3つ以上の天体接近はどれくらい貴重かな?2015/10/17

20151010月火水木金の星々
数日ほど夜間の曇りや小雨が続き、明け方の惑星が気になるのに見られないでいます。と言って気分を腐らせていてもいけませんから、気になっていた「3つ以上の天体が見かけ上集まる頻度はどれくらいか」「どれくらい近くなるのか」を調べることにしました。(実は前々からプログラムを組みつつあったのだけど、いまひとつ考えがまとまってませんでした…。)

月と可視惑星(水星、金星、火星、木星、土星)のなかで2つの天体の接近会合はアーカイブ:天体の接近現象一覧にある通りですが、3つ以上となると、そもそも一緒のタイミングで一箇所に集まることがありません。特に公転が長い遠方の惑星…木星や土星が絡むと会合周期が20年ほどのスパンになってしまい、かなり緩い条件にしないと全く会合しなくなります。先日10月10日(左画像)のように月・水星・金星・火星・木星が「とりあえず一枚の写真に収まる」(※もちろん魚眼で全天撮るみたいなズルをしない)程度の条件を「接近」と見なし、そういうステキなチャンスがあるだろうかという調査が目的なのです。

突貫で仕上げたプログラムを使い、今年2015年から2030年まで様々な条件で試算しました。うまくまとまってはいないのですが、アーカイブ:多天体の接近現象一覧として公開しました。よかったらお使いください。3つ以上の場合は天球での見え方が複雑すぎて、「互いが最も近くなる日時」という判定はあまり実践的でありません。それよりも「この日の夕方見ると離角○○度以内に収まってるよ」という観察カレンダーそのものを作ったほうが良さそうです。アーカイブは計算期間全ての日について天体位置を判定してゆきました。今後データの改良や計算範囲を広げられればと思います。1等星を含めた接近も考えたいですね。

アーカイブをご覧頂くと分かりますが、たくさん起こる年とかなり少ない年とで、大きなばらつきがあります。今年はかなり多い方でした。しかも10月7日から12日までは5天体が60°以内に収まるという滅多にない機会でした。今更ですが、もっとちゃんと写真撮っておけば良かったと後悔…。来年9月には6天体全てが90°以内に収まる…つまり空の片側に寄ってるまたとないチャンスがやって来ます。今から楽しみ!

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