三重の奥野さん、群馬の小嶋さんが相次ぎ新天体発見2023/01/17

20230116_SN2023fu in IC1874
日本の観測者による天体発見が続いています。確認撮影をしたいのに当地は三日間ほど悪天候に見舞われ、すっかり遅れてしまいました。

まずは…三重県の奥野浩さんが12日20時過ぎ、ペルセウス座のIC1874に16.9等の超新星候補天体を発見したとのこと。その後の分光観測によってTyeIIPの超新星らしいことが分かり、SN確定です。奥野さんの超新星発見は始めてだそうです。

当地では昨日宵まで断続的に雨が降っていましたが、19時過ぎから急速に晴れたので急いで準備、やっと撮影できました。もちろん地面はびしょぬれで湿度も高かったため猛烈な結露と霜に見舞われましたが、なんとか写っていました(左上画像)。すぐ東側に恒星があって、素人目にはどっちなのか紛らわしいです。

続いて群馬県の小嶋正さんが14日23時過ぎ、ふたご座に13.2等の突発天体を発見しました。夜半前に天頂近くを通ったのでこれも撮影(下A画像)。該当位置に青白い天体が写りました。矮新星でしょうか。ふたつの天体を撮影する間の時間に、静岡県の西村栄男さんが10日に発見したカシオペア座のPNVも撮りました(下B画像)。発見当日にも撮影していましたが、かなり低くて星像が悪く、心残りだったのです。少し暗くなったようですね。

  • 20230116_TCP J06442271+1549388

    A.TCP J06442271+1549388
  • 20230116_PNV J00215475+5231007

    B.PNV J00215475+5231007


日付が今日17日になり、明け方前に高く登ったZTF彗星(C/2022 E3)にも望遠鏡を向けてみました。北東から北西まで大きく広がっていたダストの尾が北西寄りに統一され、イオンテイルの向きに近くなりました(下C画像)。いままでの尾を想定したフレーミングで撮影をスタートしたため東側がガラ空きになってしまいました。今後はレイアウトを変えなくてはなりませんね。明け方は湿度100%の氷点下で望遠鏡が凍りつき、ヒーター対策をしていても補正板が曇りました。線状の恒星像の光量斑はそれが原因です。

最後は薄明の中に輝く月でしめました。下D画像は6時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約291.79°、撮影高度は約33.94°、月齢は24.45。天気が悪かった間に下弦を過ぎてしまったけれど、これはこれで美しい位相です。虹の入り江が2/3ほど夜になってしまい、ここだけ拡大して見るとなんだか怖い雰囲気です。コペルニクスはもう見えず、アリスタルコス、ケプラー、ガッサンディ、シラーなどが夕方を迎えつつあります。秤動ピークを過ぎてだいぶ狭くなりましたがオリエンタレ盆地内の東の海もまだ確認できました。いかんせん高度が低くシーイングはかなり悪かったので細かいところは解像しませんでした。色々トラブルはあったものの、ともかく久しぶりの星空観察ができて幸せです。

  • 20230117_ZTF彗星(C/2022 E3)

    C.17日明け方のZTF彗星(C/2022 E3)
  • 20230117_29179月

    D.17日明け方の月


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