美しい月とヒアデス星団の接近2021/02/20

20210220月とヒアデス星団の接近
今日の宵、月がヒアデス星団に接近しました。度々起こることですが、観察しやすさ・写しやすさの観点で言うと、月が細いシーズンでの接近のほうが格段に見やすくなります。つまり、3月から8月まで、太陽に近い5・6月を除く上弦前か下弦後がオンシーズンと言えましょう。今回はその先駆けですね。記事下表を参考にしてください。

左は19:30頃の撮影。多段階露光にて月表面から星団の暗い星まで押し込めてあります。気温が高いせいか空が霞んでいて肉眼ではパッとしませんでしたが、月も星団も明るいから問題なし。概ね小型双眼鏡の視野にすっぽり収まる接近なので実に見やすいです。特に、初めて星の世界に触れる方々にはうってつけの現象と思います。

来月3月19日にも同様に接近しますが、順行中の火星も一緒になり豪華でしょう。現在の火星はアルデバランより若干明るいけれど、来月はぐんと暗くなっています。覚えておいて比較してみてください。2月→3月→4月と見える位置が次第に低くなるため、視界が悪い観察環境ではお気をつけて。

【参考:月とヒアデス星団の接近日時・2021-2022年調べ】
最接近日時(JST)月齢月・ヒアデス離角(°)月・太陽離角(°)
2021年1月24日 7:0510.714.68123.03
2021年2月20日 15:318.484.9195.31
2021年3月19日 23:176.165.1867.93
2021年4月16日 6:033.775.3640.99
2021年5月13日 12:081.345.4214.50
2021年6月9日 18:1128.595.4111.68
2021年7月7日 0:4726.205.4437.70
2021年8月3日 8:1023.915.5963.78
2021年8月30日 16:0421.725.8390.07
2021年9月26日 23:5519.596.08116.70
2021年10月24日 7:1117.466.22143.70
2021年11月20日 13:4615.316.25171.05
2021年12月17日 19:5913.146.24161.29
2022年1月14日 2:2610.956.33133.51
2022年2月10日 9:418.796.56105.77
2022年3月9日 17:436.636.8378.24
2022年4月6日 1:584.447.0251.09
2022年5月3日 9:372.177.0824.40
2022年5月30日 16:1729.457.072.33
2022年6月26日 22:1427.077.1027.99
2022年7月24日 4:1224.687.2353.96
2022年8月20日 10:5822.347.4780.10
2022年9月16日 18:5320.077.71106.57
2022年10月14日 3:3117.867.85133.44
2022年11月10日 11:5815.677.87160.65
2022年12月7日 19:1813.477.85171.40

  • 自作プログラムによる概算です。ヒアデス星団の代表位置は赤経4h26m54s・赤緯+15°52′00″(J2000.0)としています。
  • 地心で見たときの日時・離角ですから、地表で見た場合では若干差が出ます。
  • 月齢が3から8(宵)または21から26(明け方)ごろがお薦め。この月齢と時間帯に最接近日時が入っていれば、一番接近した状態を眺めることができるでしょう。例えば2022年3月9日などはベストに近いですね。


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