変わらず好調のカタリナ彗星2016/01/09

20160109カタリナ彗星(C/2013US10)
今朝方は金星と土星の超接近観察を控えていたため、カタリナ彗星(C/2013US10)の撮影をいつもより早めの3:30頃から開始しました。街灯周囲を見るとうっすらと霧がかかっていて、付近の車にも霜がビッシリ。透明度の悪い空でした。

撮影は500mm+APS-C、画角は約2.7°×1.8°、上方向が天の北方向で、彗星の移動に合わせて合成処理しています。また右画像は左画像の白黒反転です。

20160109カタリナ彗星(C/2013US10)
感度を上げて露出を切り詰め、代わりにコマ数を増やしてできるだけ画質をキープしました。印象は昨日8日明け方の画像と変わりませんが、いくぶんイオンテイルが良く写っているでしょうか。いつもよりは低い高度なので不利なはずなのですが、あまりそんなこと感じませんでした。彗星自体が元気なのはありがたいですね。それと、イオンテイルとダストテイルのなす角(彗星頭部付近)がついに90°を割り込んだようです。

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

超接近を迎えた金星と土星(明け方編)2016/01/09

20160109金星と土星の接近
今日は金星と土星が「超接近」する日。(超接近についての解説はここ。)いちばん近くなるのは13時頃ですが、明け方に昇ってくる金星にはもう土星が寄り添っているはずです。我が家からは隣家が邪魔で朝にならないと見えないため、暗いうちに見晴らしよい場所へ出かけました。

20160109金星と土星の接近
5:20頃の南東の空には既にさそり座が昇っています。一等星アンタレスの左側に金星と土星が仲良く光っていました(左および右画像)。「うわ、めっちゃ近い!」と思わず声が…。両惑星離角は22'あまりで、満月の直径よりも狭いです。

上の画像は2015年12月29日の記事と全く同じ場所、同じ機材の写真なので、十日ほどの間にどれくらい接近したか比べてみてください。もう少し拡大して撮りたかったので、下画像では85mm+APS-Cを使いました。拡大しても充分に近いですね。

20160109金星と土星の接近
新聞で接近を知って見に来たという近所のおばさんが散歩がてらいらっしゃったので、しばしご一緒しました。上空の木星や火星、星座など一通り星巡りを楽しんだあと、とても満足してお帰りになりました。

20160109金星と土星の接近
今朝は少し透明度が悪くて、透き通った空ではありません。撮影画像も地上の光害でかなりカブリが生じていますね。地平をぐるっと見渡すと所々に霧のたまり場が確認できました。霧に阻まれず、兎にも角にも見えて良かったと胸をなで下ろしました。

更に拡大撮影してみました。下左画像は180mm+APS-Cによる撮影。少し明るくなった6時過ぎなので周囲の星は少ないですが、ここまで拡大してもまだ近いですね。また下右画像は望遠鏡+アイピースによる拡大撮影(※この画像のみ上が天の北方向/多段階露光による合成)。両惑星の他に金星の上に6等星の恒星、土星の右やや下に衛星タイタンも写っています。金星と土星の形までいっぺんに見たのは初めてです。うっとり見とれてしまいました。生でご覧になれなかった方は人生かなり損している気がします。昼間にはこの1/3以下まで超接近しますが、観察は困難を極めるでしょう。(→昼間編はここをクリック。

  • 20160109金星と土星の接近
  • 20160109金星と土星の接近

参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧(惑星ペア・トップ200)

今日の太陽2016/01/09

20160109太陽
朝から良く晴れています。早朝の霜も日が高くなると溶けてきました。日中日が当たるところはそれなりに暖かいです。

左は11:30の太陽。気流はこの時期にしては比較的落ち着いていました。
20160109太陽リム
左やや上にある活動領域12480(小さな黒点付き)と、その上の12483(ここにも極小の黒点あり)が明るく目立っています。中央付近の活動領域や右下の12481も活発そうですね。プロミネンスは左上の小さいものが少し目立ちますが、これは手前の光球に入ってきたようです。

超接近を迎えた金星と土星(昼間編)2016/01/09

20160109-1043金星と土星の超接近
お天気に恵まれ、明け方に金星と土星の見かけ上の大接近を見ることができました。両惑星は明け方の段階で既に満月の直径よりも近くなっていたのですが、これでも序の口。本番はこれからでした。夜が明けてからも惑星は接近し続け、計算上は13:15に約5'(1'は1°の60分の1)まで「超接近」するのです。

金星はともかく、昼間の土星を写真に撮ることはかなり難しいです。私も数えるほどしかやったことがありません。(最近の例は2014年9月28日昼間の土星食。)極端に明るさが違う両方の星をいっぺんに撮ることもハードルが高いですが、ともかく30-45分おきに4回ほど挑戦してみました。左画像は10:43の撮影。両星の離角は約9'です。

画像上で土星を見えるようにするには強烈なコントラスト処理が必要です。そのため青空の青を一度除去して最後に再度加えるという面倒くさいことをしました。この過程でセンサー上のゴミもかなり目立ちます。シンプルこの上ない画像なのに膨大な処理時間が必要でした。参考までに記事中の画像は「明け方編」の最後の望遠鏡拡大画像と同じ機材で、画角は約23'×15'、ノートリミング、上が天の北方向です。見比べてゆくと惑星の移動の様子が分かります。

20160109-1158金星と土星の超接近
右は11:58撮影で、今日撮影した中で一番近い状態。離角は6.2'弱です。両惑星の大きさが分かる状態でひとつの写野で撮影するなんて生まれて初めて。高度が20°程しかなくて、像はかなり乱れまくっていました。土星の形も分かり辛く、なんとなく横長の楕円状であることが確認できる程度です。

フィルターなどを使ってもっと鮮明に撮る方法もあるでしょうが、今日はこれで精一杯だし大満足です。なにより、良いタイミングで快晴になってくれて、天の恵みに心から感謝ですね。さぁ、お次の超接近はまたまた今年の8月28日、金星と木星です。今回よりさらに難物ですよ。

明け方編はここをクリック。

参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧(惑星ペア・トップ200)