夕空の三惑星を狙ってみたけれど… ― 2020/02/10
今日10日は夕空の水星が東方最大離角を迎えます。少し前から金星と並んで輝いているのをベランダから眺めていましたが、昨夕(9日夕方)は強風が残っていたものの透明度が抜群に良かったので、見晴らし良い近所へ出かけました。
夕空を飾っている惑星は金星と水星だけではありません。1月28日に金星との離角4′という超接近を果たした海王星もいるのです。海王星はほぼ8等星ですが、この三惑星をいっぺんに撮れないだろうか…そう思ったのでした。色々な設定で撮りまくり、家に戻ってから気合いを入れて微光星まで炙り出したのが左画像。どこに何が写っているかは右下画像をご覧ください。うお座を構成する「西の魚」や、みずがめ座の三ツ矢マークのひとつη星(ηAqr/画像右下)あたりが写っていますよ。
画像上側は背景が十分暗いため、元画像では9.0等まで確認できました。でも海王星がいるみずがめ座φ星(画像中央)近くは7.0等前後がやっとです。薄暮のグラデーションがまだ明るすぎるのも理由のひとつなんですが、それより影響が大きかったのは「カメラのスケアリングが微妙に狂っている」ことでした。画像上ではピントが合っているのに、下に行くほどズレているのです。
これは通常の星野を撮っているとき分かっていたことでしたが、私の技術力では直せません。現場では構図を決めてから上側の金星でピントを合わせてしまったため、下側が蔑ろになってしまいました。中央でピントを合わせていたなら、あるいは写っていたかも…。
まだ数日は水星が見えているでしょうから撮り直すチャンスがあるかも知れません。水星が前景に隠れるギリギリまで待てば薄暮だって少しだけ暗くなるでしょう。でも寒気は去りつつあって、今日以降の透明度はあまり期待できません。この写真は何よりもまず透明度が隠れた主役なのです。さてさてどうなるかな?
夕空を飾っている惑星は金星と水星だけではありません。1月28日に金星との離角4′という超接近を果たした海王星もいるのです。海王星はほぼ8等星ですが、この三惑星をいっぺんに撮れないだろうか…そう思ったのでした。色々な設定で撮りまくり、家に戻ってから気合いを入れて微光星まで炙り出したのが左画像。どこに何が写っているかは右下画像をご覧ください。うお座を構成する「西の魚」や、みずがめ座の三ツ矢マークのひとつη星(ηAqr/画像右下)あたりが写っていますよ。
画像上側は背景が十分暗いため、元画像では9.0等まで確認できました。でも海王星がいるみずがめ座φ星(画像中央)近くは7.0等前後がやっとです。薄暮のグラデーションがまだ明るすぎるのも理由のひとつなんですが、それより影響が大きかったのは「カメラのスケアリングが微妙に狂っている」ことでした。画像上ではピントが合っているのに、下に行くほどズレているのです。
これは通常の星野を撮っているとき分かっていたことでしたが、私の技術力では直せません。現場では構図を決めてから上側の金星でピントを合わせてしまったため、下側が蔑ろになってしまいました。中央でピントを合わせていたなら、あるいは写っていたかも…。
まだ数日は水星が見えているでしょうから撮り直すチャンスがあるかも知れません。水星が前景に隠れるギリギリまで待てば薄暮だって少しだけ暗くなるでしょう。でも寒気は去りつつあって、今日以降の透明度はあまり期待できません。この写真は何よりもまず透明度が隠れた主役なのです。さてさてどうなるかな?
