エンゼルフィッシュ星雲突入前のアトラス彗星、火星の黄雲も拡大2020/11/17

20201117アトラス彗星(C/2020 M3)
昨夜から今朝にかけて晴れたものの、透明度がガタ落ちでした。星の明るさが1等級落ちたような感じ。昼間暖かかったから霧でもかかっていたのでしょうか。でも晴れていることは間違いないため、夜半すぎにアトラス彗星(C/2020 M3)を眺めました。

オリオン座のベラトリクス近くを通過し、いよいよエンゼルフィッシュ星雲へ入ろうとするアトラス彗星(左画像)。白が眩しいベラトリクス、彗星の明るい緑のコマ、そして淡く広がる赤い星雲の対比が美しいですね。

エンゼルフィッシュ星雲を横切るアトラス彗星(C/2020 M3)の位置
画像左上、毬のような(金魚の餌?)赤と青の星雲はSh2-263。この毬の直径が満月くらいあるので、彗星がいかに大きいか分かるでしょう。街中撮影のため光害カブリがひどかったので、なんとか星雲が見えるところまで落ち着かせるのに苦労しました。

エンゼルフィッシュ星雲は大きいため、彗星の星雲通過は向こう数日間楽しめるでしょう。晴れたらぜひご覧ください。(右図はStellariumによる彗星の概略位置、各日0:00JST。)

20201116火星
さて、宵のうちにまた火星の黄雲も観察しました。黄雲発生位置がなるべく中央に来るよう観察時間をずらしています。私の観察環境では時間をずらしすぎるとシーイングが悪化するため、なかなか難しい選択なのですが…。

右は16日20:20前後の撮影。また昨日11月16日の記事に倣って地図化したものが下図です。中央には相変わらず明るく光る黄雲が見え、衰える様子はありません。南側へ流れている砂嵐はますます拡大、南緯60°あたりまで達していました。北側への流れも続いているようです。雲のようにモコモコに見えるのは黄雲に影がついているせいでしょうか、それとも単なる錯覚?こればかりは他の方の観察とじっくり見比べる必要があります。

東西方向にも広がっていますので全周回ってしまうのか!?ふと2018年の不安が頭をよぎります。火星は小さくなりましたが、まだまだ目が離せませんね。

20201116火星の黄雲比較


今日の太陽2020/11/17

20201117太陽
朝からよく晴れています。昨夜同様少し透明度が落ちており、また大気のゆらぎが大きいです。

20201117太陽リム
左は10:20過ぎの太陽。南半球の活動領域12782が中央子午線にやってきましたが黒点はないようです。いっぽう左下リムに新たに見えてきた活発な領域(※大きなプロミネンスが出ているところではなく、8時方向辺り)には可視光でしっかりした黒点があります。中央に来るまで元気でいてほしいですね。