく暮れゆく夕空に細い月が見えました。左画像の撮影は18時少し前で、太陽黄経差23.77°、撮影高度は約13.5°です。月齢は1.76ですから、まだ二日月にも満たない極細の月でした。

空はとても澄んでいましたが、昼間からずっと吹き続けている風はいっこうに収まりません。左の写真も風が一瞬収まるのを待ちながらの撮影でした。苦労して撮影した割には、低空のためとても像が悪くなっています。

20160210月
近くの公園に生えている巨木の枝が激しく揺れるのに、月だけが凛として動きません。その動と静のコントラストがなんとも不思議な感じでした。ゴゥ、ゴゥッという風音のなかでゆっくり時が流れてゆきます。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差0度以上、36度未満)