静かな夜の満月 ― 2020/02/10
昨夕昇った月はぱっと見まん丸でしたが、満月瞬時は2月9日16時半ごろでしたから、まんん丸から数時間が過ぎていました。日付が10日に変わって少し経ち、南中を過ぎたところで撮影してみました。
左画像は0:45頃の撮影で、太陽黄経差は約184.75°、撮影高度は約69.7°、月齢15.75です。南東側(右下側)が欠け始まっていますね。気温はマイナス4度。大気は比較的落ち着いており、透明度も高く、あたりは怖いくらい静まりかえっていました。雪の降る夜の静けさに似ています。まさにSnow Moon。こういう落ち着いた夜中のお月様は大好きです。
1月の満月は半影月食でしたが曇ってしまいました。この月には何の現象も起こりませんが、何か起こるときにしか見ない天体観察よりも、いつも見慣れた夜空の美しさに気が付けるほうが心地よいなぁと感じました。
左画像は0:45頃の撮影で、太陽黄経差は約184.75°、撮影高度は約69.7°、月齢15.75です。南東側(右下側)が欠け始まっていますね。気温はマイナス4度。大気は比較的落ち着いており、透明度も高く、あたりは怖いくらい静まりかえっていました。雪の降る夜の静けさに似ています。まさにSnow Moon。こういう落ち着いた夜中のお月様は大好きです。
1月の満月は半影月食でしたが曇ってしまいました。この月には何の現象も起こりませんが、何か起こるときにしか見ない天体観察よりも、いつも見慣れた夜空の美しさに気が付けるほうが心地よいなぁと感じました。
今日の太陽 ― 2020/02/10
夕空の三惑星に再挑戦 ― 2020/02/10
昨夕にうまく撮影できなかった金星と水星、それに海王星を交えた三惑星会合。本日も夕方は良い天気でしたが諸般の事情で出かけられなくなり、また予想通り透明度が大きく落ちていたため、気持ちを切り替えて今夕は自宅ベランダで再挑戦。その代わり短時間露光でもガイド撮影し、可能な限り点像の精度を上げることにしました。
明るい内に機材をセットしながら西空を見ると、東方最大離角を迎えた水星が早くから姿を現していました。ただ、暗くなるのを待つ間にどうしても電線の中に入り込んでしまいます。ベランダ観察はこれがネック。前景の景観は諦め、水星が建物などに隠れなければ良しとしました。本日の主役には悪いけれど、水星がギリギリまで低くなり薄暮が暗くなった頃を見計らって撮影開始。すぐにピント確認と画像処理過程に移ります。左画像は垂直がきちんと取れていませんがご容赦ください。どこに何が写っているかは右下画像をどうぞ。
処理はアルゴリズムを1から見直し、昨日よりもっと暗い星まで抽出できるよう微調整。おかげで0.5等ほど下限を下げることができました。さあ、果たして海王星はいかに!?目印になるみずがめ座φ星付近を見ると、傍らにしっかりした星像が認められます。位置と写り方からして、ノイズではなく海王星でしょう。(※コンポジットした5枚全てに写っています。)周囲の微光星も8等台の星々まで確認できました。右のインサート画像は原寸大で、数字は等級です。
かくして三惑星の撮影に成功しました。天王星くらいなら難なく写りますが、薄明薄暮中の「8等級の壁」はなかなか越えられません。太陽に最も近い惑星と最も遠い惑星とを同時に撮る挑戦、良い経験になりました。もう少し前景が格好良ければ申し分なし。水星が見えている間に透明度良い夕空がやって来たら、もう一回くらい写してみたいものです。
明るい内に機材をセットしながら西空を見ると、東方最大離角を迎えた水星が早くから姿を現していました。ただ、暗くなるのを待つ間にどうしても電線の中に入り込んでしまいます。ベランダ観察はこれがネック。前景の景観は諦め、水星が建物などに隠れなければ良しとしました。本日の主役には悪いけれど、水星がギリギリまで低くなり薄暮が暗くなった頃を見計らって撮影開始。すぐにピント確認と画像処理過程に移ります。左画像は垂直がきちんと取れていませんがご容赦ください。どこに何が写っているかは右下画像をどうぞ。
処理はアルゴリズムを1から見直し、昨日よりもっと暗い星まで抽出できるよう微調整。おかげで0.5等ほど下限を下げることができました。さあ、果たして海王星はいかに!?目印になるみずがめ座φ星付近を見ると、傍らにしっかりした星像が認められます。位置と写り方からして、ノイズではなく海王星でしょう。(※コンポジットした5枚全てに写っています。)周囲の微光星も8等台の星々まで確認できました。右のインサート画像は原寸大で、数字は等級です。
かくして三惑星の撮影に成功しました。天王星くらいなら難なく写りますが、薄明薄暮中の「8等級の壁」はなかなか越えられません。太陽に最も近い惑星と最も遠い惑星とを同時に撮る挑戦、良い経験になりました。もう少し前景が格好良ければ申し分なし。水星が見えている間に透明度良い夕空がやって来たら、もう一回くらい写してみたいものです。