今日の太陽と金星2022/01/09

20220109太陽
昨夜から今朝は晴れ時々くもり。時折やってくる雲の量が結構多くて、天体観察できるほどの安定した快晴ではありませんでした。そもそも我が家の空きスペースに積もった雪は全く溶けなくて、前夜よりもツルツルになってしまったため機材設置どころじゃありませんでした。今日は朝から気持ち良い天気。気温がやや高く、透明度とシーイングが少し悪い状態です。

20220109太陽リム
左は10:20前の太陽。大きな黒点がある活動領域12924が中央子午線に到達しました。その左の12925もはっきりしています。12925より低緯度、左リム近くに新たな黒点が見え始まりました。また赤道を挟んで12924と反対側にも小黒点、更に左上リムにも極小黒点が見えています。プロミネンスは小規模ながら何箇所も見えていますね。活発な状態はまだまだ続くと思われます。

さて、今日も太陽観察から継続して昼間の金星探しになりました。金星は本日0:14に赤経内合、同9:48に黄経内合を迎えました。左下画像は本日11:15ごろの撮影で、赤経内合の約9時間後、黄経内合の約1.5時間後の姿です。撮影時の太陽離角は約4.866°、輝面比は約0.338%、視直径は約62.780″。ちなみに金星が太陽に最も接近したのは赤経黄経に関係なく本日00:16:26ごろです。このときの太陽離角は約4.80885°でした(数値はいずれも地心計算値)。画像は赤道座標系で上下左右を揃えていますから、太陽が既に金星の下側やや左寄り(南側やや東寄り)になったことが分かるでしょう。

20220109金星
今日昼前は気温上昇が肌で分かるくらい速く、日陰に置いた外気温計が数分ごとに0.1度ずつ上昇していて驚きました。望遠鏡を金星へ向けると明らかに昨日よりシーイングが悪いです。こればかりはどうしようもありませんね。カスプ付近は特にシーイングの影響を受けやすいので、シャープになるよう画像処理を何度もやり直さなくてはなりませんでした。

下A画像はいちばん良さそうな画像を白黒反転高コントラスト化したもの。左画像をいくら見ても発見できなかった影側の縁が金星大気の影響で細く伸びてることが分かります。太陽最接近時を基準にすると、昨日の画像と位相は大きく変わりませんから、光の縁が極端に接近したということはありませんが、それでも昨日の画像より方向角にして10°から20°程度伸びて見える気がします。

下B画像は太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラが捉えた画像。0:54UT=9:54JSTですから、内合を少し過ぎていますね。SOHO写野は黄道座標にそろえてあるから私の金星画像と直接比較はできませんが、SOHO画像を8°ほど時計回りに回転させると撮影瞬時の赤道座標系に揃うでしょう。

本日午後は薄雲が出始め、淡い内暈や幻日が見えました。今夜から明後日にかけて天気が良くない予報らしく、金星の追っかけはここまでです。あらためて、昨年末12月28日から今日まで撮影できた画像を記事末に並べておきました。全て同一縮尺で、画像上方向が天の北方向です。(一部カラー化してない画像も混じっています。)しばらくしたら明けの明星として夜明けの空を飾り始めるでしょう。

  • 20220109金星

  • 20220109-0054-SOHO



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    2021-12-28
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