今日の太陽2016/01/25

20160125太陽
明け方薄雲が出ましたが、昨夜は概ね良く晴れました。満月夜であったことと夜半過ぎまで強風が続いたので、観察らしいことはできませんでした。朝からも良く晴れていますが、風が強いです。

左は11時少し前の太陽。昨日C1クラスのフレアを起こしていた活動領域12488がちょうど真ん中に来ました。

20160125太陽リム
その南にある長いフィラメントも見事ですね。東(左側)からは新しい領域がふたつ明るく見えています。少し活発になってきたのでしょうか。東のリムには細かいプロミネンスもたくさん見えているようです。

今日は「日本最低気温の日」2016/01/25

20020228石狩川
今日は「日本最低気温の日」。1902年の今日1月25日に気象庁が北海道旭川市で観測した-41.0度という値が、日本での公式な最低気温とのことです。(非公式には北海道の美深町で-41.5度という記録もあるそうです。)映画にもなった新田次郎さんの「八甲田山死の彷徨」に描かれた雪中行軍遭難があったのも、まさにその時でした。奇しくも昨日から今日にかけて日本が大寒波に見舞われています。

この旭川の記録は小学校の頃読んだ本に書いてあったので、以来旭川というところは寒い街だという印象が焼き付きました。初めて仕事で冬の旭川を訪れたのは2002年2月末のこと。この年はやや暖冬だったのか、背広とコートしか用意してなかったのにあまり寒く感じず過ごせました。

左は当時の画像です。日が昇る前に石狩川を見下ろしながら散歩しました。川面が雪で覆われ、川霧にも包まれて幻想的でした。(当時のコンデジなので画質は悪いです。)滞在したホテル近くに常盤公園というところがあり、そこももちろん雪だらけ。

20020228旭川・常盤公園近く
自分が住む茨城県南で歩道が埋まるほどの雪景色となるのはせいぜい数年に一回程度ですから、軽いカルチャーショックでした。

明け方だから気温は最も低いはずなのに、近くの交差点にあった塔の気温計は-6.6度。間もなく3月だったことを考えても暖かいですね。茨城で天体観測中に-10度を下回った経験は何度もあるので、こんなものかと拍子抜けしました。この街でかつて-41度になったんだって想像できませんでした。何かの真夏イベントで-40度を体験したのですが、短時間だったので「涼しくて気持ちいいね」と感じた程度でした。それが一日中続く低温の世界が想像できません。-40度台って南極・昭和基地の記録的最低気温に匹敵するんです。

地表温度・アジア

アジアの地表温度(25日3時)

さて、今回の大寒波には日本の隅々…そう、九州や沖縄あたりまでしっかり冷やされちゃいましたが、ニュースになったようにアメリカ東部でも大寒波でした。一連の寒波は場所が離れていても互いに関係しています。普段私たちは日本の天気予報を頼っているので、せいぜい左のような温度情報しか目にしません。でも北極側から北半球全体を俯瞰してみると色々分かります。(左右画像ともThe Fleet Numerical Meteorology and Oceanography Centerによる25日3:00JST算出の地表温度シミュレーション。)

地表温度・北半球

北半球の地表温度(25日3時)

冷たい領域が大きなかたまりで存在し、北極圏のみでなくヨーロッパやアジア、アメリカ大陸まで及んでますね。地上は直接太陽に温められるだけでなく上空の空気とも熱の交換をし、最終結果が私たちの感じる地表温度や地表近くの気温となります。最終結果的にかなり冷えたり暑くなる場所というのはちょくちょく変わり、自然全体では小さな揺らぎに過ぎません。でもそれを私たちは一生の間に何回か「何十年に一度」とか「史上最低」の低温や高温として体験するわけです。

ところで、気温がとても低いと言っても普段の値がどれくらいかを知らないことには比較ができません。そこで、当ブログ基点の「茨城県つくば市」と前述の「旭川市」、それに「沖縄県那覇市」それぞれの気象庁平年値データを使ってグラフを描いてみました。下左から順に「平均気温」「最高気温」「最低気温」「日照時間」の1年分のグラフです。(平年値については記事末尾をご覧ください。)実際の計測値がこのグラフに近いほど「平年並み」ということですね。この気温グラフを見ると、今日の「最低気温の日」はたまたま公式記録が出た日というだけでなく、実際に各地で気温の底を迎える時期なんだなぁと言うことも悟れますね。なお今回の大寒波の気温がどうだったかはこちらの記事をどうぞ。

【 旭川・つくば・那覇の平年値比べ 】
  • 平均気温・平年値の比較

    平均気温・平年値

  • 最高気温・平年値の比較

    最高気温・平年値

  • 最低気温・平年値の比較

    最低気温・平年値

  • 日照時間・平年値の比較

    日照時間・平年値


《 気象庁による平年値の説明 》
平年値は、その時々の気象(気温、降水量、日照時間等)や天候(冷夏、暖冬、少雨、多雨等)を評価する基準として利用されると共に、その地点の気候を表す値として用いられています。気象庁では西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新しています。(上グラフでは1981-2010年平均による日々平年値を用いています。)

参考:
アーカイブ・茨城県の気象平年値