夕方の空で月を楽しむ2015/10/20

20151020_08398月
今日は月面Xデー。でもこちらのアーカイブをご覧いただくと分かるように昼のうちにX地形に日が当たってしまいました。今年の月面Xデーはことごとく条件が悪く、見えても昼間か夜の月没間際。こんな運の悪い年もあるんだなぁ…とあらためて感じます。

昼間の月面Xを撮りたかったけれど、ずっと薄い雲に覆われて断念。左は暗くなってきた17:50ごろ雲越しに撮った月。太陽黄経差82.98°、撮影時高度は36°あまりでした。悪条件にしては大気の揺らぎが少なく落ち着いた像です。X地形はすっかり明るいですね。探せますか?

20151020幻日
もっとも淡い絹雲のおかげで夕方15時過ぎに環天頂アークが出現!外出間際の慌ただしい時間で、カメラを準備中に消えてしまいましたが…。なんとか小さな幻日だけ写真に収めました(右)。

20151020月面Xと月の南極
さて上の月写真を画像処理して気付いたのですが、今日は月面中央緯度がマイナス側に大きいのです。我が家の測心座標だと-5.86°ありました。以前に書いた8月31日の満月記事で、月面の南極のお話しがありました。南極探検家スコットさんとアムンゼンさんの名を冠したクレーターが月の南極(上画像だと下側)にあるのです。これらは極近くなので月面中央緯度がマイナス側に大きい時わずかに見えるため、ひょっとしたら…と調べてみました。すると、なんと見えるではありませんか。左は上の月の南側を切り出した画像です。雲越しで霧がかかったような画質ですが、前出の記事を頼りに探してみてください。(右下画像が答えです。)

20151020月面Xと月の南極
計算上は昨日のほうが更に条件が良かったようですが、当地では今日より雲が多かったのでダメでした。それに上弦前だと月面中央緯度がマイナス側に大きくても、クレーターそのものに光が十分当たっていないことも懸念されます。でもなんにせよ今日くらいの月齢なら見えることが分かったのですから、満月前後にこだわる必要がなくなりました。上弦の頃は鑑賞時間が少ないことを差し引いても、“月面の南極探検”を楽しめるチャンスは倍増ですね。いろいろ大収穫の夕方でした。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)

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