宵空で火星とすばるが接近2021/03/04

20210303火星とプレアデス星団の接近
昨夕は曇りの予報でしたが、日没後の僅かな晴れ間があったので、すばる(プレアデス星団/M45)に接近中の火星を見るべく急いで準備しました。望遠鏡組み立て中から淡い雲がどんどん広がるのが見え、間に合わないかなぁとヒヤヒヤしながら撮影開始。少し雲がかかったけれど、何とか記録することができました(左画像)。薄雲がにじみフィルターみたいな効果を出してくれました。青と赤のコントラストがいい感じ!なお計算上は本日4日宵のほうが若干近いようです。

黄道近くにあるM天体に惑星が接近することは度々あります。小型双眼鏡で見える7等以上の明るさで、黄緯がプラスマイナス5°以内のM天体は、M4、M8、M19、M21、M22、M23、M24、M25、M28、M35、M44、M45の12個。今回は「火星とM45」の組み合わせだったわけですね。(→過去の例:2018年3月の火星とM8・M20接近2018年4月の火星とM22接近2020年2月の火星とM8・M20接近2020年2月の火星とM22接近。)

次に火星がすばるに5°以内まで接近するのは2024年7月21日前後の明け方です。前述のM天体だと、直近では今年2021年4月27日宵にM35へ大接近(離角約0.5°)、同6月23日宵にM44のど真ん中通過(ただし低空)、同12月26日明け方にM4接近(ただし低空)と続きます。撮影が難しくても双眼鏡で気軽に楽しめますから、ぜひご覧ください。

20210304_23959月
その後完全に曇ってしまいましたが、今日未明に起きてみるとだいぶ雲が引いていました。月が登っていたので撮影できるかなと準備。途中で何度も薄雲通過に悩まされたけれど、こちらもなんとかカメラに収めることができました。右は3時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約239.59°、撮影高度は約40.5°、月齢19.96。数日見ない間にずいぶん欠けてしまいました。天の赤道より南に来てしまったため、大気の揺らぎがかなり像を悪化させています。

月面撮影後もまだ晴れが続いていたので、空が白むまで重星を観察。うち6つほど撮影できました。撮影時刻順に下に掲載します。いつもの通り、画像上が天の北方向、縮尺は統一(800px四方=約200″四方相当)してあります。シーイングが悪かったので、やや離れている重星メイン。離角2″の52 Herはモニター上で全く分離しませんでしたが、スタックしてみると北東側(左上)に暗い恒星がくっついているのが分かります。17 Draは上側の接近したふたつがA・B星系で、下に離れている星(16 Dra)もC星系の三重星のようです。

  • 20210304_ζ1CrB

    ζ1 CrB
  • 20210304_52Her

    52 Her
  • 20210304_δHer

    δ Her


  • 20210304_δSer

    δ Ser
  • 20210304_μDra

    μ Dra
  • 20210304_17Dra

    17 Dra


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