信じがたい8日間の積算降水量2020/07/09

20200709-0600JST
今日も当地・茨城県南部は朝から強い雨が降った時間があり、大きな地震も起きました。左は今朝6:00JSTの衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。相変わらず雲に覆われて列島の形が確認できず、かろうじて北海道が分かる程度。昨年に比べかなり雨量が多いように感じますが、これは私の住む地方だけではないでしょう。(※ちなみに画像右下に見える茶色の雲は西之島の噴煙です。)

7月の雨は梅雨明けまでの前半に降水量が集中する…というわけではありません。もちろん地形や年ごとに変化する気圧配置などの影響もあるでしょうが、下旬も含めてまんべんなく降るようです。

7月の降水量日々平年値
年間降水量が多い太平洋側に面した三点…「屋久島」「魚梁瀬」「尾鷲」を選び、7月の日降水量平年値をグラフ化してみました(右図)。多少の変動はありますが、前半に偏ってはいませんね。むしろ下旬のほうが多いことに驚きです。

今年の7月はニュースが追いきれないくらい日本各地で災害が発生しています。月初めの1日から昨日8日までのアメダスデータが出揃ったので、降水量合計がどこまで達しているかを全ポイント集計してみました。また、その値が「7月の総降水量平年値」と比べてどうだったかも計算し、即席で申し訳ありませんが地図化してみました(下A-D図)。大きめに仕上げたので、気になるところを詳しく調べてみてください。ただし「新設ポイントで平年値が出ていない」など、計算できないところも全体の14%ほどありますからご留意ください。

8日間ですから、単純に考えれば月全体の四分の一を消化したに過ぎません。前述のように上旬に偏るわけではないですから、数日の降水量が「既に7月総降水量に達している」とのニュースを聞く度に、そんなバカなと思うわけです。ところが、まだまだ甘かった…。8日間合計が平年値以上だったのは291地点もあり、そのうち16地点で平年値の2倍に達したところも!さらに鹿児島県鹿屋(カノヤ)ポイントでは3.01倍というとんでもない降水量でした。この地における年間降水量の44%がわずか8日間で降ってしまった計算です。

前述のように計算できなくてやむを得ず「通常並」の表記にしてあるところがあるので、ご自身の近所は大丈夫だと過信しないようにしてください。九州や中部・東海の話題が多いですが、よく見れば北海道から沖縄まで至るところで降水量過多です。まだ7月は半分も終わってませんよ。

  • 2020年7月1-8日の降水量・北日本

    A.北日本
  • 2020年7月1-8日の降水量・東日本

    B.東日本


  • 2020年7月1-8日の降水量・西日本

    C.西日本
  • 2020年7月1-8日の降水量・諸島

    D.島しょ部


【平年値問題】

鹿屋・積算降水量
気象庁では平年値を「西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新」としています。(※ただし算術平均ではなく、平滑化の工程を踏んで「均して」あります。)今使われているのは「1981-2010年の30年間による平年値」で、2011年5月から使われています。

気温、降水量、日照などの評価に使われる平年値ですが、このルールだと来年春からは「1991-2020年の30年間による平年値」に差し替えられます。基準が変わるため、今年の評価と来年の評価を比べるときは「同じ基準で比べているかどうか」という注意が必要になりますね。例えば左図は記事に登場した鹿児島県鹿屋ポイントのグラフですが、来年は赤点線位置が変わってしまいます。もし縦軸がmmではなく平年比(%)だった場合、来年の同じ時期に新平年値で描いたグラフと直接比較ができなくなるでしょう。

また20年ぶんの共通期間があるとは言え、10年間ずれることで近年の気候変動の極端化・常態化が平年値そのものに与える影響もしっかり把握しておく必要がありそうです。(平年値の変化を詳しく分析したような論文があれば読んでみたい!)


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