中川昇さんの月面セミナー・メモ2021/02/28

20210227_18347月
昨夜は満月。正確には2月27日17:17に満月瞬時を迎えました。当地は快晴だったけれど、満月瞬時はまだ月の出前の時間だったため姿が見えず、ようやく拝めたのは19時半頃でした。

左は日付が変わる少し前、23:30頃の撮影で、太陽黄経差は約183.47°、撮影高度は約63.8°、月齢15.81です。気温は氷点下でしたが大気が安定しており、シャキッとした姿を楽しむことができました。このほか今朝にかけて重星観察もしましたが、画像処理が追いつかないため明日以降の記事に掲載します。

ところで、昨夕は古くからの知人で中川光学研究室でおなじみ、中川昇さんがCP+2021 ONLINEセミナーに登場し、短い時間ながら月の魅力を語ってくれました。現象予報などで協力している当サイトもご紹介いただき感謝感謝です。近年は「観測・観望対象としての月」を熱く語れる方も減ってきたと感じますので、中川さんのお話しはとても貴重な演目に思いました。

惜しむらくは(オンライン発信「あるある」ですが)音がこもって聞き取れなかったり映像が見づらかったところがあったこと。そこで、興味を惹かれたところや自分が関わったところのみ、要点と注釈をこの記事にメモしておきます。


★月面七福神巡り(月面セブン)
中川さんセレクトの、月面の見どころ七ヶ所です。もちろん挙げていけば切りが無いでしょうが、「敢えて7つに絞るとしたら」ということですね。7位から1位に向かって書いてあります。括弧内は中川さんによる注釈。

20210227満月
  • アルプス谷(谷の中に谷)
  • コペルニクス(月の帝王)
  • 虹の入り江(月面最美の地形)
  • 静かの海(アポロ11号着陸地・ラモントの皺)
  • アリアディウス谷(分解能テスト)
  • 直線の壁
  • アルタイ断崖

初めて月をご覧になる方は、これらの地形がどこにあるか分からないでしょう。地形位置は何度も繰り返し観察して覚えるより他はありません。昨夜の満月に位置を描いてみたのが右上画像です(※注:上方向が月の北極側です/セミナーの画像と180°違いますからご注意!!)。ついでに中川さんによるセレクト番外編の三ヶ所(黄色字)、および月面文字地形(水色字)も描いてあります。満月なので陰影がなく、文字地形や崖、谷など全く分からないでしょう。でも、丸い月で大雑把な配置を覚えるということが重要です。

「地形がよく見える」というのは、該当地形が欠け際に近く陰影がはっきりする月齢のときです。上弦でも下弦でも構いませんから、月齢いくつの時どの地形を見るのが良いか調べつつ、楽しみながらたどってみましょう。焦ることはありません。何度でも気軽にトライしましょう。


★2021年に起こる月のイベント
  • 月面X(→右メニューの「月面の観察」に解説や予報があります。)
  • 月面A(→右メニューの「月面の観察」に解説や予報があります。)
  • 月食(一般天文雑誌や天文観測者向けの年報などをご覧ください。)
  • センタームーン(今年中春ごろ当ブログで解説予定です。天文リフレクションズさんの過去記事はここ。
  • 月の弦が水平・逆転(今年夏ごろ当ブログで解説予定です。)
  • パール富士(現在当ブログではダイヤ富士のみ予報していますが、いつかパール富士予報や、富士山以外の山などの予報も組み込みたいと思っています。)

月に限りませんが、天文現象というのは「一瞬で終わるもの」「数十分から数時間継続するもの」「数ヶ月から数年続くもの」「数年、数十年に一度しか起きないもの」という具合にバリエーション豊富です。また、観察場所によって現象時刻が変わったり、高度や方位が変わることもしばしばあり、初心者泣かせの一面があるのです。誰かが「今日の20時に国際宇宙ステーションが東に輝く月の前を通るよ」とツイートしても、全国でそのように見るわけじゃないし、「今日は曇ってるからまた明日見ようね」となるわけでもありません。

お月さまは「極めて近い天体」ですから、見る人の位置の影響がとても大きい。従って、予報を出す方も受け取る方も、十分チェックしてください。ここが「ただ眺めるだけ」から「積極的な観察」へ動き出す大きな一歩となるでしょう。中川さんがおっしゃっていた「秤動を味方につける」といった境地に達することができなくても月の観察は可能ですが、「いちばん面白いところを見す見す逃している」もったいなさがあるのです。

今日の太陽2021/02/28

20210228太陽
昨夜から今朝は雲ひとつ無い快晴夜。満月で、しかも明け方は氷点下4度まで下がったけれど、この季節にしては大気がとても穏やか。星月を楽しむことができました。朝からもよく晴れています。風はいつも程強くありません。花粉光環は全く見えませんでした。

20210228太陽リム
左は10:10頃の太陽。活動領域12803・12804・12805は健在ですが、12804はリムに寄ってかなり見辛くなりました。プラージュで全体が明るいですね。(※今朝3:00JST頃にC2.8クラスのフレアがあったようです。)他のふたつの領域も明るく、最後のあがきを見せているかのようです。

右下リムのプロミネンスがまたしても立派。これは数日前のと明らかに別物ですね。12805周辺にもダークフィラメントがありますから、3月になってもまだ続きそう。