名月と名火星を楽しむ2020/10/02

20201001_17695月(中秋の名月)
朝から小雨でスタートした10月初日でしたが、夕方前には青空が見え始め、夜は曇りと晴れとが繰り返すまでに回復しました。昨夜は2020年の「中秋の名月」、そして今朝6時頃には今月の満月ということで、南中を迎える1日23:30頃に名月鑑賞と洒落こみました。

時折雲が通過する中、火星から離角19°ほどのところに並んだ月が明るさを競うように夜空を照らします。透明度は少なく、湿気が多い白い夜。気温はなんと15度。ひんやりして気持ちいい…というか、未だ夏の格好で観察しているから寒い。ピリッとしてきた空気に、あらためて秋の深まりを感じさせられました。望遠鏡の筒外があっと言う間に結露してしまいます。

名月はりんとして見えますが、望遠鏡を向けるとやはりシーイングが乱れ、川底の石を見るようでした(左画像)。撮影時の太陽黄経差は約176.95°、撮影高度は約51.5°、月齢14.4。満月瞬時のおよそ6.5時間前です。秤動は大きく「お辞儀」してるように北(画像上)をこちらに向けており、北側がかなり欠けていますね。エルミート(Hermite/ヘルミット)やピアリー(Peary)、ナンセン(Nansen)など北極地方の大きなクレーターは難なく見えますが、その奥まで見えているようです。もう少し大気が安定していたら…と、ちょっと残念。でもまぁ、名月だから許しちゃいましょう。

月頭に名月ということは月末に「二の月(後の月)」、つまり秋の名月第二弾「十三夜」もやってきます。10月内に名月と二の月が両方見えることは珍しくなく、概ね10年に1回程度起こります。前回は2009年で、中秋の名月が10月3日、二の月が10月30日でした。次回は2028年で、名月が10月3日、二の月が10月30日。また、今月は満月瞬時が月末31日23:49にもあります。これは月間重複(満月が一ヶ月内に2回起こる場合の2回目)という定義に基づくブルームーンです。まさに名月づくしの一ヶ月となりそうですね。

20201002火星
最接近が来週に迫った火星も負けていません。2日と3日は1日よりも月に近いところで競り合います。月の揺れ具合から覚悟はしてましたが、望遠鏡を向けると9月28日の観察よりもひどいシーイング。それでも雲がずっと少なかったので、短時間で撮影を終えることができ、自転の影響も少なくて済みました(右画像)。

位相角は9.636°、月に例えるなら満月18時間前、といったところです。キンメリア人の海やシレーンあたりがよく見えます。欠け際に白く明るいところが見えますね。右端はたぶんオリンポス山あたりですが、その南側(タルシス三火山あたり?)は雲があるようです。うーむ、抜群のシーイングで見たいなぁ。

参考:
アーカイブ「伝統的七夕・中秋の名月の一覧」(ブログ内)
アーカイブ「満月とブルームーンの一覧」(ブログ内)

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