早々に梅雨入りした関東2022/06/06

ゲンジボタル
二十四節気の「芒種」を迎えました。紫陽花が野道を飾り、夕方になればホタルが飛び交う時期。…なのですが、今日の関東はまとまった雨で日差しもなく、とても寒い一日でした。おまけに速報値ではありますが、関東甲信の梅雨入り宣言が気象庁から出されてしまいました。暦の上での入梅は今週土曜の6月11日なのでおかしくはないけれど、奄美・沖縄以外で関東甲信が真っ先に梅雨入りしたのは大変めずらしいですね。

梅雨入り・梅雨明けは気象庁から12ブロックに分けて発表されますが、当ブログのアーカイブ「梅雨」から関東の梅雨入り順位が5位以内の年をピックアップすると、1951年以降では1963年、1964年、2005年、2017年、2019年の5回のみ(記事末表)。1963年は奄美・沖縄より早いですね。でも大部分は平年値の9位前後です。

梅雨入りが早い年は春からの雨が多いんだろうかと思い、当地・茨城県の水戸とつくばのアメダス記録を使って、1951年以降の各年の3月1日-6月30日間の降水量合計と日照時間合計をグラフ化してみました(下A・B図)。これを見る限り前出5年が顕著に雨が多いとか日照が少ないという傾向は見られません。(図の赤い縦線が関東梅雨入りの早い年。)むしろ逆の傾向…平均より晴れてる、平均より雨が少ない傾向が感じられて驚きました。

これは茨城だけなのかと思い関東の他の都県でもグラフにしましたが似たり寄ったり。関東南部に相当する千葉や神奈川で2017年の降水量がかなり多かった以外は特徴が見いだせませんでした。また各都県の統計期間を5月1日-7月31日に変えても、大きな変化はありませんでした。梅雨入りって梅雨前線のかかり具合に左右されますが、「とてもゆっくり蛇口を回したとき、十分な水量に達したのはいつか」くらい曖昧なところがありますよね。線引が難しい現象です。

今年を振り返ると、すでに3月から不安定な天気が始まっており、4・5月はしっかり晴れた日が週イチくらいしか無い印象です。数年前には梅雨入りしたのに全く雨がふらない年もありました。梅雨入りが早いことと、その時期前後の降水量や日照時間の大小は明確な関係性が無いようです。今年の梅雨はどうなるでしょうか?

  • 4-6月の降水量・茨城

    A.4-6月の降水量
  • 4-6月の日照時間・茨城

    B.4-6月の日照時間


【梅雨入り確定日と順位(関東が5位以内のケース)・1951-2021年調べ】
順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位11位12位
1963年東海
5月4日
関東甲信
5月6日
中国
5月8日
奄美
5月11日
九州南部
5月28日
北陸
5月29日
九州北部
5月30日
東北南部
6月3日
沖縄
6月4日
東北北部
6月19日
  
1964年沖縄
5月5日
奄美
5月18日
東北南部
6月8日
東北北部
6月8日
関東甲信
6月9日
九州南部
6月10日
九州北部
6月10日
四国
6月11日
中国
6月13日
近畿
6月13日
東海
6月20日
北陸
6月20日
2005年沖縄
5月2日
奄美
5月5日
九州北部
6月10日
関東甲信
6月10日
九州南部
6月11日
四国
6月11日
中国
6月11日
近畿
6月11日
東海
6月11日
東北南部
6月15日
東北北部
6月25日
北陸
6月27日
2017年沖縄
5月13日
奄美
5月13日
九州南部
6月6日
関東甲信
6月7日
九州北部
6月20日
四国
6月20日
中国
6月20日
近畿
6月20日
東海
6月21日
北陸
6月25日
東北南部
6月30日
東北北部
7月1日
2019年奄美
5月14日
沖縄
5月16日
九州南部
5月31日
東海
6月7日
関東信越
6月7日
北陸
6月7日
東北南部
6月7日
東北北部
6月15日
九州北部
6月26日
四国
6月26日
中国
6月26日
近畿
6月27日
平年値(2020年まで)沖縄
5月9日
奄美
5月11日
九州南部
5月31日
九州北部
6月5日
四国
6月5日
中国
6月7日
近畿
6月7日
東海
6月8日
関東甲信
6月8日
北陸
6月12日
東北南部
6月12日
東北北部
6月14日
平年値(2021年から)沖縄
5月10日
奄美
5月12日
九州南部
5月30日
九州北部
6月4日
四国
6月5日
中国
6月6日
近畿
6月6日
東海
6月6日
関東信越
6月7日
北陸
6月11日
東北南部
6月12日
東北北部
6月15日

  • 気象庁から発表されている1951年以降の梅雨入り・明けの確定値を再集計したもの。
  • 梅雨入りが確定しなかった地域は空欄です。
  • 平年値は2020年まで使われていたものと2021年からの最新版を併記しました。平年値の変化も興味深いポイント。


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