今日の月(深夜) ― 2015/09/30
今夜は雲が多い夜です。雲間を待っていたら予定時刻を45分もオーバーしてしまいましたが、ひとまず201°の月を撮影できました。
太陽黄経差201.45°、高度60.5°近くの月です。時刻は30日になってすぐの頃でした。満月からそんなに経ってないのに、ずいぶん欠けましたね。大量の雲があるくらいですから、大気は揺らめいて像が甘くなりました。でも雲のないところの透明感は高い感じです。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)
太陽黄経差201.45°、高度60.5°近くの月です。時刻は30日になってすぐの頃でした。満月からそんなに経ってないのに、ずいぶん欠けましたね。大量の雲があるくらいですから、大気は揺らめいて像が甘くなりました。でも雲のないところの透明感は高い感じです。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)
冬みたいな明け方の空で彗星と惑星を眺める ― 2015/09/30
日付をまたいで雲の多い夜でしたが、明け方3時半を過ぎた頃から急速に晴れました。星は瞬いてシンチレーションが悪いものの透明度は冬並みに良かったので、薄明までのわずかな時間になんとかパンスターズ彗星(C/2014S2)を撮ってみました。
大増光してるというパンスターズ彗星ですが、確かに今月24日の撮影より明らかに明るいです。(機材や露出などは全く同じです。)まだ満月近い月明かりがある空で、なんとまあ尾がしっかり伸びています。核も明るくなってますね。今日は北極星まで4°あまり。あと6日で北極星のすぐ側に到達です。
アパート前の空き地から薄明の東空に昇っている三惑星が良く見えました。火星と並んでしし座のレグルスも見えます。10月後半から11月にかけて相互に接近し合う惑星たち。肉眼でも十分楽しめるのでとても待ち遠しいですね。金星の拡大撮影も試みたのですが、あまりに大気の揺れがひどく、何を撮ったのか分からないような画質でした。
気温がとても低くて本当に冬がやって来たような明け方。いつもは屋外に出すと30分でビショビショになる機材もあまり濡れてません。北海道の大雪山系ではもう二日前から雪が降っているそうですね。
参考:
2015年10月-11月明け方の惑星接近に関係する記事(ブログ内)
アーカイブ:多天体の接近現象(3天体以上の会合の日付)
アーカイブ:天体の接近現象(2天体会合の日時・離角)
大増光してるというパンスターズ彗星ですが、確かに今月24日の撮影より明らかに明るいです。(機材や露出などは全く同じです。)まだ満月近い月明かりがある空で、なんとまあ尾がしっかり伸びています。核も明るくなってますね。今日は北極星まで4°あまり。あと6日で北極星のすぐ側に到達です。
アパート前の空き地から薄明の東空に昇っている三惑星が良く見えました。火星と並んでしし座のレグルスも見えます。10月後半から11月にかけて相互に接近し合う惑星たち。肉眼でも十分楽しめるのでとても待ち遠しいですね。金星の拡大撮影も試みたのですが、あまりに大気の揺れがひどく、何を撮ったのか分からないような画質でした。
気温がとても低くて本当に冬がやって来たような明け方。いつもは屋外に出すと30分でビショビショになる機材もあまり濡れてません。北海道の大雪山系ではもう二日前から雪が降っているそうですね。
参考:
2015年10月-11月明け方の惑星接近に関係する記事(ブログ内)
アーカイブ:多天体の接近現象(3天体以上の会合の日付)
アーカイブ:天体の接近現象(2天体会合の日時・離角)
台風21号の深い爪痕 ― 2015/09/30
台風21号は既に南西諸島付近から遠ざかって昨日29日21時に熱帯低気圧になりましたが、またしても深い爪痕を残したようです。与那国島では9月28日に記録的な暴風雨となり、家屋や電柱が倒壊して島のほぼ全域で停電…。一日も早い復旧を願っています。(左は28日17:30の衛星画像/画像元:NICTサイエンスクラウド。)
28日15:41に記録された81.1m/sという瞬間最大風速は観測史上4位とのこと(右下表参照)。最大風速を見ても同じ与那国島で54.6m/s(観測史上7位)とあります。表には8位にも今年8月の記録が入っていますが、これは前回沖縄や九州地方などに大きな被害をもたらした台風15号のときでした。このクラスの風はまるで想像できません。「今日は風が強いなぁ」と思うときに風速を測ってもせいぜい10m/sオーバーくらい。20m/s越えたら歩けません。
