月面Xを初めて写真に撮るとき2014/11/27

何でしょうか、下のロゴ…(笑)
さて、月面を写真に撮るほどの方なら、かなり天文にのめり込んでいらっしゃるとは思います。でも「機材持ってるけどXは撮ったことない」という方や、月の撮影そのものが不慣れな方だっていらっしゃるでしょう。そういう方のための記事です。望遠鏡とデジカメを使い、月全体を写野いっぱいに写すことを想定しています。ただし、月面撮影自体や月面X写野導入などの解説はしませんのでご容赦くださいね。

★まずは撮ってみましょう
取りあえず機材を組み立てて、何枚か撮ってみましょう。月面は明るくて銀河や星雲などと比べてはるかに撮りやすいと思います。ピント、機材ブレ、シャッター振動などに気を付けてくださいね。

★適正露出を見つける
カメラの液晶ファインダーにヒストグラムを出して、明るいところが露出オーバーにならない適正露出を見つけましょう。露出オート+スポット測光(月の明るい側で測る)ならどのくらいの露出になるか、カメラに測らせるのも手です。

★月面Xは暗い
「明暗境界の月面Xはとても暗い」と覚えましょう。下画像は11月27日に撮った月の露出サンプル。リサイズやトリミング以外は一切加工してません。欠け際がきちんと見えているのはどれですか?メインで撮りたいのは月全体じゃなく欠け際です。(※欠け際の輝度は月相によっても違いが出ますが、今は問題にしません。)

適正露出 2倍露出 4倍露出 8倍露出 16倍露出
月撮影の露出サンプル
月撮影の露出サンプル
月撮影の露出サンプル
月撮影の露出サンプル
月撮影の露出サンプル

★いろいろな条件で撮っておく
適正露出では見えない欠け際の模様やクレーターは、上の例のとおり、だいたい8倍くらい露出を伸ばさないと写りません。でも明るいところは白飛びしてしまいます。画像処理が得意な人は欠け際だけ引き立たせるようなマスク処理とかHDR撮影とか思い浮かべるでしょうが、画像処理どころか撮影だって初めてに近い方のための記事ですからね。

まずは適正を含め、8倍くらいまでの様々な露出でたくさん撮りましょう。例えば適正が1/400秒だったら、8倍は(1/400×8=8/400=1/50)で、1/50秒です。だから1/400から1/50まで一段階ずつ(倍、倍…じゃなくていいです)ずらしながら、どんどん撮ってください。または後述のように感度を変えましょう。写ってるかどうかの確認は後回し。単発の現象って後から撮り直しできませんから、いろいろ条件変えながらたくさん撮るのがいちばんです。

★部分拡大の場合
月面Xだけ強拡大撮影する場合も同様です。拡大撮影なら写野内の極端な明るさの差は減るので、8倍じゃなく4倍でも3倍でも大丈夫。もちろん拡大率変えたのですから、適正露出を測るところから再スタートですよ。

強拡大+スローシャッターでぶれが心配なら、感度を上げることを考えましょう。細かい話を省けば、感度を変えず露出を2倍にすることと、露出を変えず感度を2倍にすることは一緒。大気の揺らぎや機材の振動を考えたら、本来は高速シャッターのまま感度を2倍、4倍…と上げていくほうが無難なのです。こういう試行錯誤は月面Xだけでなく、月食や掩蔽観測など様々に応用できますから、覚えておいて損はありません。ご健闘をお祈りします。

参考:
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