小惑星アポフィスが北上に転じました2021/02/05

20210205小惑星アポフィス(99942/2004 MN4)
地球に衝突するリスクが大きいと度々話題に登る小惑星アポフィスが着々と地球に接近しています。ちょうど今朝、赤緯の南下が北上に転じたので撮影してみました。

夜通し天気は良かったのですが、昨日観測史上もっとも早い春一番を記録した関東ですから、夜も風が強い状態。結局朝まで風に翻弄されました。左画像は1.5時間あまりの露出。1月26日に撮影したときよりかなり明るくなっており、はっきりした像を結んでくれました。現在の光度は17等前半。2月26日の衝までもう1等ほど明るくなるでしょう。地球最接近は3月6日ごろ。今回はぶつかりませんからご安心を。

夜半過ぎに下弦を迎えたばかりの月が南中しつつあったので、これも撮ってみました。ふつう明け方は凪になる時間帯なのに、なぜか風が強まり、月がモニターの中で踊り狂っていました。どうにか仕上げたけれど(下A画像)、シャープネスが足りませんね…。撮影時の太陽黄経差は約271.52°、撮影高度は約39.3°、月齢は22.64です。月が低いというのも像に締まりがない要因のひとつでしょう。

計算上では今朝の下弦が「今年最大の下弦」とのこと。先月21日の上弦は「今年最小の上弦」だったので、両者を同縮尺で並べてみました(下B画像/※上弦・下弦の瞬時ではありません、ご容赦を)。単独で見ると大きさの差など全く感じないのに、こんなに違うんです。秤動も異なるから、地形が繋がりません。太陽が照らす向きも真横ではありませんので、それぞれの明暗境界が月の南北(画像の上下方向)に対して微妙に傾いているのが分かるでしょうか?奥が深いですね。

  • 20210205_27152月

    A.2月5日・下弦
  • 2021年最小上弦と最大下弦

    B.2021年内の最小上弦と最大下弦


湿度100%の空で月と小惑星の観察2021/01/26

20210125_14019月
日中が暖かかったせいか、昨宵の気温も急には下がりませんでした。常に薄雲が流れており、その向こうから丸みを帯びてきた月が照らします。雲の薄いところを通して月面を撮影してみましたが、コントラストやシャープネスがやや落ちてしまいました。

左は20時少し前の撮影で、太陽黄経差は約140.19°、撮影高度は約71.5°、月齢12.25。29日明け方に満月を迎えます。南部のシラーがよく見え、シッカルドやアリスタルコスが朝を迎えています。リュンカー山を期待しましたが、まだ影の中。1日後は見頃だけれど天気が崩れそう。

秤動で月全体がかなり正面を向いていたため、危難の海がリム寄りで小さく感じました。縁の海あたりは全く見えません。北側のフンボルト海がリム上にあり、少し凹んでいますね。月のリムは結構デコボコしていて、月齢に関係なく真円にならないところが面白いのです。

少し経つと、空に貼り付いて取れなかった薄雲が無くなりました。遅い時間に月を撮ればよかったと後悔しましたが撮り直しはしませんでした。昼の暖かさで空中に充満した水蒸気が一斉に凍り、機材も周囲もガチガチ。

20210126小惑星Apophis(99942/2004 MN4)
霧が出る予報でしたが明け方まで天気が持ちそうだったため、一週間前にも撮影した小惑星アポフィスを再撮影しました。本当は月が明け方に残らないうちに再撮影を予定していたのですが夜間の天気が芳しくなく、今朝になってしまった次第。ただ、月明かりはあったけれどシーイングがそれなりに良かったのは幸いでした。

一週間で0.4等ほど明るくなり、17等台後半に入りつつあるため、かなりはっきりした像を結んでくれました(右画像/中央の点像)。2時間あまりの露出でも随分動きますね。さすが(?)は「潜在的に危険な小惑星」。現在の地球との距離は約0.179天文単位。もう一ヶ月あまりで0.113天文単位まで接近します。

地球に危険をもたらす小惑星アポフィスを観察2021/01/19

20210119小惑星Apophis(99942/2004 MN4)
今日の明け方、小惑星アポフィスを街中から捉えることができました。

2004年6月の発見以降、地球衝突の可能性が度々話題となっているアポフィス(99942/2004 MN4)。小惑星リュウグウの半分程度の直径ながら、リュウグウ同様「潜在的に危険な小惑星(PHA/Potentially Hazardous Asteroid)」に属します。(※衝突の可能性に関しては、wikiGIZMODO・2020年11月/日本語訳記事日本惑星協会・2019年4月/日本語訳記事アストロアーツ・2013年1月記事などを参照のこと。)

この小惑星をいつか撮影したいと思っていましたが、通常は20等以下の暗さ。発見以降アマチュアの小型機材で撮影できるほど明るくなったのは2013年の地球接近時しかありません。(※明るいと言ってもせいぜい16等台。)そんな折、今年春に増光するチャンスが訪れることを知りました。さっそくMPCの軌道要素で自前計算してみると、衝は2月26日16:45JST。この前後に16等前半まで明るくなる見込みです。(※CNEOSによると、地球最接近は3月6日10:15JST、距離は0.11265AU。)今月末の予報光度は18.0等に達するので、気象条件さえ良ければ私の機材でなんとか写し取れるはず。…そう考え、今月下旬から試写準備を始めていました。

冬の関東平野ですから、晴れて乾燥すれば透明度は良いでしょう。いっぽうシーイングは最悪に近く、星が肥大するシーズンでもあります。18日明け方に最初の挑戦をしましたが、透明度もシーイングも悪く、雲の通過もあって全く写りませんでした。今朝はリベンジだったんです。

風があったためベストの天候とは言えませんが、一晩前に比べたら雲泥の差。風に煽られた数コマ以外は一応点像になりました。小惑星の移動に合わせてコンポジットしたのが左上画像です。推定18.4等のため非常に暗いですが、検出できました。今後2月最初の週までは赤緯が下がるため、南中高度はやや不利になります。もっとも満月期ですから元々不向きな期間。その後は北上しながら衝を迎え、見頃になります。狙えそうな方はぜひご覧ください。

20210118火星と天王星の接近
少し時間は遡りますが、昨宵から次第に雲が取れ、気になっていた「火星と天王星の接近」を眺めることができました。ファインダー程度の機材でも確認できます。

右画像は18日21:20過ぎの撮影で、火星と天王星の離角は2°弱。最接近は21日明け方ですが、その時間は沈んでしまうため、20日の晩がベストでしょう。21日の晩は月も近くにやってきます。小型双眼鏡で三天体がいっぺんに見えますよ。

天候不安定での小惑星撮影2021/01/18

20210118小惑星Seitennokai (1996 AQ2)
昨夕から今朝にかけては雲が多く、時々晴れ間が訪れる夜空でした。夜半過ぎからやや晴れが多くなる気配だったので、久しぶりに小惑星を撮影しようと準備。ふたつ狙ったけれど結局散々な結果に打ちのめされました…。

左画像は所属同好会の名を持つ小惑星Seitennokai (1996 AQ2)。衝を過ぎたばかりのため17等と明るく、なんとか写ったものの、悪シーイングに伴う星像肥大や頻繁に横切る雲によるガイドエラーが多発しています。もうひとつ狙ったほうは限界等級ギリギリのため、星像肥大によって検出できませんでした。

せっかくの新月期なのに不安定な天候が続いています。朝は小雨(みぞれ?)が降ったようです。