今日の月(明け方)2015/03/14

20150314_27046月
明け方の月を撮る予定で2時過ぎに起き出しましたが、東の月は薄雲で真っ赤に色づき、撮影予定時刻には雲に飲み込まれて見えなくなりました。仕方なく少し待つことにして、約1時間後の3時40分に晴れてきたところを撮ることができました。太陽黄経差270.46度、高度は28度あまり。空は霞んでいて星が少なかったです。

意外にも270度の月、つまり下弦ピッタリの月を時刻まで正確に撮影できたことが少ないことに気付きました。下弦は毎月1回ありますが、昼間だったり、低空過ぎたり、日本で見えないこともあるからです。これは下弦だけでなくすべての位相に言えることですが、特定の位相角を正確な日時で撮ろうとするとチャンスが少ないことに驚かされます。

たとえば2013年から2016年の4年間で、夜間(薄明含む)に観察可能な270度の月はわずか11回しかありません。そのうち高度50度以上確保できるのはたったの3回。今年に限って言うと、夜間に見える270度の月はなんとわずか2回。そのうちの1回は高度10度未満なので、今回が今年最初で最後の機会だったのでした。天気のせいで少し遅れて0.5度近くズレてしまったけど、とにかく撮れて良かったです。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差252度以上、288度未満)

やっとスワン彗星を捕捉!2015/03/14

20150314スワン彗星
朝まで晴れていたのに午前中から曇ってしまい、ほとんど日が差さない一日でした。ところが日没近くになって急速に晴れてきたので、二日前にはあまり自信がなかった例のスワン彗星(C/2015C2)の確認のため、望遠鏡を組み立てました。今日は軽望遠でなく500mmの望遠鏡で火星と同一写野なので、より暗い天体検出が可能です。実は昨夕も挑戦したのですが、金星が見えないほどの雲に阻まれました。火星や10等星くらいまでの恒星はなんとか雲越しに写ったのですが彗星状の天体は確認できませんでした。はたして今日はどうでしょうか。

電線がありましたが、ギリギリ邪魔されない時間に撮影を終えました。まだ薄明がたっぷり残る18時半という時間のため、ぱっと見は画面がまっ白。せめてあと20分待ってから撮りたいのですが、既に高度が10度近くまで下がっていて、これ以上待つと低空の春霞や障害物に飲み込まれます。何十年経験積んでも、低空の暗い彗星は時間との闘いで、本当に難しい……。

丁寧に画像処理し、暗い星まで取り出たのが左上画像です。予報位置にみごと彗星状天体がありました。他に該当する星雲などもありませんので、今度こそ間違いなくスワン彗星でしょう。くっつく程すぐ右上に11.3等の恒星がいますが、明らかにこれより明るいですね。全体の恒星と比較して彗星は10等台中盤から後半でしょう。(画像内のいちばん暗い星は12等前半程度です。)彗星は明日、明後日にかけて火星に大接近します。目印になる明るい星が近くにあることは薄明中のファインディングがとても助かりますね。チャンスがあれば引き続き写してみようと思います。