大きなPHA小惑星231937(2001 FO32)接近中2021/03/15

20210315小惑星231937(2001 FO32)
一晩前にPHA(Potentially Hazardous Asteroid/潜在的に危険な小惑星)のひとつ、小惑星アポフィスを撮影しましたが、現在地球に近い位置にあるPHAのなかで最大級の小惑星231937(2001 FO32)も撮影したいと思っていました。2019年5月21日記事の接近リストにも載せた通り、最接近は今日から一週間後、2021年3月22日1:03JSTの予報です。

この小惑星は推定直径が1kmもあって、PHA仲間のアポフィスやリュウグウに対してかなり大きいサイズ。当然接近すると明るく見えます。今日未明に左上画像を撮影した時点で約15.0等、最も明るくなる21日には11.7等。小型望遠鏡での眼視観察や電子観望が可能な光度ですね。

ただし問題なのは「高度」のほう。今はケンタウルス座北部を南下中で、最接近前夜にはおおかみ座付近を高速移動。関東では南中高度わずか10°前後ですから障害物や低空の春霞の影響を受けてしまうでしょう。また接近日は地面に隠れている範囲を移動するため、薄明開始頃まで全く見えません。…と言うことで、この小惑星を楽しめるのも今週いっぱいと考えて良いでしょう。日ごと低くなるため、一晩でも早い観察をお勧めします。

普段の観察に使っている我が家の駐車場からは小惑星231937が全く見えませんので、同じ敷地の別の駐車場を間借りして撮影に臨みました。(その場所でも屋根すれすれで、1時間あまりで建物に隠れました…。)撮影後に時間が余ったけれど、今度は他の方向の撮影ができない位置でした。仕方がないから、望遠鏡の向きをあまり変えずに撮影できたさそり座頭部近辺の重星を4つ撮影(下画像)。画像上が天の北方向、縮尺は統一(800px四方=約200″四方相当)してあります。シーイングはかなり悪い状態でした。

二重星としてのアンタレス(αSco)は伴星の離角が2.62″(at 2021年)でかなり無謀なのですが、どうにか分離しないかとあの手この手で挑戦を続けています。色収差を補正しても北西(右上)がやや白っぽいことから、伴星の光が漏れている可能性があります。2 Scoも2.0″と限界に近かったのですが、西側にちっちゃな伴星がくっついてますね。楽しすぎて時間を忘れていたら、もう空が白んでいました。

  • 20210315_αSco

    αSco
  • 20210315_12Sco

    12 Sco
  • 20210315_2Sco

    2 Sco
  • 20210315_11Sco

    11 Sco


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