今日の太陽と花粉光環2015/03/05

20150305太陽
今日はアップロードが遅くなりましたが、午前中10時台に太陽を見ていました。昨日目立っていたダークフィラメントは少し弱まっています。右上のプロミネンスが少し目立ちますね。この位置は2日ほど前にMクラスのフレアが出たところではなかったでしょうか。

そして昨日心配したとおり、今日は盛大に花粉光環が見えました。雨上がり翌日に晴れて気温が上がると、花粉症の方にはきついですよね。私も患者予備軍なので今日は辛かったです。下はベランダの物干し竿で太陽を隠して撮っています。太陽の花粉光環を観察したい方は、くれぐれも遮光を怠らないでください。カメラで撮るだけでも高熱になるので機器を傷めることがあります。

20150305花粉光環
ご覧のようにスギ花粉の光環は縦長の楕円になるようです。この画像を測ってみるとだいたい縦が1割ほど長くなっています。長くなる割合は時間(太陽の高さ)によって変わるという方もいます。これは実測して統計を取ってみたいネタですね。

昨夕から広がった雲は一晩中晴れることはなく、今日も昼過ぎまで晴れただけで夕方にはすっかり雲に覆われています。雲の向こうでは惑星たちがいろいろ空を飾っていることでしょう。

花粉光環RGB分解
【補記】特に興味のある方向けです。今日の花粉光環画像をRGBに分解してみました。各色は全体の強弱がほぼ同じになるよう補正してます。実際はベースに青空があるので、青や緑プレーン全体が明るくなってます。花粉の回折によってできる輪っか(エアリーパターンの集合体?)の直径が各色で異なっているのが分かりますか?

花粉光環RGB比較
0次(中心の明るい○)や1次(そのすぐ外の明るい楕円)の環を比べてみましょう。赤に比べて青はより小さいですね。回折での曲がり方は波長が短い青側ほど浅い、つまり直径が広がらないということです。上で分からなければ、半分に切って直接並べた右画像なら分かるでしょうか。色が違うと輪っかは完全にズレていますね。この違いが光環のカラフルさを作り出すわけです。

花粉光環RGB合成
この状態の三原色が組み合わさったものを私たちは「虹色の光環」として見ていることになります。もちろん実際は虹の順番がくり返すようには見えません。理由は上述のように各色の直径変化からすぐお分かりいただけるでしょう。たまたま虹の順なのは最初の環のところだけで、外に行くほど青の環は赤に追い越されながら混色して、色の順がゴチャゴチャしてしまうのです。

左は上の赤緑青をもう一度まとめたものです。正確ではないけれど青空が抜けたような補正となっているので、光環が分かりやすいでしょう。画像処理ができる方は別途青空を撮影し、光環画像から青空画像を減算することで近いものが作成可能です。よく見ると五重目の赤の環まで確認できますが、このあたりになると光環ではなく、画像処理過程で発生してしまったコントラスト強調によるマッハバンドの可能性も否定できません。肉眼では花粉が濃い日でも三重めがやっとです。いろいろ美しく楽しい光環のお話しでした。

参考:
午後に花粉光環がクッキリ(形に関する記事・2016/03/15)