ベピ・コロンボ、アトラス彗星、板垣さん発見PSN、全部見た!2020/04/11

20200410水星探査機「ベピ・コロンボ」スイングバイ
昨夕から今朝は盛りだくさんの一夜でした。珍しく透明度が良い夕方、明るいうちから庭先に機材をセット。もちろんスイングバイを終えて宵の南空を通過する水星探査機「ベピ・コロンボ」を狙うためです。薄暮が収まるころ早速該当星野に望遠鏡を向けると…おお!動いてゆくベピ・コロンボがいきなり見えました。こんなに明るいとは…。はやぶさ2のときは(空も悪かったけれど)とても速くて全く写りませんでしたが、今回は余裕で撮影できました。

左画像は19:45頃から約20分間の動き。画像上方向が天の北方向です。ベピ・コロンボは右上に向かって予定されたコースを移動してゆきました。途中、何らかの静止衛星がニアミスしました。静止衛星はこのエリアにたくさんいますが、観察者に対して静止していますから、星の日周を追いかけている望遠鏡にとっては西から東(右から左)へ動いて見えるのです。中央を水平に横切る一機の他、左上にももう一機います。

20200410水星探査探査機ベピ・コロンボ
別カットで撮影した20:10から10分間のコマを使って、gif動画も作ってみました(右画像)。ひとコマ(20秒露出)あたり0.2秒で再生していますから、実際に観察した光景のおよそ100倍速です。真ん中やや右上の明るい星は、左上画像にあるHIP48118。それにしても、小さな軌跡がちょこちょこと懸命に進む姿を見ていると、なんだか涙があふれました。

一通り撮影を終えたら、休む間もなく今度は北の空へ。さあてアトラス彗星(C/2019 Y4)はどうなっているでしょうか。

まだ月が登って間もないため、あまり影響を受けずに済みました(下A画像)。シンチレーションが最悪に近かったため星像はボテボテですが、ここ何日かの撮影よりはコントラスト良く写っています。そのせいかコマがよく広がって見えました。ただ相変わらず核らしい光は無いように感じ、明るい部分が東西に延びていました。分裂核が行儀良すぎるのか、互いがあまり離れませんね。

月が南中する頃に撮影してから観察終了と思っていたのですが、その前に天文情報をチェックしたら、なんと山形の板垣公一さんが10日23時JST少し前に超新星候補天体を発見したとの情報が!!場所はおとめ座・スピカ近くのNGC5111です。急いで外に出ると、もうスピカが屋根に没しようとしていました。望遠鏡を数メートル移動すれば数十分ほど写せそうだったので、重たい機材をソローリ、ソローリ移動して最設置。なんとか30分ほど取得することができました(下B画像)。発見光度15.8等とのことですが、月から34°角も離れていない小銀河で発見してしまうとは…。恐れ入りました。本日から数日は天気が悪い予報でしたので、ベピ・コロンボから始まる一連の観察が全て間に合って良かった良かった。

  • 20200410アトラス彗星(C/2019 Y4)

    A.アトラス彗星(C/2019 Y4)
  • 20200411_AT2020gdw in NGC5111

    B.AT2020gdw in NGC5111


参考:
アトラス彗星(C/2019 Y4)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2020/04/11

20200411太陽
放射冷却なのか、今日明け方は1度台まで冷え込みました。でもほとんど雲が無い日差しのおかげで、日中は16度台になりました。今夜から天気が崩れ、またしても気温低下が見込まれます。気温変化が激しい今日このごろ。

20200411太陽リム
左は9:30過ぎの太陽。活動領域12759は右上リムぎりぎりのところへ達しました。近くにプロミネンスが2箇所ほど見えていますが、よくよく位置を付き合わせると活動領域からのものではないようです。他に目立つものは見当たりません。

関東では午後早いうちからもう雨が降り出しているところもありますが、当地・茨城は夕方まで晴れが持ちました。宵には雨雲がやって来そうです。