束の間の空の彩りと彗星 ― 2025/01/16
左画像は昨夕(15日)日没10分前のアトラス彗星(C/2024 G3)。様々な色彩が溢れる中でキラキラ瞬いています。
昨日は午後に雲が広がる予報だったため、何とか昼までに彗星を撮影できないか頭をひねりました。諸事情で屋外に望遠鏡を設置できないため、窓際の限られたスペースが唯一の観測地。遮光しつつやっとの思いで組み上げたものの、1cmも移動できない究極の陣取り。
ところが、午前の早いうちから雲が湧き出し、なぜか天頂より南に居座ってしまいました。彗星は導入できたしピントも合わせたのに、薄雲が容赦なく通過します。適当に撮影したけれど画像処理で救える見込みはありませんでした。機材を移動するスペースも気力も無く、万事休す…。
午後は予報通り雲が増えました。でも夕方天気をチェックしにベランダへ出ると、太陽付近から晴れ間が広がりつつあるではありませんか。慌てて準備、西窓へ移動してあった望遠鏡を彗星に向けました。自分目線では日没前だったけれど、それより低い望遠鏡から見ると太陽が街並みに隠れつつあり、自然の遮光になりました。
モヤが濃かったので無理かなと思いましたが、彗星はすぐ見つかりました。しかも日々太陽から離れつつあるためか、驚くほど見やすい。17分角ほどの尾も確認。ですがのんびり眺める猶予はありません。ささっと観察・撮影。数分もすると彗星はがくっと暗くなり、モヤにのまれてゆきました。一握り=指四本分の幅を束と言いますが、昨夕の彗星-太陽離角はちょうど腕を伸ばして1束ぶん。正に束の間の空模様に魅せられました。
昨日は午後に雲が広がる予報だったため、何とか昼までに彗星を撮影できないか頭をひねりました。諸事情で屋外に望遠鏡を設置できないため、窓際の限られたスペースが唯一の観測地。遮光しつつやっとの思いで組み上げたものの、1cmも移動できない究極の陣取り。
ところが、午前の早いうちから雲が湧き出し、なぜか天頂より南に居座ってしまいました。彗星は導入できたしピントも合わせたのに、薄雲が容赦なく通過します。適当に撮影したけれど画像処理で救える見込みはありませんでした。機材を移動するスペースも気力も無く、万事休す…。
午後は予報通り雲が増えました。でも夕方天気をチェックしにベランダへ出ると、太陽付近から晴れ間が広がりつつあるではありませんか。慌てて準備、西窓へ移動してあった望遠鏡を彗星に向けました。自分目線では日没前だったけれど、それより低い望遠鏡から見ると太陽が街並みに隠れつつあり、自然の遮光になりました。
モヤが濃かったので無理かなと思いましたが、彗星はすぐ見つかりました。しかも日々太陽から離れつつあるためか、驚くほど見やすい。17分角ほどの尾も確認。ですがのんびり眺める猶予はありません。ささっと観察・撮影。数分もすると彗星はがくっと暗くなり、モヤにのまれてゆきました。一握り=指四本分の幅を束と言いますが、昨夕の彗星-太陽離角はちょうど腕を伸ばして1束ぶん。正に束の間の空模様に魅せられました。
【検算】
予想通り15日15時JST前にアトラス彗星(C/2024G3)の核はSOHO写野から外へ出ました(下A画像)。尾はもう少し残るようです。 SOHO写野内を通過するアトラス彗星の位置予測を2024年12月24日記事に出していましたが、実際の彗星位置と1時間内外相当の移動ズレで済んだようです(下B画像/予測図に12-15各日0:30UT画像を合成)。このずれは誤差やミスと言うよりも、計算の際にSOHO実位置ではなく平均位置で計算していることや、写野中心と太陽が合っていない(SOHO側の運用姿勢で変わってしまう)ことによるものと考えています。またカメラの周囲では収差も大きいようです。検算することで、より良いプログラム開発に活かせます。
※A画像内にある四つの赤丸は、いて座のアステリズム「テレベルム」です。
予想通り15日15時JST前にアトラス彗星(C/2024G3)の核はSOHO写野から外へ出ました(下A画像)。尾はもう少し残るようです。 SOHO写野内を通過するアトラス彗星の位置予測を2024年12月24日記事に出していましたが、実際の彗星位置と1時間内外相当の移動ズレで済んだようです(下B画像/予測図に12-15各日0:30UT画像を合成)。このずれは誤差やミスと言うよりも、計算の際にSOHO実位置ではなく平均位置で計算していることや、写野中心と太陽が合っていない(SOHO側の運用姿勢で変わってしまう)ことによるものと考えています。またカメラの周囲では収差も大きいようです。検算することで、より良いプログラム開発に活かせます。
※A画像内にある四つの赤丸は、いて座のアステリズム「テレベルム」です。
今日の太陽 ― 2025/01/16
昨夜から今朝は晴れ時々雲通過、のち曇り。今朝も雲が多く、ときおり青空がやって来ますが長続きしません。雲が少なくなるのは夜かなあ。
左は10:30ごろの太陽。薄雲越しの撮影です。左半球が賑々しくなっており嬉しい。でも太陽全体は大きなフレアも無く静穏そのもの。右下プロミネンスはかろうじて続いていました。大きなダークフィラメントは残りひとつかな?
photo.nomataのterujiさんからSDOデータが復活してると連絡を頂き見に行ってみました。SDOデータ処理や管理を担当している統合科学運用センター(JSOC/スタンフォード大学内)のサーバー水害事故で昨年11月27日以降のデータ公開など全てストップしていたのですが、断片的ながら今年1月7日以降のデータが見えるようになっていました。修理期間中のデータはまだ見えないようです。
元データそのものをロストした訳では無いため、いずれは全部が復旧するでしょうが、完全復旧にはまだ時間がたっぷり必要そうです。日々の手間暇がかかる処理だけに、大規模データサーバーの喪失は世界中で失うものが大きい。せめて個人レベルでデータ喪失を起こさないよう肝に銘じた次第。
左は10:30ごろの太陽。薄雲越しの撮影です。左半球が賑々しくなっており嬉しい。でも太陽全体は大きなフレアも無く静穏そのもの。右下プロミネンスはかろうじて続いていました。大きなダークフィラメントは残りひとつかな?
photo.nomataのterujiさんからSDOデータが復活してると連絡を頂き見に行ってみました。SDOデータ処理や管理を担当している統合科学運用センター(JSOC/スタンフォード大学内)のサーバー水害事故で昨年11月27日以降のデータ公開など全てストップしていたのですが、断片的ながら今年1月7日以降のデータが見えるようになっていました。修理期間中のデータはまだ見えないようです。
元データそのものをロストした訳では無いため、いずれは全部が復旧するでしょうが、完全復旧にはまだ時間がたっぷり必要そうです。日々の手間暇がかかる処理だけに、大規模データサーバーの喪失は世界中で失うものが大きい。せめて個人レベルでデータ喪失を起こさないよう肝に銘じた次第。