おかえりなさい&いってらっしゃい、はやぶさ22020/12/06

20201205探査機はやぶさ2飛行星域
探査機はやぶさ2は無事カプセル投下に成功、その後次なるミッションへ旅立ちました。カプセル分離が成功しなかった場合、一緒に落下させる可能性もゼロではなかったから一安心。カプセルのほうも本日2:30JST前に大気圏へリエントリーし、星空を横切る大火球となって地上へ戻ったようです。

昨夜から今日2時頃までは地球近くを離脱してゆくはやぶさ2が見えるラストチャンスでした。晴れた地方では天文台の望遠鏡で捉えたところもあったようですが、私も小さな望遠鏡でトライしてみました。ところが当地・茨城は朝から小雨模様。なんということでしょう…。

夕方までそのままの悪天が続き、機材準備すらできません。夜になっても雲が多くて半ば諦めていましたが、奇跡的に20時台後半から雲が途切れ、22時前まで雲量が半分まで落ちました。大急ぎで準備、超高感度短時間露出で50カットほど撮ったところで雲に覆われました。以降回復することはありませんでした。該当方向が見えていたのはほんの20分ほど。一晩前のリハーサルで色々気付いた改善点が大いに役立ちました。

左上画像は探査機の移動に合わせてコンポジットしたもの。いやぁ、たった7分間なのに速いですね。中央付近にはやぶさ2がいるはずです。候補となりそうな像はいくつかあるけれど、残念ながら特定は困難。というのも、「おかえりはやぶさ2観測キャンペーン」から送られてきた位置情報が小数以下二桁というあまりに荒い精度だったから。写野内にあることは確かだとしても、潜在的な位置誤差が大きい(原画上で優に10ピクセルを越えてしまう)ままでは一点にコンポジットすることすらできない話です。

例えば1.00という値だったら0.005から1.014までの可能性があるということです。ここまで酷くないにしても、もしその半分の潜在誤差0.005°(1ヶ月弱前の火星直径くらい)として、私の機器構成では原画上で30ピクセルの差(=左上画像内の一番明るい星の幅くらい)。メトカーフコンポジットの場合、残差のために対象天体が「点像」ではなく「線状」に合成されてしまうのです。技術的に無理だったのなら仕方ないけれど、もう少し何とかならなかったのかなぁ…。

せめて冬空のような透明感のある晴れ間だったらもう1等暗いレベルを写すことができたという心残りはあるけど、ともかく、望遠鏡を向けて「おかえりなさい&いってらっしゃい」を言える時間が持てたことは本当に幸せでした。叡智に至る道はこういった積み重ねであることをしみじみ感じつつ。

今日の太陽2020/12/06

20201206太陽
昨夜から今朝はほぼ曇り。今日も午前中いっぱい曇っていました。13時前頃ようやく太陽が顔を出し観察することができました。

20201206太陽リム
左は13:10前の太陽。たくさんあった活動領域ですが、少しずつ裏側へ回りつつあります。現存してるのは北半球の12787と、南半球の12786、12788、12789、12790、12791。

中央子午線付近の黒点は12790、左半球の小さな黒点群は12791のもの。大きかった12786の黒点はほぼリム上にあって見えません。

12月になると急に太陽が大きく感じます。来年の近日点通過は1月2日と早く、2日になるのは2013年以来です。でも過去に遡ると1月1日に近日点通過というケースもあるようです。(※ただし旧暦ではなく、現代歴の仕組みを過去にも延長適用した場合。)1900年以降で計算すると、1905年1月1日13:26JSTが最早の近日点通過日でした。