今日の月(夜中)と掩蔽のこと2014/11/11

20141110_22501月
日付が11日に変わろうとするころ。曇り予報でしたが思いの外お天気が持って、夜中過ぎまでは晴れてくれました。太陽黄経差225.011度、日付変更直前の10日23時半頃の月です。撮影時の高度は約46度。ごく淡い雲が流れていきます。美しい月夜でした。

この月は、日付が変わった頃に恒星のグレージング(接食)を起こしました。本州を大きく横断するコースだったので、全国で何人か見られた方がいらっしゃったでしょう。私の星仲間たちも挑戦しに出かけたそうです。(docan氏のブログなど。)

私は療養中で出かけられないため、自宅で眺めました。予報ラインから南に何十キロも離れていますから接食にはなりません。でも掩蔽(えんぺい:星が月に完全に隠されること)にはなります。せっかくだからそれを楽しもうというわけです。

20141110掩蔽
左画像は上が当地での現象予定の約25分前、下が出現1分後の写真です。か弱そうに恒星が写っていますね。月に対して恒星が動いて見えますが、実際は月のほうが星の間を動いていきます。

お互いの光度差がありすぎ、恒星が分かるように撮影しようとするとこの画像のように月は完全に白飛びしてますね。かといって感度を下げたり露出を切り詰めると星が見えなくなります。この光度差が多くの観察者を悩ませる原因になるのです。どちらも過不足なく写すにはたくさんの経験が必要なのでした。

20141110掩蔽
動画を撮って時間を計ったところ、10分前までは右写真のように恒星が分かりましたが、その後は完全に見失いました。月の明るい側に消えていく「明入」は写真でも眼視でもかなり見づらいです。いっぽう出現のほうは暗い側なので見やすく、0:24:03という時刻だったことが分かりました。観察は理屈通りには行かず、良いことも悪いこともいろいろ起きて悲喜こもごも。でもそれがまた良い「目」や「技」を育て、忘れがたい思い出にもなります。

20141111月の光環
明け方、空は再び曇ってきました。ゆっくり明るくなる中、月と雲が美しいオーレオール。肉眼では二重目まで分かる光環でした。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差216度以上、252度未満)

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