街中から小惑星リュウグウをとらえた!2020/08/29

20200829小惑星リュウグウ
探査機「はやぶさ2」が地球帰還の途についていることは周知のとおりですが、探査対象となった小惑星リュウグウ(162173/1999 JU3)も一緒に地球へ接近しています。(※リュウグウは地球近傍天体=NEO、潜在的に危険な小惑星=PHAのひとつです。)これに伴い、今年晩秋から初冬にかけてアマチュアの望遠鏡でもギリギリ撮影できる16等後半程度の光度になるでしょう。

自分の望遠鏡や撮影環境だと9月中旬頃から写せるかなあ…などと考えていたら、星仲間の(の)さんから「今夜は良い空だから写ったよ」とのお知らせが。空を見ると確かに揺らぎや霞が少なく、この夏一番と言ってもいいほどの星空でした。(月があるのに、街中からはくちょう座やカシオペア座付近の天の川が見えました。)ダメ元でRyuguに望遠鏡を向けてみようと思いたち、月没を待って撮影開始。航海薄明近くまでたっぷり3時間露出しました。

小惑星の予報光度は18.8等から18.9等。一度も挑戦したことのない未知の領域です。口径わずか20cmの光学系ですから単純に露出を伸ばすだけではダメで、様々な工夫が必要でした。その甲斐あって、予報位置ぴったりに暗い小惑星が姿を表したのです(左上画像)。一晩前に撮影した小惑星Gaultは肩慣らしのつもりでしたが、次の日こんなにあっさりRyuguに巡り会えるとは驚き。予定より二週間早くファーストコンタクトを成し遂げました。はやぶさ2を讃えるのはもちろんですが、役に立ってくれた小惑星リュウグウにもぜひ目を向けてくださいね。

今日の太陽2020/08/29

20200829太陽
昨夜は快星、今日朝からも快晴。とても暑いです。

20200829太陽リム
左は13:00前の太陽。活動領域はありません。左上リムにしばらく見えていたプロミネンスは光球内に入り、立派なダークフィラメントになりました。更にモゾモゾしたプロミネンスたちが続いていますね。何か見えてくるのかな?

15時時点のアメダス速報値による夏日地点は874、真夏日地点は768、猛暑日地点は238でした。8月14日から21日まで続いた猛暑日地点200超えがまた起こってしまいましたね。真夏日地点700超えも今月7回目です。