梅雨の上に台風が三つも2015/07/04

20150704台風が三つ
昼前に天気図を確認するとびっくり。台風が三つ並んでいます。台風9号(Chan-hom)、台風10号(Linfa)、台風11号(Nangka)の三つです。左画像は気象庁サイトの衛星画像(2015年7月4日・日本時間12時)にマーカーを入れたもの。いずれもまだ日本域から遠いものの、数日後には海上に影響が出るでしょうか。停滞している梅雨前線が活発化するかも知れませんね。

台風が二つ同時に存在するケースは珍しくないですが、三つ同時というのはそう多くありません。(レアケースと言い切れるほど少なくもありませんが…。)試しに1981年から2014年の34年間を調べたら、二つ同時存在の期間が303件あったのに対し、三つ同時は53件でした。中には四つ同時に存在した期間がなんと3件も!(下記。)特に1994年は台風が36個も発生した特異年でした。
重複台風件数(年集計)

重複台風件数(月集計)

重複台風件数(継続時間集計)
全てが日本に影響あるわけではないですが、国や生命の種別にかかわらず被害が少ないに越したことはありません。

三つ同時と四つ同時のケースの一部を下記表にまとめました。これはあくまで重複期間のみの表なので、最初の台風発生から最後の台風消滅まで考えたら半月に及ぶ場合もあります。また、右は今回調べた1981-2014年の三つ同時台風の件数を「年」「月」「継続時間」の切り口で集計したもの(四つ同時は三つ同時に分割して集計)。傾向が読み取れるでしょうか。グラフの通り、今年の発生はかなり早めです。(追記:後日の7月10日の記事もどうぞ。

台風同士が近い位置にあると影響し合います。「藤原効果(藤原エフェクト)」といって進路が通常と異なってしまう場合があるそうです(→参考)。台風が迷走するお話しをたまに聞きますが、二つ以上の大型台風が近い場合は注意が必要ですね。昨日から新しい気象衛星ひまわり8号の配信が始まり、7日からは正式運用が開始されます。さっそくこの三つどもえ台風解析に役立ちそうです。

【台風が3つ同時に存在したケース】
台風番号重複開始重複終了重複時間
2000年14号・15号・16号9月7日(木)9月10日(日)90時間
2001年16号・17号・18号9月20日(木)9月20日(木)6時間
2002年6号7号・8号7月9日(火)7月12日(金)63時間
2002年9号・10号・11号7月21日(日)7月21日(日)12時間
2002年15号・16号・17号8月30日(金)9月1日(日)45時間
2004年15号16号・17号8月20日(金)8月20日(金)9時間
2005年17号・18号・19号9月26日(月)9月26日(月)12時間
2006年7号・8号・9号8月6日(日)8月9日(水)66時間
2007年15号・16号・17号10月5日(金)10月6日(土)30時間
2009年16号・17号・18号9月30日(水)9月30日(水)6時間
2010年6号・7号・8号8月30日(月)8月31日(火)18時間
2012年9号・10号・11号8月3日(金)8月3日(金)6時間
2013年12号・13号・14号8月19日(月)8月19日(月)6時間
2013年21号・22号・23号10月1日(火)10月1日(火)6時間
※2000-2014年のみ掲載しました。(2003年、2008年、2011年、2014年は該当するケースがありません。)
この文字色の台風は上陸したものです。

【台風が4つ同時に存在したケース】
台風番号重複開始重複終了重複時間
1985年12号・13号14号・15号8月31日(土)9月1日(日)12時間
1994年17号・18号・19号・20号8月28日(日)8月29日(月)18時間
1994年30号・31号・32号・33号10月23日(日)10月25日(火)42時間
※1981-2014年の期間のみ掲載しました。(この3件以外は起こっていませんでした。)
この文字色の台風は上陸したものです。
※日付(JST換算)のみの集計だと1985年9月1日に12号・13号・14号・15号・16号の5つが同時に存在しています。ただ、5つの中で最後の16号発生より12時間前に14号が消滅しているので、時間帯までは被っていません。


参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)

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