私の住む茨城でもかつて台風直撃で暴風被害が出たことがありました。2002年の台風21号(おぉ、番号被ってる!)です。同年10月1日夜に上陸した台風は、中心が我が家のすぐ近くを通ったので今でも鮮明に覚えています。21時過ぎだったでしょうか、突然街中が停電になりました。後で知ったのですが、潮来市や鹿嶋市を通る送電線の鉄塔9基が倒壊・半壊したのです。この送電に支えられていた街は少なくありません。鉄塔は60m/s程度の風でも倒れない構造だそうですが、想定限界に近い暴風の連続、川や平坦地が多い場所で抵抗なく風が吹き抜ける環境、加えて基礎工事不良が悲劇を招いたとのことでした。
※気象庁サイトの「歴代全国ランキング」による。
記録に残っている当時の瞬間最大風速は送電線に付いていた風速計の56.7m/s。でもよく考えれば風速はあくまで「点測定」です。実際の風は立体的に吹き、特異的に測定値より強いことだって十分あり得ます。1940年のタコマ・ナローズ橋倒壊のように、耐久試験すらできないレベルの暴風でどんな作用が起こるか机上シミュレーションだけでは不十分な気もしますね。
与那国島の81.1m/sって、この鉄塔崩壊の1.4倍以上ですよ。与那国島にも風力発電の風車があって、そのうちひとつの羽根が折れたそうです。国の風力発電ガイドラインを読む限りでは、最大風速70m/sくらいまで想定してるはずなのに、それでも壊れちゃうんですね。(土地の特徴にもよりますが一般的に最大風速と瞬間最大風速は1.5倍から2倍の関係。)自然というのは常に人の想像の斜め上を行き、「想定外」を起こすものなのでしょうか。
茨城の時は大きなニュースとなりましたが、今回は他の様々なニュースに紛れて関心ある人や関係者以外にはあまり注目されてない気がします。関心の有る無しは将来の用心に直結するので、少しでもその手助けになればと思う次第。
参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)
28日15:41に記録された81.1m/sという瞬間最大風速は観測史上4位とのこと(右下表参照)。最大風速を見ても同じ与那国島で54.6m/s(観測史上7位)とあります。表には8位にも今年8月の記録が入っていますが、これは前回沖縄や九州地方などに大きな被害をもたらした台風15号のときでした。このクラスの風はまるで想像できません。「今日は風が強いなぁ」と思うときに風速を測ってもせいぜい10m/sオーバーくらい。20m/s越えたら歩けません。
私の住む茨城でもかつて台風直撃で暴風被害が出たことがありました。2002年の台風21号(おぉ、番号被ってる!)です。同年10月1日夜に上陸した台風は、中心が我が家のすぐ近くを通ったので今でも鮮明に覚えています。21時過ぎだったでしょうか、突然街中が停電になりました。後で知ったのですが、潮来市や鹿嶋市を通る送電線の鉄塔9基が倒壊・半壊したのです。この送電に支えられていた街は少なくありません。鉄塔は60m/s程度の風でも倒れない構造だそうですが、想定限界に近い暴風の連続、川や平坦地が多い場所で抵抗なく風が吹き抜ける環境、加えて基礎工事不良が悲劇を招いたとのことでした。
【瞬間最大風速・2015/9/30-0:00現在】
順位 | 日付 | 場所 | 風速 (m/s) |
---|---|---|---|
1 | 1966年9月25日 | 静岡県・富士山 | 91.0 |
2 | 1966年9月5日 | 沖縄県・宮古島 | 85.3 |
3 | 1961年9月16日 | 高知県・室戸岬 | 84.5 |
4 | 2015年9月28日 | 沖縄県・与那国島 | 81.1 |
5 | 1970年8月13日 | 鹿児島県・名瀬 | 78.9 |
6 | 1956年9月8日 | 沖縄県・那覇 | 73.6 |
7 | 1964年9月25日 | 愛媛県・宇和島 | 72.3 |
8 | 2015年8月23日 | 沖縄県・石垣島 | 71.0 |
9 | 2006年9月16日 | 沖縄県・西表島 | 69.9 |
10 | 1970年8月21日 | 徳島県・剣山 | 69.0 |
与那国島の81.1m/sって、この鉄塔崩壊の1.4倍以上ですよ。与那国島にも風力発電の風車があって、そのうちひとつの羽根が折れたそうです。国の風力発電ガイドラインを読む限りでは、最大風速70m/sくらいまで想定してるはずなのに、それでも壊れちゃうんですね。(土地の特徴にもよりますが一般的に最大風速と瞬間最大風速は1.5倍から2倍の関係。)自然というのは常に人の想像の斜め上を行き、「想定外」を起こすものなのでしょうか。
茨城の時は大きなニュースとなりましたが、今回は他の様々なニュースに紛れて関心ある人や関係者以外にはあまり注目されてない気がします。関心の有る無しは将来の用心に直結するので、少しでもその手助けになればと思う次第。
参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)