日没前のアトラス彗星をSOHOと見比べる2025/01/15

20250114_0730-SOHO_LASCO-C3
近日点通過後もアトラス彗星(C/2024 G3)は元気です。

Spaceweather.com常連のOdd TrondalさんがSOHO画像から三色合成を試みているのを見て面白いと思いましたが、SOHOの波長ごとの画像は時間差が大きすぎて色ズレするため、代わりにLarson-Sekaninaフィルターで尾の流線を炙り出してみました。左画像は14日7:30UTのもの。筋が何本出てるか分からないほど複雑に絡んでいますね。果たして地上からも尾の構造が見えるのでしょうか?(※記事末にGIFアニメも追加しました。)

この時間を選んだのは、私も撮影した時間だからです。昨日は昼過ぎに撮影するつもりだったのに、いきなり雲が湧いてしまい、しかも長時間にわたってへばりつくようなタイプでした。夕方は晴れそうだったので辛抱強く待ち、日没40分ほど前にやっとクリアになり撮影開始。彗星高度は10°前後でした。宵の見え方に近いわけですね(下A画像)。

尾は思ったほど長くありませんでしたが、広がった淡い尾の中に濃い部分が一本見えます。※撮影の向きに黄道座標系と赤道座標系の違いがあるので、私の画像はSOHOに対して約13°右回転しています。ここに写っている尾は冒頭のSOHO画像のうち一番明るい流れの方向で、白潰れしている内部のごくわずかな部分のみ。この時間になっても彗星核がかなり明るく見えていました。それどころか雲がかかっている時間でも存在が分かりました(下B画像/一枚撮り・フラット補正なし)。ここ数日間で昼間に見た中では最も明るかったと思います。ここまで元気だとこちらも嬉しい。

明るいとは言えそろそろ光度が下がり始めるでしょうから、日中の観察はあと1、2日でお開きでしょうか。日没後は低すぎるため、よほど天気に恵まれない限り難しい。一週間も経てば高度が下がり始め、可視等級でも空の明るさに負けてしまうでしょう。そろそろこのアトラス彗星観察も終盤ですね。

  • 20250114_C/2024G3

    A.日没前のアトラス彗星
  • 20250114_C/2024G3

    B.雲間のアトラス彗星


C/2024G3 in SOHO
【ストリーム構造の変化】

Larson-Sekaninaフィルターを施したSOHO画像によるGIFアニメも作ってみました。クリックして再生してください。SOHO写野に入った頃からストリームが複数本見えていたことが分かりますね。

【更に追記】
その後の経過です。アトラス彗星は15日午後にSOHO-LASCO-C3カメラ写野から出て行く予定です。

  • 20250114-1530UT_SOHO-C3

    A.15日0:30JST
  • 20250115-0030UT_SOHO-C3

    B.15日9:30JST



今日の太陽2025/01/15

20250115太陽
昨夜から今朝は晴れときどき曇り。今日は朝のうち晴れていたものの、午後に向かって薄曇りの予報。実際は午前中から南側の空に雲がずっと残ってしまい、太陽は撮れたもののアトラス彗星(C/2024 G3)は雲越しに微かな姿を確認したのみ。

20250115太陽リム
左は9:40過ぎの太陽。薄雲がかかっています。活動領域13959の大きな黒点が存在感を増してきました。その左には13961・13962もできました。大きな黒点はもう数日経てば太陽観察グラスのみで見える「肉眼黒点」になるでしょう。右下のダークフィラメント+プロミネンスも継続してます。