いよいよ宵空で金星とすばるがランデブー2020/04/03

20200402宵・金星とすばるの大接近
いよいよ夕空で金星とすばる(プレアデス星団/M45)が大接近を始めました。4月4日までかかって星団の中を通過します。丸々一週間ほど天気が悪かった関東ですが、昨日ようやく暗いトンネルを抜けたように快晴となりました。数日は天気が持ちそうなので、宵空が楽しみ。

2020年3月27日記事に金星とすばるの接近カレンダー表を載せましたが、この現象はおおよそ2年ごとに起こります。その中でも星団の星々の中に埋もれてしまうほど近距離を通過するケースが約8年ごとに発生するのです。前回は2012年4月4日でした。覚えていますか?

左画像は昨夕の様子。まだ星団の中には入っていませんが、これだけ拡大撮影しても一緒の写野に並ぶなんて、素晴らしいですね。この大接近は望遠鏡でも、双眼鏡でも、そして肉眼でも楽しむことができますよ。写真で見るよりはるかに美しいですから、ぜひ生でご覧ください。

20200402宵・金星(等倍切り出し)
ちなみにこの画像は多段階露光で、すばるの微光星からまぶしい金星に至るまで、幅広い等級を押し込んであります。確認すると、一番暗い星は14等、一番明るい金星はマイナス4.4等。実に18等星あまりの幅です。明るさに紛れていますが、機材を変えずに金星本体も写してコンポジットしてあります。コンポジット前の元画像から金星部分を等倍で切り出ししてみました(右画像)。ちゃんと半月状になっていますね。

兎にも角にも素晴らしい眺めですから、晴れたら宵空をご覧ください。5日以降は次第に離れますが、10日ごろまでは双眼鏡で一緒の視野に見えるでしょう。なお、次回このレベル(離角1°未満)まで接近するのは2028年4月4日、さらにその次は2036年4月4日になります。2036年はすばるの別名「羽子板星」の板に金星が載ってしまい、すばる内で最も明るい星「アルキオネ」に重なるほど近いですから、ぜひ長生きしてくださいね。(※アルキオネは富士重工業SUBARUの車種アルシオーネの名になってます。)

20200402アトラス彗星(C/2019 Y4)
夜になると上空の月が赤くなるほど透明度が悪化しました。それでも久しぶりの晴れ間でしたのでアトラス彗星(C/2019 Y4)に望遠鏡を向けました。光害と月明かりに負けてコマはあまり大きく写りませんが、一週間前に比べて尾がとても太く、そして長く成長しているのが分かりました。

左画像では尾の端がよく分かりませんが、いくつかの観測報告では既に1°角を越えているとのことです。この画角は長辺が約0.8°ですから、尾は画面からはみ出てしまってることになります。もし抜群のコンディションで撮影できる方がいらっしゃったら、300mmから500mm程度のレンズで十分ですから、尾の端まで写し撮ってみてくださいね。

参考:
アトラス彗星(C/2019 Y4)に関係する記事(ブログ内)

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