澄んだ空に浮かぶ月と火星2020/10/31

20201031_16957月
昨夕まで雲が多かったものの、仮眠して21時ごろ起きてみると見事な快星。しかも放射冷却が始まっており、気温はすでに一桁台でした。明け方までバッチリ晴れたものの朝から用事があったため、並んで輝いていた火星と月を眺めるに留めました。

左は日付が31日になって1時間も過ぎない頃の撮影。太陽黄経差は約169.57°、撮影高度は約50.0°、月齢は13.84。31日夜には今月二回目の満月を迎えるため、まだ左側が欠けています。一晩前の十三夜が雲に隠れてしまったため、せめてもの満月前ショットです。

風もなく、静まり返った空の月。冬かと思うような光景でした。撮影時の気温は5度。透明度は抜群ですが、代わりにシーイングが悪くなってしまうのが玉に瑕。後述の火星もそうですが、肉眼での神々しさとは裏腹に、望遠鏡を通した像はひどいものでした。拡大するほどシャープネスが足りませんね。

月面A地形がまだ確認できます。月面ツインAのほうは微妙…。リュンカーの低い山がまだ見えています。計算すると欠け際から16°あたりの位置、つまりリュンカーから見た太陽高度が16°ということ。低い山の場合、これくらいの太陽高度が地球から視認可能な陰影限界のようですね。(→参考記事「月面地形が見やすい範囲はどこまでか?」

20201030火星
日付が変わる前、22時過ぎに火星も眺めました。ほぼ南中時刻でしたが大気はユラユラ…。それでも思っていたほど酷くないかなぁ、といった程度。どうにかチュレニーやキンメリアあたりが確認できます。南極冠が恒星像のように小さく、北極側はうっすら白くなっていました。向かって左側が暗くなってきており、位相角が少しずつ大きくなっていることが分かるでしょう。

あと一ヶ月位は観察を続けたいのですが、地上も空もどんどん冬になってゆきます。どこまで良い空が来てくれるかは運次第。

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