夜中の月と明け方の国際宇宙ステーション2021/04/25

20210425_14503月
昨夕も雲が残り、夜にかけても取れなさそうだったため、早めに睡眠を取りました。あらためて夜半に起きるとだいぶ雲が引いています。お月さまが屋根に掛かりそうだったのですが、なんとか撮影できました。

左は日付が25日になって30分経った頃の月。太陽黄経差は約145.03°、撮影高度は約36.9°、月齢12.5です。ごく淡い雲がかかっていたみたいで、コントラストが落ちました。リュンカーを見たかったのですが、ちょうど欠け際でもう半日くらい経たないと暗すぎて分からないですね。21日に観察した直線壁、よくよく探すとまだ薄っすらと見えていますよ。分かりますか?

虹の入り江の奥、ピタゴラスあたりもクレーター壁に光が指し始めました。光条を持つ主要なクレーターも出揃いましたね。これくらい明るくなると、小さなクレーターのなかでとりわけ明るい「白いクレーター」と、中央や周囲が暗い「黒いクレーター」が分かりやすくなります。例えばコペルニクスのすぐ右下や左上に黒いクレーターがあるでしょう。中央ちょい下に見えるアルフォンスス・クレーターの中にも小さな黒いクレーターが3つあります。また月面中央・静かの海・神酒の海に囲まれたあたりは白いクレーターの宝庫。それぞれいくつ辿れるかスケッチを取りながら数えるのも面白いですね。

20210425国際宇宙ステーション
さて、早く寝たのはもちろん明け方の国際宇宙ステーション天頂パスを拝むため。無事ISS入りを果たした星出さんと、まもなく地球へ帰ってくる野口さんが搭乗しているから、これはぜひとも見なければと思っていました。

薄雲はあったものの幸いにも天気が持ちこたえてくれたおかげで、明るくなりつつある空を横切るISSがくっきり見えました。雲越しの昨日朝とは大違い。物は試しと拡大撮影も試みました(右画像)。少し白飛び&ぶれてしまいましたが、お手軽撮影にしてはよく写ってくれました。でもどんな向きなんだろう?太陽電池パドルはどこ?

これは天頂にかかる直前のため、自分とISSとの距離が最短になっているはず。ISSからは夜明けの日本が見えたでしょうか?天頂過ぎた辺りで狭視野のカメラで見失ってしまったため、肉眼で見送りました。もう少し精度良く追いかける方法を考える楽しみが増えたかも。

【追記】
知人の中川昇さんのブログに興味深い地形が取り上げられていました。アリスタルコス・北側にゆるいくぼみのような地形が見えるというのです。ブログで過去記事をたどると、近内令一さんの画像や天界・2011年8月号のPDFまでたどり着きました。これは面白い!うっかり見逃していました。

あらためて上の自分画像を見てみると確かにありますね。下に元画等倍でくぼみが見やすいよう処理した画像を掲載します。下B画像は地図を重ねたもの。くぼみ位置と思われる月面緯度N33.3°・月面経度W48.2°を中心に、直径50kmのマゼンタ色円を描いておきました。円内にある小クレーターはWollaston Dクレーター。くぼみの左上明暗境界で光が当たり始めている低い山がリュンカー。

過去1年ほどに撮影した同位相前後を見返すと、今回以外に9例写っていました。きちんと分析していませんが、それなりに幅広い位相で見えているようですから、くぼみではなく地面の模様という可能性も否定できませんね。まぁ、もう研究され尽くしていることと思いますが…。ともあれ、このような素人の探究心をくすぐる対象は月であれ他の天体であれ大歓迎。諸先輩方がもっとたくさん紹介してくださるといいのになあと感じます。

  • 20210425_アリスタルコス北のくぼみ

    A.アリスタルコス・北側のくぼみ
  • 20210425_アリスタルコス北のくぼみ

    B.A画像に地図を重ねたもの


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