二種類の尾を伸ばすネオワイズ彗星2020/07/10

ISSからのネオワイズ彗星
間違いなく近年トップクラスの肉眼彗星になっているネオワイズ彗星(C/2020 F3)ですが、国際宇宙ステーションから撮影された画像が公開されています。もう各種メディアで取り上げられているのでご覧になった方も多いでしょう。

左はそのうちの一枚です。見やすいように若干輝度を上げてあります。彗星の位置関係から、日本時間7月6日夜明け前に撮影されたものと分かります。地上から見た星の配置とほとんど変わりませんから、ぎょしゃ座の星々やプレアデス星団、地球の縁から登ったばかりの明けの明星+ヒアデス星団なども一緒になって見えます。

一枚画像ですので、画質が荒れることを承知で更にレベル調整してみると、彗星の尾が2本(2種類)に別れていることに気付くでしょう(右下画像)。明るく見えてカーブしているほうがダストの尾、淡く真っすぐ右上に向かって伸びているほうがイオンの尾。最盛期のヘール・ボップ彗星に近いイメージでしょうか。いくつかの画像で調べましたが、イオンテイルはダストの二倍ほど伸びているようです。ちなみにネオワイズ彗星から4°ほど下方には、5月ごろ肉眼彗星になると噂されたのに暗くなってしまったSWAN彗星(C/2020 F8)がいます。

ISSからのネオワイズ彗星
地上からも高度が出てきましたから、イオンテイルまで分かる画像が世界各地で撮影され始めています。地上からの彗星はかなり低いことに加えて薄明時間帯ですので、天候や透明度などに恵まれた空でなければ淡いイオンテイルまではっきり見えることは困難と思われます。(※著名な彗星写真家のMichael Jaegerさんによる画像には驚かされました。)

計算上では10日経つ毎に1.5等ほど暗くなるため、梅雨明けが一週、二週と遅れるのは致命的…。なにはともあれ、土砂災害や新型肺炎感染を乗り切り、晴れやかな気持ちで彗星と対面するとしましょうか。

(Image courtesy of the Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center,→original image

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