アトラス彗星とM97&M108の共演2020/02/25

20200225アトラス彗星(C/2019 Y4)
昨夜から今朝にかけて天気が崩れ始まる予報だったので天体観察は望み薄。ただ、GPV気象予報などでは降水の心配も無く、夜半過ぎに一時的な晴れ間が期待できたため一応機材の準備だけしておきました。

夜半前に空を見ると薄雲があるものの星が見えています。ひと晩前ふくろう星雲(M97)に接近したアトラス彗星(C/2019 Y4)が、今夜はM97とM108の中間に位置するはず。でも予想外に晴れ間が早く訪れたため、嬉しい気持ちより先に戸惑いました。というのも、夜半に南中するこれらの天体を撮影するには「望遠鏡の南中問題」をクリアしなくてはならないからです。

撮影したことがある方は分かると思いますが、赤道儀で天体を追いかけ続けたとき、南中近くで望遠鏡が三脚やピラーに激突する恐れがあるのです。これを回避するよう追尾を自動的に止めたり、望遠鏡位置を西から東へ変えた後また追尾を続ける機能を有するタイプもあります。ただ、これらの機能があったとしても撮影に途切れが生じたり、思わぬ危険(たとえばケーブルが絡んで引き千切れるなど)が潜んでいることに変わりありません。だから、可能な限り南中前に撮影を完了するか、南中後から撮影を始めるか、私はどちらか一択にしてます。

しばし悩んだ末、すぐ撮影を始めることにしました。夜半過ぎまで待っても天気が一時回復する確証は無いし、今すぐ始めれば(天気が持てば)最低でも1時間は露出できそう。ということで大慌てで準備しました。カメラが三脚にぶつかるギリギリまで粘って撮影枚数を稼ぎ、最終的に100分強の露出となりました。直後に南西から雲が広がり、明け方までほぼ曇り空。結果的に早めのスタートは大正解でした。

淡く広がる彗星のコマは前夜と変わりませんが、視直径がM108の横幅に匹敵するとは驚きです。ひと晩前より撮影枚数が多いので滑らかな画像となり、原画では南西に延びる尾が分かりやすくなりました。透明度は悪かったものの、一時的でも思いがけない好天気に恵まれ、このランデブーをカメラに収めることができて本当にラッキーです。

参考:
アトラス彗星(C/2019 Y4)に関係する記事(ブログ内)

どうした、降水レーダー?2020/02/25

20200225-1350降水レーダー
列島に雨雲が迫ってきました。関東も山沿いで冷え込んでいるので、ブライトバンドなど降雪の兆候でも見えるかなと思いながら気象庁の降水ナウキャストを見ると…

どうしたことか、左のような画面に出くわしました(気象庁サイトから引用)。どう見ても不自然と思い、5分おきに表示される前後の画像を追いかけてみましたが、おかしなのはこの13:50の画像だけ。

高解像度降水ナウキャストは、気象庁のCバンドドップラーレーダーにアメダスやゾンデ観測値なども加味し、更に国土交通省のXバンドレーダー(XRAIN)まで利用した複合システム。天気情報の間違いは命の危機に直結するので、表示データは相互補完されてエラーを無くすようになっているはずですが、このおかしな現象(?)は何故なのでしょうか?5分間で降水域が急変するような状況に見えないし…。降雨のレーダー観測に様々な弱点があることを知ってはいますが…。んー、謎です…。(下は広域で見た13:50前後の様子。)

  • 20200225-1345降水レーダー

    13:45
  • 20200225-1350降水レーダー

    13:50
  • 20200225-1355降水レーダー

    13:55