月面Nとスを確認2023/03/03

20230302_12597月
昨夕は日没頃まで雨が降り、その後ゆっくり回復に向かったものの金星と木星の接近は全く見えませんでした。21時以降は概ね回復したので、南中を過ぎた月を夜半近くまで楽しむことにしました。

左は23:20頃の撮影で、太陽黄経差は約125.97°、撮影高度は約49.88°、月齢10.30。シーイングはかなり悪く、細かい揺らぎに大きな揺らぎまで加わって酔いそうでした。プラトー、コペルニクス、クラヴィウスはすっかり朝を迎えています。虹の入り江が半分暗くて、西側がまだひとつなぎでなく面白い光り方でした。これくらいの位相で微かに見える糸くずのような直線壁もそそられます、

やや明るくなってしまったけれど、月面Nおよび月面ス(中川昇さんがブログで紹介してます)の位置が確認できるタイミングだったので、拡大してみました。

月面N(下A画像/緑点線円内)のほうは、撮影時の地形における太陽高度が約8.72°もありました。出現の見ごろは+1.0°付近ですので明らかに明る過ぎますが、場所が分かっていればNの形は辿れますね。すぐ下の月面Iもまだかろうじて影が出てますから、分かります。その右の「ま」or「寺」の字はちょっと微妙…。

それから月面ス(下B画像/緑点線円内)のほうは、撮影時の太陽高度が約2.65°(見ごろは-0.5°付近)。こちらもここまで日照が進むと「ス」よりも「ヌ」、「又」、「叉」などのほうが合うかも知れません。すぐ下には「ミ」に見えるところもありました。さらにそのすぐ右下にも崩れた「ス」or「ヌ」。うまいことスミスに見えるタイミングがあると面白いのですが。

いずれも出現タイミングからある程度経ってしまっても地形位置や存在は確認できるという好例です。2月28日記事で取り上げたバレンタイン・ドームなど標高差が小さい地形は観察最適日から24時間経つ前にほぼ消滅しますが、周囲との標高差がある程度ある地形なら大丈夫でしょう。こうしてドンピシャではないタイミングの状態でも探し慣れておくことで、ベスト時の導入速度を上げたり、有り難さを身に刻むことができます。

断片的に二時間ほど見てしまいましたが、シーイングは全く改善しませんでした。気温6度とやや高いところからスタートしたのに、真夜中には2度台まで下がり、明け方はすっかり氷点下。見事な放射冷却を体験しました。天気回復が3時間ほど早かったら…と悔やむばかりですが、こればかりは仕方ありません。

  • 20230302_月面N

    A.月面N
  • 20230302_月面ス

    B.月面ス


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