日没直後の極細月が見易い季節2025/01/31

20250130_01069月
昨夕は低空に薄雲+浮浪雲が流れていましたが、月を捉えられそうだと踏んで望遠鏡を準備。太陽との赤緯差が少なかったため、太陽が見えるうちに構図や方向を決めておき、“出待ち”しました。

意外にも日没後10分ほどで見え始めましたが、とても低かったので近所の電線にもろかぶり。でも一番隙間の大きいところを通ってくれたのでトリミングして何とかすっきりした画像に仕上げることができました。左画像は30日17:15過ぎの撮影で、太陽黄経差は約10.69°、撮影高度は約4.56°、月齢は0.82。拡大率が足りなくて気象条件も悪いけれど、日没後の撮影では過去記録更新です。

良く見ると一様な明るさではなく、部分的に周囲より光っているところがありますね。多少はモヤによる減光斑もあるでしょうが、明るいところは海のように平坦な箇所と思われます。ちなみに3時方向がフンボルト海、4時半方向が縁の海付近に相当します。

今年あたりから春の宵月が「水平月」や「逆転月」になり易くなってきます。このため同一離角(≒太陽黄経差)でも高度方向が稼げるようになり、観察や撮影にとても有利になるでしょう。例えば今年4月28日や来年5月17日の極細月は今回よりも離角が小さいけれど、天気に恵まれれば今回以上の高度で良く見えるでしょう(下A・B・C図参照)。

これまでの自己ベストだった2013年4月11日・日没直後の月(太陽黄経差11.63°)もやはり水平月が見やすい時期でした。この撮影は脳裏にくっきり焼き付いています。おなじみ19年ほどで巡るサイクルがまたひとつ過ぎたのですね。はやいものです。

  • 20250130宵の月と太陽

    A.2025年1月30日
  • 20250428宵の月と太陽

    B.2025年4月28日
  • 20260517宵の月と太陽

    C.2026年5月17日

  • Stellariumによる当地(茨城県南部)でのシミュレーションです。観察場所により若干変化します。
  • 各図の地平線位置(他より太い横線のところ/地面の描画はカット)は揃えてあります。
  • 太陽高度は全てマイナス4°に揃えてあります。(※形の表示は大気差で縦に伸びてますが、中心位置はぴったりマイナス4°です。)


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